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FIFAワールドカップ・欧州予選 グループC 第7節 リトアニアvsブルガリア感想

サッカーを愛する皆様、こんにちは。
くろだといいます。
ワールドカップ欧州予選アーカイブ計画として、僕は「#W杯欧州予選グループC全部見るマン  」として今回はリトアニアvsブルガリアを取り上げてみたいと思います。

試合前情報

前回対戦では理性的でポジショナルな志向を持ったリトアニアがブルガリアに力負けをした、という展開でしたが今回はどのような対策などが打たれるのかに注目です。

試合開始時ではリトアニアが最下位、ワールドカップ出場の目が無くなってしまっている事からモチベーションはどうでしょうか。ブルガリアは北アイルランドをまくるためには是非とも勝利が欲しい試合となっています。

スタメン

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前回対戦と同じく両軍とも布陣は4-2-3-1。
試合開始前の予想フォーメーションではブルガリアの方が4-4-2となっていましたが蓋を開けてみたら上記のフォーメーションで安定していました。
ブルガリアは左サイドのワイドにお馴染みのヨモフ。ディフェンスラインにフリストフが2人もいます、紛らわしいですね。
リトアニアは、また背番号が変わっています。紛らわしいですね。前回対戦では10番をつけていたドゥビカスが22番に、22番をつけていたチェルニクが10番を付けています。なんでしょうか、パフォーマンスによって背番号を付け替える南米方式なんでしょうか。

試合雑感

キックオフ直後から、リトアニアはゴールキックからチェルニク(10)が競り、ラウクゼミス(9)がボールを押さえてスリヴカ(14)とノビコパス(11)とパスを動かしながらサイドを攻略しチャンスを迎えます。
この時点ではリトアニアの主戦場が変更されたのかどうかは分かりませんでしたが、これまでの試合からすると後ろからボールを繋いでポゼッションを安定させながら前進するイメージからは遠いプレーを見せます。

その指向は3:18にも伺え、ブルガリアのサイドチェンジをカットしたところから、簡単にラウクゼミス(9)へとロングボールを配球します。これはセカンドボールを回収するには至りませんでしたが、隙あらばという姿勢を見せていたと思います。

前進への強い気持ちを感じるシーンは続き、リトアニアはダイナミックなボールの動きを見せながらチャンスを作っていきます。10:00頃に迎えたチャンスはトランジション時にラシクカス(17)がボールをキープしてヴァイトクナス(8)→ラウクゼミス(9)→スリヴカ(14)へと繋ぎサイドチェンジ気味にノビコパス(11)へ配球した事でクロスからあともう少し触れれば、というものでした。

この辺でリトアニアのこの試合での方針としては「ボール保持をする時間を長く取りたいが、出来るだけ前で」という事で自陣からの繋ぎにこだわっている訳ではないという所なのかな、と想像されます。
ブルガリア自体もハイプレス志向でもなく、かといって亀になるような志向を持っているチームではない事から、リトアニアはロングボールのターゲット周辺で少しでも密度を高めることが出来ればセカンドボール回収の可能性が高まり、回収後にボールを効率よく動かすことが出来ればチャンス、という好循環を見せます。

そうして流れをしっかりと握れそうだったリトアニアにヒヤッとする場面が。
コーナーキックの時にGKのシュトクス(16)ファウルがあったとしてPKがブルガリアに与えられましたが、キッカーのイリエフ(20)のタイミングを外そうとしたキックはシェトクスにキャッチされてしまいます。それ、ジョルジーニョもやってたなぁ・・・イリエフはチームメイトにヨーグルトをご馳走すべき(薄いブルガリア知識)

PKでの失点を阻止した後のリトアニアは理性的にボールを動かしつつ積極的な前線への配球を継続。サイドからのクロスを攻め所として狙いつつ、トランジション時にも前への圧力を高めていきます。
先制点はブルガリアのセットプレーからの流れでブルガリアの帰陣が間に合わない段階でノビコパス(11)がGKまで下がったボールにプレッシャーをかけられ、苦し紛れのロングボールを蹴らされたことから生まれる事になります。リトアニアのディフェンスがロングボールを跳ね返した先でラウクゼミス(9)が競り合って落ちたボールに対してクリアしようとしたP.フリストフ(5)がラシクカス(17)に引っ掛けてしまい、ショートカウンターを受ける事に。
ここでも徹底されていましたが、浮き球に競り合った際にその背後にもボール回収のために入り込むというシーンは序盤でも見られており、ロングボールからセカンドボール回収までの一連が準備されてきたものなのではないか、という想像が働きます。

リトアニアは先制後も前へのベクトルを弱める事なくゴールに向かおうと目指しますが、それはブルガリアにもスペースを与える事にもなり、これまでのリトアニアの振る舞いからすると意外なくらいにカオス成分が増しています。結果、立て続けにミドルシュートを狙われる事になりますがシェトクスの好セーブなどにより失点には至らず。

ただ、このリトアニアのやり方は幅広くピッチを使う分スタミナの消耗も激しいので、前半も終わりに近づいてくるとブルガリアに主戦エリアが徐々に自陣に近付いていきます。押し込まれた状態から攻勢に転じるためのエネルギーが足りない状態が続いていた様に思いますし、後半に向けて仕切り直し、という感じもあったのかもしれません。

