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第4章-2「ゴミ箱との戦闘」
M-0では、ほとんどの異能力者や怪異が、理天統烈華の5属性のいずれかをその本性としており、その属性に応じた性質を持っています。しかしシステム上、属性の影響を受けない、無属性の存在もいます。
人間なら異能を持たない一般人は無属性になりますし、怪異にも、ごく一部、そのような存在がいます。
無属性は、5属性の全てに対して不利で、ある程度属性力をチャージした相手にはほとんど無力になります。
また、もちろん異能力は一切使用できません。つまり、無属性の相手は、属性を持つものから見ればいわば圧倒的な弱者になるのですが…
WC:隊列確認。
千晴:先頭!
玄:後列!
WC:君たち以外の味方は、夏川夕日(LP26)、シン(LP18)で。ちなみに、2人ともトーシロなので回避防御は出来ません。もちろん障壁もないです。
玄:ですよね。
4体ものゴミバコとの戦闘。
シンと夕日という保護対象を抱えているため、多少の行動制限を受けるが、その不利を覆せるか。
千晴:<千誓>目を閉じ、自分の戦いがなんの為であるか宣言することで、心を研ぎ澄ます。
「千晴。仲間を守り、怪異を破壊することを、ここに誓う! 」
<千誓>
千晴のスキル。誓いを立てることで、属性力を一気にチャージできる。
1ターン目は、セオリーどおり属性力のチャージ。
しかし、無属性の2体のゴミバコは、属性力を使うことが出来ない分、逆に、そのチャージ時間にも攻撃を仕掛けてくる。
WC:透明ゴミバコ1は、玄に、てっぺんの面から生えてきた鉄砲のような形のチューブから高水圧ブラスト。
玄:うほ。
WC:命中10。無属性攻撃です。
玄:ガードします。
WC:威力は…19てん。
玄:ギャンブル!ダイス9でバースト!…振り足しは…しない! ダメージ消した!
WC:透明ゴミバコ2は、千晴に。てっぺんの面から出てきたスクイーザー(刃つき)で殴ってくる。命中5。
千晴:ケアフル回避。ダイス4。目で回避した(キラ☆)
しかし、無属性の攻撃は簡単に無力化できる。2人は、それぞれに危なげなく対処。
そして2ターン目。
千晴:「夕日!ぼーっとしてるな!下がれ!」
夕日:「はえっ!? おおおおおおっけいさがるよぉ!」
WC:となると、ワントップ?
千晴:だよねー(笑)。
玄:前に出るよー。
千晴:たすかるー。
玄:前衛にいても後衛かばえるよね?
WC:大丈夫です。遊び人と魔法使いが前列、勇者2人が後列に変更した。と。
狙われる危険が大きかった夕日を後列に下がらせ、いつでも夕日とシンをかばえるよう、2人は前列に。
千晴:<一白刀・雨>光の剣で切られると、切られた場所に黒いモヤまとわりつきます。命中10。
WC:ああ。なんか状態異常くさくていいね。無駄に警戒させる感じが。じゃあちょっと分は悪いけど回避しとこうかね。…ダイス8で、ギャンブル回避成功。
玄:さすが(笑)。
千晴:残念!
フム…君の攻撃には期待しているよ。
玄:盾の表面が鏡になり玄の前方に浮遊する。鏡となった天元を通し、打ち込んだ<闇爪>が数を増やし全ての敵に襲いかかる。
鏡
攻撃の対象範囲を操作する玄のスキル<射程操作>。
今回は、攻撃範囲を『敵一列』から『敵全員』に拡大している。
WC:かっちょいい。
玄:命中12。
WC:高いな。全員ガード。威力どうぞ。
玄:今回はバーストでる気がするぜ!
