東京ドームが満員になるカード

丸藤vsオスプレイ。
オスプレイの熱愛が導いた、と言われる一戦に対しては「テクニシャン対決」「最高のプロレス脳勝負」といった煽り文が踊っていた。なるほど。似た者同士と言われれば、そうかもと思った。そしてこの似た者同士の一戦は、意外なのか当然なのか、さしたる感情の爆発が起きないまま終了のゴング。丸藤正道25周年にふさわしい名勝負だった、とは語られないのかもしれない。

それはさておき、だ。
このカードが後楽園ホールのメインだったことに驚いた。え? ドーム…とは言わないが、横アリや武道館じゃないの? これが丸藤やNOAHの現在地なのか。いや、あるいは、このカードはネット中継やサブスクへの誘導が目的であり、だからこその無料放送、ライブ収入は二の次だったのかもしれない。

いずれにせよ、丸藤25周年は後楽園ホールだった。三沢が生きていれば…シングルマッチ、それでも、ドームではなく、武道館だっただろうか。ふと考えた。

「じゃあ、東京ドームが満員になるカードは?」

まず現役のプロスラー同士の組み合わせで、満員はあり得るだろうか。日本人同士…は厳しそうである。海外を含めたとして、例えばロックvs武藤敬司で可能性があったか。「現役」に縛ると武藤は引退しており、ロックvsオカダ、シナvs棚橋…。満員の想像はなかなかできない。

記憶に残っている満員のドームは、
1.武藤vs高田(新日vs Uインター)
2.猪木引退
3.三沢vs川田
…3は満員は怪しいかもしれない。が、この3つは満員あるいはそれに近い集客があったカード(興行)だったように思う。ここからドームを埋めるためのポイントを絞ると、2、3はスーパースターの存在がまずあり、1は団体あるいはイデオロギー同士が浮沈をかけた、勝者総取りの一戦であったと言える。

先に述べたように、現役レスラー同士の対決、あるいは引退戦は、誰がどう戦ってもドーム満員はないように思う。可能性があるとしたら1のパターンだ。だが今のプロレス界はジャンルもイデオロギーも溶けきってボーダレス。果たして勝ち負けがまったくイメージできず、だがどちらかの勝利を信じて疑わないような、新しい組み合わせとは…。

ひとつ、ある。
いや、ひとりいる。
まさかの、だがこの人物をプロレスのリングにあげることができれば、ドーム満員も想像に難くないというXが。

朝倉未来。

いまや日本で最も知名度がある格闘家である彼が、もしプロレスラーと戦ったら? もちろんエキシビジョンではなく「真剣勝負」が前提だ。ただの真剣勝負では真剣味がない?であれば、勝者にファイトマネー3億、でどうだろう。ドーム満員にPPVの売り上げも含めれば、3億円は出せる額のはず。プロレス界にとっては負けたら業界が完全に終わる。だがもし勝てば全てがひっくり返る、かもしれない。一方朝倉にとっては、リングに上がった時点でほぼゴールで、負けたとしても失われるものはないように思える。だからこそ、もしかしたらのifがありそうではないか。

朝倉未来vs⚫︎⚫︎⚫︎

残念ながら、プロレス側の代表を誰にすべきかまてまでは辿り着けなかった。しかし、現役レスラー同士の組み合わせでは生み出し得ないような夢、ワクワク感があるように思える。オカダ?棚橋?内藤?SANADA?丸藤?柴田? どの組み合わせでも満員となって意外ではない。

RIZIN x x
朝倉未来、激勝の復活劇。
と、会場のある一点にスポットライトが。
黒いスーツに身を包んだ、
大柄なその男の名はーー。
プロレス最期の伝説が、はじまる。






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