第2章-4

7月18日(金)

玄:では、翌日!

WC:翌日の朝、メールに返信が来る。

夕日メール:「電話取れなくてごめーん。兄さんがいるタイミング見て、まこちゃんの様子もう1回見に行ってみたよ。」

玄:「おーナイス!(ひとりごと)」

夕日メール:「たぶん話が長くなるから、仕事終わってから行くね。チャオ。」

玄:「ん~、今日は仕込み気合いれっかな。」

千晴メール:返信「よろしく。何時になる?」

夕日メール:即返信「18時過ぎるかな~。遅いかな?」

玄メール:返信「もっと遅くてもOK。

夕日メール:「>玄ちゃん ディナータイムのバイトくらいするっすよ(グヘヘ…)」

千晴メール:「おっけー、じゃあ、また夕方に会おう。」

玄メール:「バイト助かる~。んじゃ待ってる。」

千晴:クロノアでお昼飯食って、だらだらして…

玄:「いらナポおまどぞ。」
(↑いらっしゃいませ、ナポリタンですね、おまたせしました、どうぞごゆっくり。)

千晴:「それ作りおきだろ!」

玄:「作りおきなどせん!」
じゃ、夕方行きますか。

千晴:まこちゃんちに向かうよ。17時には着きたい。本当は学校が終わって、子どもが家につく頃を想定したいが、学年もわからんしな…

珠間ニュータウン。名波家近く。

千晴:玄関先に行こう。マコちゃんの部屋のベランダは、道から見えるのかな?

WC:見えないね。逆側のようだ。

千晴:家の周りをグルっとまわったらベランダが見える場所とかありそう? ちゃんとした道を、で。

WC:同じような規格の戸建分譲が並ぶこのあたりは、家同士が背中合わせに立っているようなつくりで、一般道を歩いて家の裏側に回ることはできないようだ。もちろん、ベランダも見えない。

千晴:じゃあ、ピンポーン!

インターホン:「…はい。あっ…」

千晴:「こんにちは。先日はすいません、笠原と言いますが。」

インターホン:「お話しすることはありません。」

千晴:「いえ、お詫びに伺っただけですので。」

インターホン:「…」

千晴:こりゃ話を聞くのはむりそうなので…

WC:好感度補修のみで帰る感じ?

千晴:そだね、今後のためにも。

玄:なるほどそりゃ悪くないね。

千晴:「娘さんのことで不安定な時期に押しかけ、ご迷惑をお掛けしました。」

インターホン:「…ええわかりました。わかりましたので、お帰りください。…今、夕食の支度で忙しいので…」

千晴:「また、心の面で力になれるようなことがありましたら、ぜひ相談してください。では。(ふいー…ガード硬すぎ…)」

WC:とりあえず見かけて即通報とかってことはなくなるだろうが、頻繁に姿を見られたら結局は怪しまれるとは思う。

千晴:ここに来ただけで警察を呼ばれることはあるまい…

WC:その点は進展…というか補修できた。

千晴:遅すぎるオトナの対応(笑)。

WC:この間に何があった(笑)。

千晴:夕日に怒られた(笑)。

WC:わかりやすい(笑)。

千晴:あとは、シンの姿が見えるかだな…じゃあ、ちょっと周りを確認しよう。

WC:周囲を確認しても…特に何もなく。

千晴:さ、ウロウロはできないし、夕日もくるし、見つからないから帰るか。

 というわけで、場面はクロノアに。

玄:「いらっしゃい。」

千晴:「ふいー…だめだね、ガッチガチだった。シンも見つからずじまい。でも、頭は下げてきたよ。」

夕日:「えらいえらい。」

千晴:「あ、おう。もうついていたのね。(笑)」

玄:「がんばったなー。」

千晴:「いやいや。おれ、問題の元凶だから。」

夕日:「はい。お冷。」

千晴:「あんがと。で、夕日の方はどんな感じ?」

玄:「3番テーブルさんペペロンチーノね。」

夕日:「うんまったくその通りで何の擁護もできないけどね。はいぺペロンお待たせしましたー。」

千晴:「あ、またバイト兼ねたパターンか…」

玄:「いやあ、まじでたすかる~。ところでお兄さんの件はどうなった?
…はい2番カルパッチョ~。」

夕日:「まこちゃんの、家の外での行動とかそういうのは、兄さんはもちろん、義姉さんもよくは知らないみたい。
…カルパッチョお待たせしましたー!」

玄:「あらら。…」

千晴:「まあ、全てをわかる親もいねーだろうしな。」

夕日:「まこちゃん、いい子だから、兄さんたちも逆に目を光らせてないっていうか
…あ、お会計ですかー?」

玄:「毎度有難う御座います~。」

千晴:「なるほど。」

夕日:「あと、おかしな道具とかは身につけてなかったし、すぐわかる場所にもなかったかな。…入念に隠してあったりしたら、なんとも言えないし…そもそもどんな格好してるかもわかんないから、明らかにおかしい品物は、って意味になるけど。」

