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FIFAワールドカップ・欧州予選 グループC 第5節 スイスvsイタリア感想

サッカーを愛する皆様、こんにちは。
くろだといいます。
ワールドカップ欧州予選アーカイブ計画として、僕は「#W杯欧州予選グループC全部見るマン 」として今回はスイスvsイタリアを取り上げてみたいと思います。

試合前情報

スイスは再開後の欧州予選では初戦となります。
試合前の段階では2試合を消化して2勝で勝ち点では2位につけているものの、他のチームの結果次第では首位も狙える状況。
今節でイタリアを叩くことが出来ればグッと首位通過でワールドカップ出場を決める事も可能なポジションにいます。

そして、スイスというチームがどんなチームなのかはせこさんのEUROハイライトを参照して貰えれば分かりやすいのだろうと思います。(参考になりました!)
EUROでもイタリアと激突したスイスですが、その時は中盤の支配力で後塵を拝して手痛い敗戦を喫しています。
今回は、そのリベンジという意味合いも多分に含まれた試合となりそうです。

返してイタリアはブルガリア相手に一瞬のスキを突かれた失点により勝ち点1に留まりました。首位争いとして落とせない試合となる今節ではキエッリーニの起用があると思われますし、前節で負荷がかかっていた両翼もローテーションする可能性があるのでは、と思っています。

(前節の感想はこちらから)

イタリアのボール保持の質を決定付けるジョルジーニョはローテーションなしで起用すると思いますが、おそらく正面衝突するであろう今節ではどのようなタスクを担う事になるのか、注目です。

スタメン

というわけで、イタリアは前節から7枚を入れ替えて臨む事に。
両WG、IH、SB、キエッリーニとおおよそチームの骨格をガラッと入れ替える様相のローテーションがもたらした基本配置については後述します。
スイスについては、ジャカが新型コロナの陽性となってしまった事から選外となってしまいましたが、せこさんのEUROハイライト記事でも名前が良く出ていたアカンジ、ゾマーといった守備陣の奮闘が見られそうです。

試合雑感

まず、試合序盤から顕著だったのはキエッリーニ(3)のプレーエリアの広さ。
ワントップのスイスの布陣に対してビルドアップ時にはエメルソン・パルミエリ(13)を高い位置に置き、ディ・ロレンツォ(2)のサイドは低めを維持する事によってプレス陣形を偏らせて出来たスペースをキエッリーニ(3)が活用してパスアングルを確保しながら中盤以降の密度を確保して攻め込む構え。

当然、守備時にはキエッリーニ(3)の素早い帰陣が求められるわけですが、トランジション時の状態によってロカテッリ(5)とジョルジーニョ(8)がセフェロヴィッチ(9)とシュテフェン(11)の間(またはエメルソンの裏)などにポジョションを取る事によってキエッリーニ(3)のポジションに応じて隙間を埋める対応を見せます。
左サイドのエメルソン・パルミエリ(13)の帰陣はジョルジーニョとロカテッリの旗色を伺いながら、アエビシェール(20)やフライ(10)の動きによって人数が足りなくなりそうな場合に下がるという趣き。
ブロックを敷いた時にはインシーニェ(10)とベラルディ(11)がそのまま下がって4-5-1の陣形になります。

スイスは、前線からプレスをかけに行く際はロカテッリ(5)を追い越してシュテフェン(11)がセフェロヴィッチ(9)と2枚でイタリアのディフェンス陣に当たりに行く形。ただ、この時ロカテッリ、またはエメルソン・パルミエリ(13)の位置によってアエビシェール(20)が上がり、ボールポジションによっては4-1-4-1然となっていました。
スイスは序盤こそキエッリーニ(3)の広大なプレーエリアを見てスペースを突こうとしますが、このエリアでキエッリーニの予防的カバーリングが機能していたこととスイスのビルドアップ時にイタリアの中盤がしっかり押し上げつつもサイド深くに配球された時には陣形が整える事が出来るだけの強度を見せていた事から、簡単にクロスを上げさてもらえません。
時折、センターバックの迎撃守備からポジティブ・トランジションを迎える事が出来たシーンもありましたが、イタリアの攻撃を引き込む前のトランジションだった事から、中盤で回収される、またはイタリアの帰陣が容易な事で攻め手が狭くなってしまった事は否めないのかな、と思います。

そのイタリアは、前節よりも手数をかけずに攻撃を完結させる動きを見せます。スイスの布陣が前に来ていると見るやスペースへの抜け出しが上手いインモービレ(17)や時間を与えれた時の影響力が大きいインシーニェ(10)への配球でスイスの守備を脅かしていました。
このことで、イタリアはネガティブ・トランジションを迎えた時にもバランスよく対応出来ており、攻守におけるバランスが偏ることなくスイスの攻め手を削っていた事が安定した試合運びを進める事が出来た要因なのではないかなと思います。