ダイス…1。
WC:うーーーん…
玄:うーーーーーん…
千晴:うーーーーーーん…
WC:トワイエ(フランス語風)、やっちゃった以上は…
玄:威力8。
WC:白無傷。GC1、2ともにガードで全消し。黒が軽微なダメージ。属性削らせず。
2人の攻撃は、ダイスの目に恵まれず、ほとんど成果を挙げられない。 対して、ゴミバコの反撃は…
WC:では期待にこたえて夕日に透明ゴミバコの水圧砲。
千晴:かばうか。
玄:誰の期待だろうか(笑)。
仮想玄(WC):「よけろ!」
仮想千晴(WC):「夕日ならできる!」
千晴:避けさせるのか(笑)。
玄:かばってねえ(笑)。
WC:命中8ー。
千晴:かばいに入る。ケアフルだとタイだな。ノーマルか。ダイス6で、回避9。回避したけど、ウェイト+8。
<かばう>
<かばう>ことで、味方に向けられた攻撃を代わりに引き受けることが出来るが、
その分、次の行動順を遅くする『ウェイト』を受けてしまう。
後列に下がった夕日を狙い打つ遠距離攻撃。玄は大技直後のウェイトでまともに動けないこともあり、千晴が夕日をかばう。かばうことでウェイトを受けてしまうため、次ターンは2人とも復帰に専念。
その間も、無属性の攻撃は連続して放たれるが、2人は問題なく防ぎ続ける。
先に復帰と反撃の準備が整うのは、やはり小回りの利く千晴。本来なら、属性が有利な黒ゴミバコに仕掛けたいところだが、千晴の攻撃は後列には届かない。そこで…
千晴:白いゴミ箱に<一白刀・晴>。命中も威力もギャンブルでいってみよう。命中は…6でした。
WC:若干分は良い…回避してみる。ダイス…2。あらら。ダメージかもん。
千晴:ダイス8。来た!
玄:いけええええええ!
千晴:十字架の柄をした光の剣で敵を切りつけます。
仮想黒ゴミ箱:白ゴミ箱はわれら四天王の中でも一番の小物…
千晴:威力…48!
玄:すげえ…
仮想透明ゴミ箱1:千晴ごときに遅れをとるとは…
千晴:結構いいやつだったと思うけど(笑)。
仮想透明ゴミ箱2:われら四天王の面汚しよ。
WC:属性障壁ぶち抜いて一撃ノックアウト。
千晴:「うっしゃー!!」
仮想白ゴミ箱:ば、ばかなぁあァーーーッ!
千晴:しゃべるんかい(笑)。
見事な一撃で白ゴミバコを撃破。
そろそろ属性力のチャージが完了した黒ゴミバコの反撃も…
WC:黒ゴミバコの番。千晴に黒いミサイル発射。…なぜ!?
(↑黒属性は、千晴の白属性に対して不利。戦術的知性のない敵キャラの行動は、ダイスを振ってランダムに決めているため、属性が不利な相手にも攻撃してしまう。)
千晴:どんとこーい!
WC:ダイス…2。威力13。
千晴:ぱきーん!弾いた。
(↑不利な属性からの攻撃は、チャージされている属性力と等しい値だけ、確実に減衰することができる。つまり、属性力がある程度チャージされていれば、ノーリスクでノーダメージになる。)
属性の優位を利用し、簡単に防ぐ。
なかなかウェイトから復帰できない玄と、同じく攻撃直後のウェイトで動けなくなる黒ゴミバコ。
戦闘は、ほとんど『千晴vs透明ゴミバコ』のような様相に。
WC:千晴だけ働いとる(笑)。
玄:ここは千晴だけが動ける世界だったんだよ!
千晴:透明ゴミバコ1に<一白刀・雨>。命中10。
WC:回避無理。威力どうぞ。
千晴:光の剣で切られると、切られた場所に黒いモヤまとわりつきます。
威力24。ダメージでウェイト+5。
WC:7点削って…ウェイトうぜー。
千晴:もやもやっと!
WC:靄が動きを阻害している。それ、のろいの剣じゃね?
千晴:うひひ。
WC:鈍いの剣。
千晴:確かに(笑)。
WC:透明ゴミバコ2は…、夕日に水圧砲。しつこくいくな。
千晴:かばう!
WC:命中11。
千晴:ガードへ。
WC:威力は…ダイス9! さすがギャンブル、威力31。軽傷くらいいくやろ。
千晴:ガードして、ダメージ18点。ウェイト8の壁をまた超えなきゃ…
千晴はきっちり攻撃を決めるが、反撃のギャンブルダイスが爆発。予想以上のダメージを受けてしまう。
千晴:やばい、ギャンブルでダイス0。出遅れ。
玄:うーーーーん…こっちもスピード-5。
千晴:きびしいのー。
しかも、夕日をかばった分のウェイトによって、出遅れが頻発しはじめる。
WC:透明ゴミバコ2。また夕日に。
千晴:玄まかせた!
玄:タッチ交代!かばう!ガード!
(↑千晴が予想外に大きなダメージを受けてしまったため、玄が千晴に代わって夕日をかばっている。)
WC:威力ダイス…1ィ?
玄:わお!
WC:しかしケアフル様ありがとう!ダイス1でも4になるので、威力12。…12?
(↑ケアフルマトリクスは、ダイスが1でも、判定に使える値は4に計算される。しかし、ダイスが9でも判定に使える値は6になってしまう。良くも悪くも数値が安定するマトリクスである。)
千晴:(笑)。
玄:ありがとう!ありがとう!
WC:だからケアフルはダメなんだよ!!