千晴:「うーん…すぐ近くには精気を吸うものはなさそうか。」

玄:「手に負える範囲っぽくて、まあよかったかな?」

WC:神話級の呪いのアイテム(笑)。

玄PL:困る困る(笑)。

千晴PL:死んでる死んでる(笑)。

千晴:「あとは、日記とかありそうだった?」

夕日:「やー、見当たらなかったなー。
…こちらお下げしてよろしいですかー?」

千晴:「そっか…やっぱり詳しい日常行動はシン聞くしかなさげだよな…」

玄:「結局シンに収束するねえ。
…それ下げたらブレンド2つおねがーい。」

夕日:「りょーかーい。4番テーブルさんブレンド入りまーす。」

千晴:「ちなみに、容態はどんな感じ?お兄さんなんか言ってなかった?」

夕日:「容態は…変わらないというか…良くないね。兄さんも、どうしていいかわからない感じ。ただの、って言っちゃいけないんだけど、病名のない衰弱だし、ひょいっと直る可能性だってあるから…、会社を休んで色々してあげたい気持ちもあるけどそれにも踏み切れないって言うか…リーマン大変だね、って思ったわ。」

千晴:「それがリーマンのはがゆいところだのー。」

玄:「しゃーないわな。」

夕日:「まあ揃って自営業が知った風な口聞いてみるわけだがね(笑)。」

玄:「生活していくってことは一緒だからいいの(笑)。

千晴:「シンは見なかった?」

夕日:「あたしが行ったの、兄さんの帰宅に合わせて9時過ぎだったからなー。」

千晴:「そっか…」

夕日:「こっちの報告はこんな感じ。」

玄:「やな役回りすまんかった。ありがとう!」

千晴:「ありがと。」

夕日:「いやもともとあたしの姪っ子のことだし(笑)。」

千晴:「明日は土曜日だろ…明日また菓子折りでも持って、家に行ってみようかな…目当てはシンなんだけどさ、菓子折り持ってれば、言い訳にもなるし。」

玄:「んー、それでどうにかなるもんかなあ…」

夕日:「…まこちゃんの部屋で張り込むとかやめてよ、いくらなんでも。」

玄:「そういうことで、あの母親が怒ってるんじゃない気がするんだよなー。」

千晴:「否定的だな、じゃあ、献策してくれ。」

夕日:「シン君を捕まえるのが目的ってことで良いんだよね?」

千晴:「うん。じっくり話をしたいよな。」

玄:「うむうむ。体調崩した直前に、どっかで怪異と接触してるはずなので、その場所のあたりをつけたい。」

千晴:「親に見えない、学校側で見えない部分だよな…」

夕日:「となると、まこちゃんち周辺で待ち伏せるのが現状可能性が最も高くてリスクは低めなのは確か。いずれギャンブルなのは間違いないんだけどさ。とはいえ、賭ける価値のある目が他にないってのもまた確かな話。」

玄:「仰るとおり。なので千晴の案がその点で有効なのは確かで。」

夕日:「したら、その目に賭けることにして、勝ちの確率を上げる方法…捕獲の可能性をあげて、リスクを抑える計画を詰めるのが建設的だね。」

WC:…こういうところが夕日は仲間内でも非常に「仕事ができる」ところで、容姿や性格もあいまって、同じ年の仲間からむしろ年上のように「夕日さん」とか呼ばれてた原因でもある。

玄:「あー、そうか。千晴のしたいことがわかった。明日俺もいくわ。あの母親の怒り方って、口で言ってることそのまま怒ってるわけじゃないから謝っても効かん、と思ってたけど、あそこに通うことが大事なんだな!」

千晴:「そうなんだよ。だから菓子折りをもって、口実にする。あと、見つかっても『なかなかタイミングが…』という言い訳を。」

夕日:「ああ。ピンポン押さないで菓子折り持って徘徊する訳ね。」

玄:「さすが売れっ子ホスト(笑)。No1の引き立て役は伊達じゃないな!」

夕日:「引き立てなんだ(笑)。」

千晴:「お付ばっかりやってます!」

夕日:「アレよね。売れっ子ってお客さんにじゃなくて、同業者から引っ張りだこってことね。パセリ役として。」

千晴:「しっけいだな、パセリも美味しいよ!」

夕日:「パセリはみんなそう言う。」

玄:「9割5分食わねえけど…(笑)。」

千晴:「ひでー…ま、まあ…その手でいってみるか?」

夕日:「リスクは菓子折りで抑えるとして、捕獲率上げる策は?」

玄:「捕獲率あげるにゃ、相手が身動きできないところで捕らえるのが一番なんだけど、ベランダ乗り降りしてる最中じゃあぶねえよなあ。目立つし。」

千晴:「こういうのはどう?逃げたら
…あ、まあいいや。」

玄:「気になるわ(笑)。」

夕日:「なんだよじらすなよ。」

千晴:「えー…逃げたら…『シン…マコちゃんがあとどのくらいもつかわかってるのか?(俺も知らんけど』って問いかける。で、『マコちゃんは、マコちゃんはな…(下を向く)』こんな感じで気を引く。」