後半に入ると、エメルソン・パルミエリ(13)のプレーエリアに変化が見られるようになります。
少し重心を下げる事でサイド深くを狙う、というよりは攻撃時に大外からインサイドへの動きを狙うようになり、インシーニェ(10)とのユニットの質を変えるようになります。逆サイドにボールがある時は依然として高い位置を取っていましたが、これは相手の守備ブロックに対してどう位置取りをするのか、という部分がベースにあるのかもしれません。

先に動いたのはイタリア。
ベラルディ(11)に代えてキエーザ(14)、インモービレ(17)に代えてザニオーロ(22)が入ります。これによって、イタリアの前線の流動性が高まり、インシーニェ(10)とキエーザ(14)はザニオーロが流れて起点になる事で生まれるスペースを活用しようという動きを見せます。

その直後にスイスの交代。
ロドリゲス(13)に代えてガルシア(2)、ソウ(15)に代えてザカリア(6)、ツバー(14)に代えてバルガス(18)が入ります。そのどれもが左サイドでしたが、活動量を担保したかったのかもしれませんがイタリアの前線の流動性に対しては基準点がブレる事になったかもしれません。
70分にシュテフェン(11)に代えてファスナハト(16)が入りましたが、直後にロカテッリ(5)のパスからインシーニェ(10)が惜しいシュートを放ちます。
これはゾマーのナイスセーブで失点をする事はありませんでしたが、イタリアの前線の流動性が高まった事とそれに合わせてジョルジーニョ(8)のプレーエリアが広がった事で基準合わせをする間もなく刺されかけた、という様相なのかな、と思います。

その後は、両軍ともに勝ち点3を狙うべく積極的に交代カードを切るもチャンスを作り切れずに終戦。
イタリアとしては前半にインモービレが決めきれていれば勝てた試合、スイスは勇気をもってボールを繋いでいくサッカーを全うしたもののゾマーのお陰で勝ち点を得る事が出来た試合だったのではないかと思います。

注目選手(+今日のインモービレ)

ジョルジーニョ

海外サッカー(特にプレミアリーグ)を見ている人にはお馴染み、中盤での影響力に定評のある選手です。イタリアではアンカーの位置でゲームをコントロールする事が多い選手ですが、今節はアンカーというよりは中盤を広範囲に動き、プレスバック、ビルドアップの出口、局面を助けるさりげない一手と攻守に大きな貢献をしていました。
PKでタイミングを外そうとチャレンジしてやらかしてしまった事が悔やまれますが、それよりも後述のインモービレが一本でも決めていれば悔やむ必要がなかったのでチームにピザをご馳走する、くらいで許してもらえそうな気がします。

キエッリーニ

EUROでも「飲み屋で酒を飲んでそう」など言われていましたが、相変わらずのビジュアル。今節は破顔という感じの表情は見られませんでしたが国歌を歌っている顔はまさしくトラム缶焚火を囲みながら労働者の歌を歌っているかのようでした。

#カップ酒が似合うキエッリーニ」の画像はまだ募集していますので、情報お待ちしています!

インモービレ

抜け出しは最高、相手のディフェンスラインとの駆け引きも垂涎もの、チャンスの場面では高確率で顔を見せるインモービレですが、今節もか・・・と苦笑いしてしまった人も少なくないのではないでしょうか。
あのシーンでターンできていれば・・・あのシーンで宇宙開発してなければ・・・あのシーンで・・・と世界中のたらればを一身に集めようとしているかのようなたらればの嵐・・・どれかひとつでも決めていれば、という今節のお詫びはチームにワールドカップで飲み明かすワインを大量発注する事にしましょう。ついでに僕にもください。
今節は途中交代でしたが、大量のインモービレポイント(6P1保留)を稼ぎ出しました。
100ポイント溜まったらバカンスで美女とおおはしゃぎ(パパラッチ付き)がプレゼントされます。

さいごに

イタリアとしては勝ちきってグループの趨勢を決めてしまいたかった試合でしたが、最低限の結果としての勝ち点1を得る事になりました。
とはいえ、前節のブルガリア戦の様にゲームコントロールを緩めた一瞬のスキを突かれてしまえば今節の結果がアダになる可能性もありまだまだ油断はできません。とりあえずインモービレは壁打ち100回から始めよう。

スイスとしてもイタリア相手に勝ち点を得るのは最低限、あわよくばという気持ちはあったと思いますがバランスを寄せすぎる事でイタリアのアタック陣に刺されるリスクも手放しにはできず、という部分で難しい試合だったと思います。とはいえ、中盤の振る舞い方や局面でのパワーバランスは勝負に値する見応えのあるものでしたし、もしかするとグループ内で順当な結果を積み重ねることが出来るのはスイスの方かもしれない、というプレーを見せてくれたのではないかと思います。

試合の強度としてはグループ内屈指の2チームですので、折り返した後の再戦でどの様な試合が見れるのかがとても楽しみです。

それでは。





余談ですが

だということが分かっています。
この研究は皆さまの支援が必要です。
引き続き、ご支援、ご協力をお願い申し上げます。

試合結果

2021.9.6
カタールW杯欧州予選 第5節
スイス 0-0 イタリア
ザンクト・ヤコブ・パルク
【得点者】
なし

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