後半に入ってもリトアニアはロングボールを配球する時は密集し、ミドルサードでポジティブトランジションを迎えた時には持ち運びながら前進を試みるケースが見られましたが、ブルガリアのバックラインがしっかりと待ち構えている事からチャンスらしいチャンスは演出できず、逆にラシクカス(17)とラウクゼミス(9)がイエローカードをもらう苦しい展開。

これまでのリトアニアなら、しっかりとボールを持ちながらハーフスペースやワイドに位置する味方への配球をきっかけに前進を狙っていくのですが、この試合でそういった動きを見せてきたのはブルガリアの方。
57:27のシーンなんかは顕著ですが、ビルドアップから左右にボールを動かしつつ、ワイドにA.フリストフ(3)、リトアニアの中盤ブロックの隙間にヨモフ(17)、ネデレフ(8)はフリーマンとしてA.フリストフが空けたスペースに陣取った配置とボールを受けた時のアングルでイリエフ(20)への配球を見せ、プレスバックするリトアニア守備陣のベクトルをいなすことで前に進出してくるネデレフ(8)に時間を与える事が出来たシーンなんかはリトアニアが見せていた指向に非常に近い物を感じました。

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このシーン自体はブルガリアもシュートを打ちきれずに不発となりましたが、カオスを受け入れているリトアニアと相対的に理性を見せる事になったブルガリアの振る舞いによって起こっている現象に差が現れていき、リトアニアの守備が後手を踏み続ける事に。
そうして63分にブルガリアがペナルティエリア前でフリーキックのチャンスを得ると、これをデスポドフ(11)が見事なキックで同点に追いつきます。

リトアニアは66分にメゲライティス(13)に代えてベルビッカス(18)をピッチへ。ポジションをそのまま置き換える形となり、活動量を確保した中盤が攻守にわたって影響力を増す事になります。

風向きが変わってきことで、ブルガリアはイリエフ(20)に代えてクラステフ(18)、ヨモフ(17)に代えてデレフ(9)を交代しますが、トランジション時やビルドアップ時にハブとなるベルビッカス(18)の働きの方が効果的に盤面を引き締めている事から趨勢はリトアニアに傾いた状態が続きます。

74分にはリトアニアが疲れの見えるラウクゼミス(9)に代えてカズラウスカス(19)を投入し、前線での強度を高める采配。前への指向性を維持しながら試合の流れを手放さないように注意深く交代策を繰り出している様に思えました。
その効果のおかげか、リトアニアに惜しいシュートが生まれるなど、試合終盤での攻防が非常にスリリングなものになり、両軍ともに惜しいチャンスが生まれたところで、80分にリトアニアがリスタート時の一瞬のスキを突きラシクカス(17)の落としをチェルニク(10)素晴らしいボレーで勝ち越し点を挙げます。

痛い勝ち越し点を献上してしまい、ガクッと運動量が落ちたブルガリアは直後にもチェルニクにヘディングシュートを決められてしまい、実質的に終戦となりました。

まとめ

今節のリトアニアはリアリストとして、ビルドアップ時のリスクを極力排除して試合に臨んだ格好となりましたが、その決断が功を奏して勝利という結果をつかみ取ることが出来ました。
前回対戦ではボールを保持してビルドアップから丁寧に前進する事を選択したものの、ミドルサード以降での相対的な質で押し切れなかったりビルドアップ自体が相手の圧力に屈して重心が下がるなどして主導権を握ることが出来なかった反省を活かしたものと思われますが、この戦い方が欧州予選の序盤から見ることが出来ていればグループ内の順位の変動はまた違ったものになっていたんじゃないかな、と惜しい気持ちもあります。

とはいえ、試合をコントロールし続けるためにカオス成分をいかに許容範囲内で収めるかという部分に腐心しようとすれば、自ずと確率を高める方向への指向性は強まりますし、それが欧州予選序盤のリトアニアだった、という見方も出来るのだと思います。
そういった意味では、今節のリトアニアはギャンブルに勝った、という言い方が出来ますし、ブルガリアは相手の狙いを潰し切るためのエネルギーが多少不足していた、とも言えるのかもしれません。

同点に追いついた時にはまだ趨勢が決まっていなかった事から、試合結果がどうなるかは分からない状態でしたがその後の打ち手の駒の質の差が出てしまったのかもしれません。
とにもかくにも、ワールドカップ出場権の獲得の目が無くなってもなお見所の多い試合を披露してくれたリトアニアに賛辞を送りたくなる試合だったと思います。

注目選手

チェルニク

今節ではロングボールに対して相手の前にタイミングよく入る事で競り合いの場面でも良いプレーを見せながら、終盤でのゴールで試合を決定的なものとする活躍を見せました。
試合途中では少し苦しい場面がありましたが、ブルガリアにも疲れが見えてきた試合終盤でスペースを得る事で輝くことが出来たのは試合展開の妙とはいえ、背番号10にふさわしいものだったと思います。
今後が楽しみですね、という年齢ではありませんがあと数年でも欧州のコンペティションで名前を見ることが出来たら面白いな、と思っていたりします。
ちなみに、wikiによると2016年と2017年のリトアニア最優秀選手だったようですね。(近年はノビコパス)

さて、少し停滞していた欧州予選アーカイブですが、強い気持ちでサクサクっと進めていこうと思いますので、最後までお付き合い頂ければと思います。
メモは・・・とってあるんや・・・(;´Д`)

試合結果

2021.10.9
カタールW杯欧州予選 第7節
リトアニア 3-1 ブルガリア
LFFスタジアム
【得点者】
LTU:18' ラシクカス 82' 84' チェルニク
BUL:64' デスポドフ

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