夕日:「ちー君、それこないだやった。」

千晴:「やったっけ?」

夕日:「最初に会ったときにね。」

千晴:「えー。」

夕日:「たぶんそういう引きは、彼にとってある程度こっちが説得力のある相手じゃないと意味ないと思うよ。」

玄:「そこなんだよ。ちょっと引っかかってる。」

夕日:「何が引っかかってるって?」

玄:「彼はなぜ俺達をあそこまで信用してないんだろうな?ひょっとして、プラーナの一味だと思われてたりしないか?とかさ。」

夕日:「ほう…」

千晴:「あー…なるほど。とばっちりか。」

玄:「俺達はプラーナとは関係ないぞ、ということを伝えたらひょっとしたら接し方変わったりしないかね。」

千晴:「可能性はあるね…」

夕日:「…あるねえ。まず怪しい男A近づいて、Aから守ってやるつって本命のBが…で、ABはもちろん仲間、って詐欺の手法としてはありふれてるし。」

玄:「その発言にも引っかかるところがあるが(笑)。」

千晴:「奴も怪しげだから、裸見たり、部屋あさってるかもしれないもんな。それをベランダで確認してたら…敵だよな、俺達。」

玄:「あ!そうだ!」

夕日:「どうしたマスター。」

玄:「お義姉さんと、俺達が話をしてる間に、プラーナが部屋で何をしてたのか、シンはきっと見てるよな!」

夕日:「家政婦か。」

千晴:「おお!」

夕日:「…うーん…高確率でシン君消されるわね。映画だと。」

玄:「仮にプラーナが怪異だったとすると、保護対象だなまじで。」

夕日:「じゃ、問題は…私たちを見たらたぶんソッコーで逃げてく子供に…どうやって今言ったような説得をするか、と?」

千晴:「プラーナが病気の元凶に仕立てあげちゃうのはゲスいかな?」

夕日:「ちゃんと話を聞かせる場が整ったら、ゲスもありでしょ。内容はともかく、走って逃げる背中に投げる言葉じゃ、説得力が低いと思うわ。」

玄:「あの間隔の狭い住宅地で挟みこむことができても、また叫ぶからなあいつは。」

夕日:「叫ばれたらさすがに今回は警察のお世話になるんじゃないの?」

玄:「なるね。<射程操作>で口塞ぐか…」

千晴:「なにそれ(笑)。」

夕日:「口塞ぐってあんた…押さえつけて口塞いで説得開始!…無理があるわね。あたしなら恐怖で何の声も聞こえなくなる自信あるわ。」

千晴:「ベランダに手紙をおいて、電話で話すとかだめなの?今の内容を軽く手紙で書いて、詳しくはWEBで、とか。」

夕日:「手紙も、結局説得力があるかどうかなんだけど…」

千晴:「でも、きっかけになればさ。相手が危険を感じずに話が聞ければいいんだよな。」

玄:「…あれ? 電話割とよくねえ?(笑)」

千晴:「となると…マコちゃんの携帯あるかお兄さんにきいてもらえる?」

夕日:「まこちゃんの携帯からシン君の番号拾うのか。」

千晴:「そそ。」

玄:「シンはガラケー持ってたな。」

夕日:「…ちょっと電話してみる。」

千晴:「うん。おねがい。」

WC:と、夕日はちょっと離れてあれやこれや電話で話し…戻ってきたときには、手にした端末の画面に表示された番号をメモしている。

夕日:「はいこれ、シン君の番号。」

千晴:「よし!」

玄:「おおおお!」

千晴:「これで話はできるな。」

玄:「今日は遅いし、明日掛けるか。」

千晴:俺、出勤時間じゃねーか?!

WC:遅刻か。

千晴:また先輩に熱い拳を食らう…

仮想先輩(WC):「オイ笠原ァ!」

千晴:「もう歯くいしばってます!」

玄:はええ(笑)。

仮想先輩:「指導ォ!!デンプシー先輩ローォルゥ!!」

千晴:「うぃーーーっすすすす…!」

WC:鼻の頭に無限の連打(笑)。

千晴:絆創膏たりねーぞおい!

WC:頭防具<絆創膏(防御力1)>

千晴:結構あるな(笑)。

玄:思ったよりあるね(笑)。

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