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第3章-1「手がかり」

7月19日(土)。朝。クロノア。

玄:千晴、朝来れる(笑)?

千晴:千晴は遅くまで仕事してるから、10時とか死んでそう。

玄:先輩に朝っぱらから焼肉おごってもらってるんじゃないの?(笑)

千晴:焼き肉と説教ね。で、早朝から朝帰りのお水ねーちゃんをナンパしてこいと無理難題をふっかけられている。

WC:ほぼ徹のあとに焼肉かー…

玄:向こうも疲れてるから無理だろうなあ。

千晴:とりあえず、6時ぐらいに店のドアを叩くだろ。

玄:6時!?

千晴:「おーい、いい朝だぞ!おきろー!」

玄:モーニングはやってないなあ…

千晴:「あ、そういえば、裏口のカギもってったわ。」

WC:徹夜明けテンション(笑)。

千晴:お店で来るの待ってよう…お休み…

玄:んじゃ、9時頃店に出て。「おい!起きろ!」

千晴:「もー、先輩かえりましょーよー…ナンパむりですよ…むにゃむにゃ…」

玄:「ああ、噂のボクサーホストか…おきろー!」

千晴:「は!すべて夢だったか!良かった!!」

玄:「いや、多分先輩のは夢じゃないと思うよ。おはよう。」

千晴:「もう、早朝から先輩にOLナンパさせられた夢見たよ。」

玄:「さて、仕込みもだけど、シン君に電話すっか?」

千晴:「え?今何時?…あー…そだね。どっちがする?」

玄:「んじゃ、俺がしますかねえ。(プルルル)」

WC:発信者通知は玄の番号だよね。

玄:そうだよー。携帯からね。

WC:では、10コール目でも出ませんな。

玄:えー!?「…留守っぽい。20コールで出なかったら切るわ。」

千晴:もう拉致られてるのか?!

玄:先走り過ぎだろ(笑)。

WC:では、16コール目。

少年の声:「…だれ?」

玄:「あ、もしもし。朝早くにすみません。私、北條と申します。」

少年の声:「…」

玄:「シン君はいますか?」

WC:なんか気配をうかがってる感じ。

少年の声:「…だれですか?エイギョウ?」

玄:「営業じゃないよ(笑)。北條といいます。夏川夕日さんからの依頼でマコちゃんの容態を診ている者です。」

少年の声:「…あ!まさか…」

千晴PL:おまえの尻をみたものだ!

WC:黙っとけ(笑)。

千晴PL:すまぬ。

玄:「担任の先生や夏川さんから仲が良いと聞いたシン君にお話伺いたいんですが、シン君ですか?」

千晴PL:外堀からうめられてるー!

少年の声:「…」

WC:警戒しているようだ。

玄:「もしもし、シン君?」

WC:うまく繋がないと切られそうな感じ…と、学生時代にテレアポのバイトをしていた玄の直観が告げる。

玄:そうだったの!?

仮想テレアポ玄(WC):「まずい!この流れは切られる流れ!こじゃれたトークで場を和ませるんだ!」

仮想テレアポ玄(千晴PL):「だーかーら、パソコンの電源を切るときは、電源ボタンを長押しちゃだめですって!」

玄:「もし違ったらごめんなさい、マコちゃんの病気が生活のストレスから来るものなのか、どこかで病気になったのか仲のよい友だちに聞いているんです。もし心当たりがあったら、聞かせて欲しいんですが。」

シン?:「なんだよそれ。ストレスー?」

玄:「例えば、大事な友達とケンカしちゃったとか、大事なものを無くしちゃってショックとか…そういうことが、病気に繋がることもあるので。」

仮想テレアポ玄(千晴PL):「そのストレスを減らしたいとおもいませんか?それならこの布団です!」

玄:「または…どこか、普段行かないところに行った時に病気をもらっちゃったとか…」

シン?:「…あのさ、お前あのキモい宗教屋の仲間なら、マジ許せねえんだけど。」

玄:「え?宗教?」

シン?:「マコの病気を金儲けの材料にしようとしてるなら絶対ゆるさねー!」

玄:…ひょっとして、髪の毛染めてる変な人ですか?

