ポストコロナで転換する価値

コロナショックであらゆる価値が一気に変わり始めている。おそらく多くの人がいつかはそうなると予見していたが、こんなに急に変わるとは思わなかったという感じであろう。

集中から分散へ

従来は東京や大阪などの大都市にヒトモノカネを集める方が合理的であったが、コロナ下では物理的に集中することがなんと逆にリスクとなってしまう。今後は地方の重要性が増していくし、物理的距離は関係ないような仕事の構造になっていくだろう。

リアルからバーチャルへ

これはテレワークやオンライン飲み会などで、すで身近なものになっているように、情報空間上ではいくら三密になっても感染リスクはゼロ。VRを活用したコミュニケーションも一気に普及していくだろう。

自己の外側から内側へ

これはやや説明が必要だが、いままでお金や理想の実現などの自分の外側にある価値を追求していくことが当たり前の社会であったが、これからはお金なんかより大切なものがあることを考え始める人が増えていく。自分の内面へ思索を巡らす時間が増える。そして、絶対性を否定し、変化を受け入れる東洋的価値観が見直される時代になる。中には哲学や宗教に対して人生で初めて興味を持つ人も増えてくるだろう。そんな時に道を踏み外してカルト宗教とかに傾倒してしまう人が増えるリスクも十分に考えられる。

そんな時代に道を踏み外さないためには、この情報の世界と物理の世界のバランス感覚を見失わないことが肝要となる。その時に根拠とすべき一つの指針は、自分自身の身体性である。それは言葉以前にある「大切ななにか」である。固定されたものではなく動的であり、状況に応じて変化する。

この境地になった時、ヒントに満ちた先人の知恵が東洋の思想の中に多く残されていることに気づく。それは、身体性を直接現実世界に機能させようとする「禅」の営みであったり、釈迦が気づいて龍樹が体系化した「縁起」の動的関係性であったり、天台智顗が示した現実を生きるためのバランス感覚「中観」などである。

いつかはこういう思想に親和性のある時代がくると見ていたので、昨年末からYouTubeで東洋思想系の解説動画を作っていたが、どうやら投稿初めて半年も経たずに、そういう時代は来てしまいそうだ。むしろこういう時代のために用意していた動画である。手前味噌ながら紹介しておきます。


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