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お店を長く続けるための話。

3月になった。
また桜の時期がやってくる。なんとなく、街がそわそわしだしている。
何度この空気を味わってきたんだろうか。
気づけばお店は13年半をこえた。

学生の頃に通っていた、大好きなお店は確か12年目で閉店したと思う。卒業してからもたまに足を運んでいたけれど、配管のトラブルかなにかで閉店を余儀なくされたとかだった。

閉店するなんて思わなかった。
ずーっとあるものだと思っていたからショックだった。
その気持ちはずーっとずーっと尾を引いていて、お店をオープンするときにも「12年経ったらどういう景色を見てるんだろうか」と思ったものだった。

10年。
開業当初。
これは目標ではなく、歩いて行った先にある、道標みたいなものだと思っていた。
10年お店を続けたら、まぁなんとか一人前といえるんじゃないか。そんな感覚だった。
続くことは初めから決まっていたのだ。

お店を長く続けるにあたって、自分の中で大事にしてきた決まりごとがある。それを今回は書いてみる。

今から書くことは、「お店を長く続けるために」やってきたことである。
けして「繁盛するために」ではなく、「儲かるために」でもない。それを念頭に置いて読んでほしい。

そして、これを読んでいる方が当店のお客さんだとしたら読まない方がいいかもしれない。
お店というのはお客さんにとって、ただ利用するもの、サービスの提供を受けるものであって、裏のしくみを知るのはナンセンスだと思うからだ。
仕組みを知ってしまうと、いままでの気持ちではサービスを受けられないかもしれない。
なんとなく想像していたストーリーが、無機質な仕組みによるものだったと知ることになるかもしれない。
(ならないかもしれないけど)
読むならそういう可能性があると思って読んでほしい。

飲食店を長く続けるために大事にしてきたこと。
それは以下の3点だ。

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