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「、」(読点)のはなし

最近、長めのnoteが多かったので、今回は短め。

何の話かと言うと、日本語の読点を使う基準の曖昧さに納得っていない、という話である。

先月から久々に、noteで少々長めな文章を書き始めたのだが、書いていると「、」(読点)を打つ場所に結構悩まされる。

文を書きながら感覚で読点を打っていて、文章を書き換えたり文の中で順序を変えたりすると、読み直したときに変なところに「、」が残っていることがある。
考えながら長文のメール書いてる時とかも、よくバグる。

今も書いていて、またちょっと感覚がおかしくなってきたし、何が正しいのかわからなくなっている。

今回の種本

ということで、何かしらのルールを自分の中で決めて書くことにした。
今回の種本は、本多勝一の「【新版】日本語の作文技術」(朝日文庫)

を基にして書こうと思ったのだが、本編約300ページに対して、読点に関しての記述は55ページも書かれている。

日本語の1/6は読点で出来ていると言っても過言ではないかもしれない。

この本の中で、読点を使うのは、「2つの原則がある」と述べているのだが検証等が多すぎて全然かみ砕いて理解することができなかった。

ザーッと読んだが、今すぐに書くnoteで役立てたいのに、知識として取り込むのに時間が足りな過ぎる。
よって、今回の種本はこちらの『「文章術のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。」(日経BP)を使用する。

Youtubeっぽさが仄めかされているようなタイトルだが、100冊の「文章術」の本から「読点について」の記載をまとめた部分を読めば、完璧に理解できるはずである。
もはや、勝利は約束されたようなものなのである。

もちろん、100冊の中には、先に触れた「日本語の作文技術」も入っている。
(買ってから書籍リストをみたのだが、ベストセラーから100冊選んでいるため、なんで売れたかさっぱり分からないような本も入っている)
(しかも、読点の項目の中に「日本語の作文技術」からの引用等は特になかった)

ポイント1:「、」の8つのルールを覚える

「。」句点は文章の終わりに付けるので非常に分かりやすいが、「、」読点には基本ルールがある。
文章を書く時、句読点をいい加減にしていては上達しない!とも書かれている。
この、基本ルールを覚えれば良いのだ。こういうのを待っていた。

①文の切れ目に打つ

例文:急にボールが来たのでシュートは外れた。
 文を繋ぐ使い方。

②装飾する文章が長いとき、その後に打つ

例:昨夜は夜遅くまで本を読んでいたので今日は眠い。
 ~~~なので+~~だ。

③対等に語句を並べるときに打つ

例:声も身体も指も髪も寝顔も心さえも全部ひとつ残らず愛してるわ。
 And的な使い方の場合。

④接続詞、逆説の助詞の後に打つ

例:圧倒的1番人気だがゲート出遅れたら勝てないだろう。
 ~が、/~ので、/~でも、/~けれど、 等

⑤挿入された語句の前後や文節を区切るときに打つ

例:今日のレースは先月トライアルがあった重賞レースです。
 ~は、○○、~~です。 的な文の挿入の前後。

⑥引用を示す「と」の前に打つ

例:犀の角のようにただ一人歩めとブッダは言った。
 どこまでが引用文かわかるように打つ。

⑦感動詞や呼びかけの句のあとに打つ

例:さぁ無に還ろう。
 ねぇ、/あの、/えっと、/おい、 等

⑧修飾する語とされる語の関係を明確にするために打つ

例:はじめて馬連で万馬券を当てて歓喜した。

 「、」の場所で違う意味で捉えられてしまうことがある文の打ち方。
 ①はじめて馬連で万馬券を当てて歓喜した。
 ②はじめて馬連で万馬券を当てて歓喜した。

①の場合は、馬連の万馬券を当てたのが初めてという文になる。
②の場合は、馬連の万馬券は過去にも当てたことがあるが、歓喜するほど喜んだのは初めてという文になる。

「ただし、上記の通りに打たなかったからと言って間違いではありません」とも書かれている。

「テンはすらすら読めて、意味もよくわかるように打たれてればいいわけです」
「書くことが思いつかない人のための文章教室」(幻冬舎) 近藤勝重

最後で急にわけわからなく曖昧にするんじゃ無いよ!

しかし、いいですか?
つまり、私が変なところで「、」を打っていてたとしても、それは間違いではありません

ポイント2:リズムの良い場所、呼吸をする場所で「、」打つ

曖昧さが増してきた気がするのだが、ここも色々な引用で答えをくれている。

句読点と云うものも宛て字や仮名使いと同じく、到底合理的には扱い切れないのであります。(略)
読者が読み下す時に、調子の上から、そこで一と息入れて貰いたい場所に打つことにしております。
「文章讀本」(中央公論新社)谷崎潤一郎

句読点は、合理的じゃないから読んでひと息入れて欲しいところに打つと書いています。

敢えて呼吸をせずに一気に読んでもらいたい箇所には句読点を打たず、リズムとして一呼吸置いてほしいところに句読点を打つのが原則です。
「すぐに稼げる文章術」(幻冬舎)日垣隆

リズム感や呼吸する場所を意識して読点を打とうと書かれています。
どんどん曖昧になっていくじゃないか、と絶望した人(私)のために、
それでも読点を打つ位置に迷った際の方法が書かれていました。

声に出して読み
①「読点を打てば、読みやすくなるかどうか」
②「読点を打てば、誤解を招かなくなるかどうか」
を確かめる
「悪文、乱文から卒業する 正しい日本語の書き方」(ディスカヴァー・トゥエンティワン)

つまり、ポイント1の⑧を意識しつつ、音読したときにリズムが良ければそれで良いよ!ってことらしい。

なるほど!釈然としない!

あとがき

これで読点マスターになれたので心置きなく好きなところに読点が打てるようになった。どこに打っても間違っていない。そこで一呼吸置いてほしかったのである。

例えば、もし、私が、こんな、細切れな、文章を、書いて、いたら、全力疾走でも、しながら、書いて、いたのかな、と思って、欲しい。

まぁしかし、古典的名著じゃないんだから、できるだけ読みやすさを重視した文章を書けるようになりたいものである。

「文章を書く時、句読点をいい加減にしていては上達しない」からね。

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