「節約できたかどうか」よりも、「食べるものを自分で作れた」自分をまず褒めよう

一人暮らしに限定した場合、「自炊をする理由」は何だろう。

それぞれの経済事情や仕事、料理の腕によって違うだろうけれど、大体は以下の3つに落ち着くんじゃないかと思う。

①栄養のバランス
②費用の節約
③料理が好き

このうち、自分が該当するのはどれだろうと、改めて考えてみる。

①は、間違いなく当てはまる。
元々、仕事でキャリアを築くためのスタートで思い切り躓き、会社員としての経験値では、他の方に大幅に後れを取っているだろう自分にとって、「健康」というのは何にも代えがたい資産だ。

最近では、登山やトレイルランにハマった事もあり、身体を思い切り動かす事が多いから、なおの事である。

②も、まあ当てはまる。
①っで挙げたのと大体似た事情で、経済的には豊かとは言えないので、そうなるのは自然の流れだろう。

ただ、こちらに関しては、①ほど気合を入れて達成しようとしている訳ではない。

料理に不慣れな人があまり考えずに作ってしまうと、手間がかかって疲れた割に、全体的にはそれ程節約できていなかった、という話をよく聞く。

自分の場合、作り慣れた料理が比較的安めで作れるものばかりなので、外で買ってくるよりは費用を抑えられてはいるが、元々それ程料理が好きなわけでもないので、あくまで目標としては二番目の位置づけである。

あまり力を入れすぎると、疲弊してしまって何のための自炊だか分からないので、週に1~2度は外食やテイクアウトを利用して息抜きにしている。

③については、自分から一番遠い所にある目標だと思っていた。

料理の苦手な人はわかると思うけれど、自分も料理本に書いてある「一口大に切る」だの「火が通ったところで」だのという曖昧な言い回しが苦手だったし、一つ一つの動作に時間がかかりすぎて、終わった時にはグッタリと疲れ切っている事もあった。

なので、料理するという行為自体を「面倒くさい」と思っていたし、成功してもそれが満足感に繋がる事はあまりなかった。

ただ、最近、自分で材料を買ってきて調理し、それを食べて片づけて、というサイクルを回していると、いわゆる「料理が好き」とは別のベクトルで、自分が「整って」いくのを感じている。

自分の口に入るものを、自分で切って、焼いて、煮て、出来上がったものを食べる、というのは、大げさな言い方をすれば、自分の命を自分で維持できているという手応えを得られるんじゃないかな、と思っている。

こんなことを言っても、自分の料理は、例えばスープ料理は市販のスープの素にかなり頼り切っているから味は同じだし、外食より安いとはいえ、それ程大幅な節約に繋がってはいない。

が、考えようによっては、その方がいいんじゃないかと、最近思っている。

節約にしろ料理の完成度にしろ、毎日それを追及していると、必ずくたびれていくからだ。

ただ「作る事ができた」を満足できる結果として受け止められれば、料理にかかった時間や費用については、そこそこ抑えられればいい、と思えてくる。

仕事の合間に自炊しなければならず、時間を取られてもう面倒、と思ったあら、まず節約よりバランスより、自分が「作れた」という事実を、まずは褒めてあげるべきだと思う。

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