玄:なんだこの早すぎる手の平返しは(笑)。
千晴:そんなこと無いよ、ケアフル様はみんなにやさしいよ。
ケアフル様
大きな値は出ないが酷い失敗もしないケアフルマトリクスは、
10面ダイスのダイス運がいまいち悪い千晴のプレイヤーから厚い信頼…というより信仰を受けている。
称して、『ケアフル様』である。
玄:属性で消した。
ダメージはないが、1回「かばう」ごとに累積してゆくウェイトのせいで、威力の高い範囲攻撃をもつ玄がまともに動けない。千晴は奮闘するが、やはり「かばう」ことによるウェイトやダメージの累積は行動を大きく制限する。
攻撃が夕日に向かい始めた途端に戦力バランスが崩れ始めた。
WC:透明ゴミ箱1が、千晴にスクイーザー攻撃。ダイス…3で、命中7。駄目だこれは。
千晴:ケアフルサマー…ダイス5で、回避8。
WC:透明ゴミ箱2は…
千晴:俺にはこないでくれー…
WC:(ダイスを振り)…玄かよ…
千晴:ほっ…
玄:きたまえ。
WC:ダイス…1で、命中5ッ(はぁと
玄:ケアフルで、ダイス…4で、回避8。
WC:透明ゴミ箱2は、復帰した玄に水圧砲。だからなぜ玄に…命中8。
(↑もちろん、ランダムに攻撃目標を決めているからである。)
玄:俺の最後のケアフルを見よ!回避!ダイス…1…うーーーーん…
WC:ひどい。これはひどい(笑)。
千晴PL:ま、まさかケアフル様が負けるなんてことは…
玄PL:まあ、いかにケアフルとはいえ、敵もケアフルだから(笑)。
WC:威力。ダイス…0。ぷー。
玄:もうひっどい。
千晴:ほんとに、ひどいものを見たな(笑)。
しばらくは、互いにダイス目が悪く、だらだらとした攻防が続いてしまう。
戦闘が長引くと疲労によって行動に不利な修正を受けるため、決着を急がねばならない千晴と玄は…
千晴:透明ゴミバコ1に<一白刀・雨>。
玄:千晴の前に鏡化した天元が現れる。千晴の射程UP!
(↑攻撃範囲を広げる玄の<射程操作>である。)
WC:玄が攻撃を縦に伸ばすか横に伸ばすかを決定できるよ。
玄:縦に伸ばして後衛の黒ゴミバコにも届くようにする。「鏡に向かって突け!前後で重なった敵を狙うんだ!
千晴:じゃあ、突きで後ろの黒ゴミバコを狙います。
「うっしゃー!!<一白刀・雨>!!」
WC:回避出来ません。威力どうぞ。
千晴:威力は24で、ダメージ入ったらウエイト+5。
WC:透明ゴミバコ1はガードは9。15点ダメージで撃破。
黒ゴミバコは属性30を削りきった上にダメージ。さらに追加ウェイト。前列が全滅したので後衛2体は自動的に前衛に。
千晴:「いいねー!この攻撃は<閃刀・黒煙>と名付けよう! 玄!もういっちょいこう!」
玄:「ちょ、ちょっと待て!」
玄の<射程操作>で、千晴の近接攻撃を直線攻撃に拡張。見事1体を撃破し、もう1体にも大きな損害を与える。
しかし、「かばう」行動によるウェイトに加え、無茶なスキル使用によって玄のウェイトは膨れ上がり、攻撃参加はしばらく出来ない状態に。
WC:透明ゴミバコ2の遠隔攻撃。…安定の夕日狙い(笑)。
千晴:任せた!(笑)
玄:やってまいりました!かばう!
WC:どこまでも転がる玄(笑)。…命中6だけど、当たるんじゃね疲労的に。
玄:こちら、疲労のマイナス修正を受けて回避力は2になっている。ぎりぎりケアフル安定期間。…安定回避。
(↑ケアフルマトリクスは5がでやすいため、回避力の2と足して7になり、命中6を上回って回避できる可能性が高い。)
WC:黒ゴミバコ。黒いミサイルを…夕日狙い(笑)で。
玄:よ、よしこい!かばう!
WC:ダイス1で、命中6か…
玄:大丈夫、五分五分であたるよ(笑)。
(↑本来なら簡単に回避できるが、疲労の修正に加え、ケアフルマトリクスを使い切っているため、確率的に五分五分になってしまっている。)
WC:んじゃ、ガードかな?
玄:残りLP18でガードしきれる自信がないので、回避に賭ける!ノーマルで、ダイス…4。一番微妙なとこ引いた(笑)。
千晴:きびしー!