シン?:「白々しいこと言ってんなよ! お前の仲間だろ!」

玄:「えっと、あの人はマコちゃんのお母さんがお願いしている人で、私はマコちゃんの叔母さんの夏川さんて人にお願いされてるんです。というか、あんな変人と一緒にすんな!(笑)」

シン?:「…」

WC:ちょっと考えているようだ。

玄:「こっちは幼なじみにお願いされて、マコちゃんがどうして病気になったのか、どんな病気なのか真剣に調べてるのに、あの変人はプラーナだのなんだのなんなんだ!意味わかんねえよもう…泣きたい…」

WC:ほぼ初対面のコドモに電話で泣き言て、どんな大人だ(笑)。

千晴PL:たしかに。

シン?:「ちょ!おい、泣くなよ悪かったよ疑って。」

玄:「ごめん取り乱した…えー俺は幼なじみに頼まれて診てるだけなんで、お金とかもらわないよ。(涙)」

シン?:「仲間じゃないんだな?」

玄:「絶対違う!」

シン?:「お前のヒーローに誓えるか?」

玄:「猪木に誓って嘘はついてない!」

千晴:(なんのはなしだ?)

シン?:「…(イノキかー…セージカに誓うって…まあ…駄目な大人っぽいしな…)」

千晴PL:なけるな。

シン?:「…いいぜ。信用してやるよ。」

玄:よっしゃ!ボンバイエー!

シン?:「お前名前いってみろよ。俺はシンだ。」

玄:「玄だよ。宜しく。」

シン:「ハジメか。じゃ、お前俺の子分にしてやる。何でも相談しろよ。」

玄:「(子分…?)お、宜しく親分!」

シン:「で、マコのことか。」

玄:「うん。あ、ちなみに呼び方は親分でいいのかな?俺が子分だけに。」

シン:「リーダーと呼んでいいぜ。」

玄:「(リーダー!)…んじゃ、リーダー。マコちゃんが具合悪くなる前に、さっき話したような傷つくようなこととか、どこか普段行かないようなとこに行ったとかあるかな?」

シン:「…」

WC:ちょっと口ごもった。

玄:「大事なことなんだ。」

シン:「なあハジメ。お前、マコのことほんとに治せるのか?」

玄:「治すよ。俺に治せないことだったら、治せる人を探してでも治すよ。夏川さんとも約束したからね。」

シン:「秘密は守れるか?ヒーローに誓って。」

玄:「猪木に誓うよ。」

千晴:(なんだこの会話…)

シン:「じゃあ、メルアド教えてくれよ。いったん電話切って、送りたいものがあるんだ。」

玄:「ん?了解リーダー。メールアドレスはね…(教えました)」

シン:「よし。じゃあ切るぜ。」

WC:ぷ。

玄:「ふう。いい奴じゃん。」

千晴:「なんか、ちょこちょこ気になるフレーズがでたけど…なんとかなってそうだな。」

玄:「うん、なんとかなりそう。千晴、やっぱ宗教の仲間と勘違いされてたぞ。」

千晴:「心外だな。」

WC:メールが着信する。

玄:着信!確認。

WC:添付画像がひとつ。」

玄:「でだ、まずはこれ見て欲しいってさ。」

千晴:「どれどれ…」

玄:千晴に画像を見せる。

WC:電話がかかってくる。

玄:「もしもし? リーダー、これは…?」

シン:「マコが…お前らがマコの部屋に来た日に、マコが握ってるの見つけたんだ。」

玄:「お?そうなんだ…」

千晴:「なんじゃこれ。」

シン:「なんか暗号っぽいだろ?」

玄:「そうだね、リーダー。」

シン:「何が書いてあるのか、わかるか? オレは、きっとマコの病気を治すヒントだと思うんだ。」

玄:「”あいうえお”に数字を当てはめてるのかなあ…と…」

シン:「…そうすると、どうなる?」

玄:「ちょっとまってね…」

千晴:「ナナトヨンノドアヲ…」

玄:「お、読めそう!今友達が読んでくれてる。スピーカーホンにするね。」

シン:「あのキモい奴の言う事信じるのは癪に障るけど、マコの病気は普通の病気じゃないと思うんだ。苦しんでるマコが、オレに、メッセージを送ってきたんだきっと。」

千晴:「アケタママイチノドアニハイル…」

玄:「普通の病院じゃわかんなかったんだし、俺もそう思うよ。」

千晴:「7と4のドアを開けたまま、1のドアに入れ…なんのこっちゃ?」

玄:「んー…」

シン:「ドアに入れ…?」

千晴:「そう読めるよ。携帯の文字入力で考えれば。」

玄:「リーダーの言うとおり、メッセージみたいだね。」

シン:「そうか。そういうことか。さんきゅーハジメ。」

千晴:これは教えてよかったんだろうか…

玄:「リーダー待って! 何か心当たりあるの!?」

シン:「マコが治ったら子分同士仲良くするんだぜ!」

玄:「やるときは一緒だぜリーダー!」

シン:「じゃな!」

玄:「リーダー!リーダー!」

千晴:やっぱりか!

WC:すごく急いでいたのか、玄の言う事ほとんど聞かずに切られてしまった。

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