期末テスト5分前に隣のクラスの窓ガラスを割った話。
高校時代のある穏やかな昼下がり、私は数学のテストを控えていた。もともと数学は苦手だったので、そこまでの気合も入らず廊下でいつも通り昨日のセッターのシケモクにそっと火をつけ、雲ひとつない空を1枚のガラスを隔てて眺めていた。
後ろから声がしたのでふと振り返るとそこには、まるで3年間散髪に行っていないような長髪と不器用に整えられた顎ヒゲを蓄えた「ゴウチャン」が立っていた。
彼の目を見つめた瞬間私は雷に打たれたかのような電流を感じ、両足は中央廊下の手押し相撲の土俵へと向かっていた。
いざそこに立てば何もかもが許された気持ちになれた。キリスト教で言うところの贖罪だろうか。
手を伸ばし、相手のこめかみを目指してひとつき。効果はいまいちのようだ。くそ。何がいけなかったって言うんだ。
次の瞬間我は言葉を失った。
2発目に投じたミネソタ産の波動拳が体重役38kgの彼に直撃し、それと同時に嫌な音が聞こえたのだ。
「パリン」 。。。2秒。。。「んぎゃーーーーーーーーーーーーーきゃーー」
完全に終わった。先ほどイエス様に許しを乞うた自分自身の贖いが全て降り注いできたのだった。
それにより当然僕には、監禁および道路交通法の前科がついてしまった。
それから2ヶ月が経った頃だろう。
僕の家のチャイムが鳴り、ドアを開けてみるとそこには一羽の鴨が佇んでいた。。。。。。。。。
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