玄:回避5で、命中した。
WC:威力は、ダイス2で、11。
千晴:ラッキーだね。
玄:よかった(笑)。そのままダメージもらいます!障壁使いません!
WC:なんか…大した威力でもない攻撃で地味なダメージ連続で食らってピンチ、って対無属性のセオリーみたいになってきたな。
本来ならたいした敵ではない無属性の透明ゴミバコ。しかし、ラッキーヒットで大ダメージを受けた千晴が夕日をかばうことが出来なくなり、玄がそれを担当せねばならなくなる。
強力な範囲攻撃を持つが小回りの利かない玄は、その性質上ウェイトの累積によって行動不能から回復できなくなる可能性が高く、結果、2人は攻め手に欠ける状況になってしまう。間断なく繰り返される無属性の攻撃は、じわじわと2人のLPを削り、頻度は低いがそれに混じって放たれる属性攻撃が「普通の攻撃」から、「致命的な脅威」に変わる。
WC:透明ゴミバコ2。…安定の夕日攻撃。
玄:安定しすぎだろ!(笑)
(↑攻撃目標を決めるダイスでも、PCにとって悪い目が出続けていることになる。)
千晴:かばう!
玄:おお…
WC:命中8。
千晴:ガードで
WC:威力19。
千晴:ガードと属性障壁で11削って、ダメージ8。LP残り4。
WC:次は死んだね。
さらに、戦闘が長引くことで累積した疲労により、今まで簡単に防げていた無属性攻撃さえも高い確率で被弾するようになる。
戦いを無駄に長引かせてしまったことによる完全なピンチである。ここに来て本気になった千晴は、<女の涙ポイント>で、「実は、疲労を一時的に無視するアイテム<ドライブ>を買っておいた。」ことにして、即座にこれを使用、疲労修正無視の効果が切れる前に、一気に攻勢に出る。
WC:黒ゴミバコはチャージ。
千晴:<一號>+<反動解除>。相手の集中を、大声で阻害します。威力11。
<反動解除>
スキルによって発生するウェイトを無視する千晴のスキル。
属性力を消費するため、乱用は出来ない。
WC:チャージされた黒属性は完全に散らされた。
玄:おおお…
千晴:「<天道・叢雲>!」
WC:知らない技だ!
千晴:剣を敵に放ると黒いモヤをまといながら回転し切りつける。<単体拡大>だよ。…命中9。
<単位拡大>
単体攻撃の対象数を増やす千晴のスキル。
対象数を増やしても射程距離は伸びないため、千晴の剣では前列にいる敵しか攻撃できない。
また、複数に攻撃を行うと、その分、消費する属性力も増加してしまう。
WC:白属性だよね?
千晴:白です。
WC:ううん…黒ゴミバコは回避を…ダイス…4…できなかった。
千晴:うっしゃ! 威力は24!
WC:黒の属性力は完全に霧散。しかもややダメージ。透明ゴミバコ2はガードして…、でも11ダメージ。
千晴:おっけー。おれは+4ウェイト。
この流れに乗るべく、玄も…
玄:<荷重破棄>。復帰したぜ!疲れてるけどな!
<加重破棄>
確率で、一定値までのウェイトを0にすることが出来る玄のスキル。
あまり大きなウェイトは0に出来ず、属性力だけを消費してしまうため、使い時を選ぶ。
千晴:帰ってきたー!
玄:<闇爪>。命中はギャンブルで…7でた!
WC:疲労修正-5の人がギャンブルで当てに来た(笑)。
玄:命中7。
WC:黒ゴミバコ…回避失敗。まじか。
透明ゴミバコ2はガード。威力どうぞ。
玄:威力23。
(↑疲労のせいで攻撃の威力も大幅に下がっている。)
WC:透明ゴミバコはギャンブルガード。ダイス…9。バースト。
玄:うわ!
WC:2投目。ダイス…1…ガード失敗。
玄:おおおお!
千晴:お見事!
WC:ちょっと計算する。
…たぶんどっちかは生き残ると思うんだけど…2体とも累積ダメージで落ちた。黒ゴミバコは、さっき属性全部削られてたからか…
玄:よし!
WC:ということで、ゴミ箱4体を撃破しました。
疲労修正で判定に大きなマイナスを受けている玄も、ギャンブルマトリクスの爆発力をうまく利用し、追撃。
この連続攻撃が見事にハマり、残ったゴミバコ2体も撃破。
雑魚とはいえ、4体の敵に、夕日とシンという保護対象を抱えたこの戦闘は予想以上の長時間に及ぶ。
疲労に苦しめられ、あわや倒れそうになりながら、なんとかゴミバコを完全撃破した。
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