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特許について


  実は私の兄も特許を取っています

特許とは聞いた事はあるでしょうけれど、なかなか取った人は身近にはいないのではないでしょうか。
私の兄は大型自動車の研究所に勤めていた時に、特許を取得していました。もちろん、それは会社の仕事としての一環で、ビジネス化した訳ではありません。
私は乗用車の研究所に勤めましたが、特許に関わったことはありませんでした。研究所といってもテスト部門で、問題点や改善点を探し、報告するのが仕事でした。
兄は最終的にはその研究所のマネージャーでしたから、全体を見ながら研究を進める仕事だったのでしょう。その過程で特許を取得したのだと思います。
高校の時から中古バイクを買っては直し、そのうちエンジン・ミッションまで完全に分解して修理して組み立て直す。それを何台もやって来ました。
すると、思わぬ故障や修理が難しい局面が出てくる。メーカーに部品があれば交換するだけでいいのですが、欠品もある。
特にオートバイは部品の供給期間が短く欠品になりやすい。でも、どうにかして直さなければ乗れない。そういう局面を何度も経験して、元々私が持っていたらしい、アイデアを思いつく能力も使って乗り切って来ました。周りにレース関係者もいて、知恵を教えてもらえたのも大きい。
だいたい、凹んだタンクを直すのに「二つに割って内側から叩き出せばいい!」と思いつく方もどうかと思うけれど、「こういうの、面倒くさいんだよな~」と言いながらも、溶接できる人がいないと出来ないわけで、そういう人脈も自然と出来上がったのです。
当ブログでも書いた”モノ作りの例”で掲載したバイクのタンクの修理もその一つ。「モノ作りの例 #4」でガソリンタンクの修理例です。20年程前にも同じようにやって修理したものです。

溶接を削って中から叩き出しました

ディーラーはこのような修理は絶対にやりません。「?ないですねぇ~。メーカーにないからどうしようもない。新型車に買い替えたらどうですか、古いの乗っていないで…」そう言われて困った人が何故か来るのです。
後で書こうと思いますが、古いバイクのメーカー欠品のヘッドライトスイッチの修理も、自分で思い付いたアイデアで修理が出来ました。
その様な「どうにかする」という思いつきは中学生の時からありました。
それから、もう一つは物を調達する能力。
これは、高校生の頃からでしょうか。「こんな物が欲しい」という物を、どうにか手に入れられるのです。もちろん、それなりの努力もしますが、なんとなく「もしかして、そういう特技があるのではないか?」と気付き始めました。
就職してバイクのクラブに入り、多少英語を勉強し始めると、「こういうのがあるらしいけど、日本に輸入されていない。どうにかならないか?」という相談が何件もありました。以前書いた、ワイセコの鍛造ピストン、アクロンのアルミリム、チューニングパーツ、ステンレススポーク等など輸入してあげたのです。
8~9年前に輸入したドイツ製のWOSSNERのオートバイ用の鍛造ピストンも、日本に輸入したのは、もしかすると私が初めてかも知れません。当時は名前さえ誰も知らなかった。
私はこういう物を作りたいとなると、一度アイデアを鉛筆でノートに書きます。鉛筆で書くと芯が丸まる、すると削らないといけない。一見、無駄に見えますが、多分そこがリセットスイッチになっている気がします。
そのアイデアを頭に入れて、主にお風呂で考えます。すぐに、「こうすれば作れる・解決する」と降りてくる事もあるし、時間がかかる物もあります。話を戻すと、兄は研究所を退職後に特許庁の下部機関で働いていました。
どういう仕事かというと、申請された特許を過去の特許の膨大なデータと照らし合わせて、新しい特許として認可出来るかどうかを調査・審査する仕事です。特許を取る側から、認可する側に変わりました。
特許とは分かり易く言うと、「明確な根拠があり、科学的に証明されている、今までにない発明」を、国が認めた、つまり国のお墨付きです。
私はちゃんと特許証とマジ軽ナットを表示しています。偽物ではない証です。

過去にない科学的な根拠と立証が必要です

マジ軽ナットシリーズの開発段階というよりも、発案の時点から関わっています。
除電して部品の動きを改善するというのを、違う方法でトヨタも少し後に特許を取りました。つまり、世界のトヨタも注目して研究していた、それを知らずとはいえ友人が先に特許を取ったのです!
試作品では「これ、すごいね~」という感じで、車やバイクでテストに協力していました。アイデアも出しました。現在の形を「これ、何に使うか分かる?」と見せられた時に、一発で「これ、○○でしょう!」と言い当てました。
その後、多くの箇所に取り付けられるように様々なタイプが出来ました。

NSR250用のラジエターホース、インシュレーター用

おそらく、そのような経緯と、秘密は絶対に守る、裏切らない、長いお付き合いというのも含めて、私に声がかかったのだと思います。
実は乗り物以外で、私が考えた製品があります。今、家で実際に使っています。将来的に少なくても実用新案、出来れば特許が取りたいと思っています。ただ、その出願料を支払ってでもペイするものかどうか?要は、世の中にそれに見合ったお金を出す人がいなければ、特許貧乏になってしまう。それで、躊躇しています。
SNSを見て、当ブログも盗用してマジ軽ナットと同じ効果を謳って模倣品を販売している輩がいます。私は特許だけではなく、放電させる全てを知っていますから、その私から見たら「市販部品を付けただけで放電する!?そんな事は10年以上前にやってダメだから、今の方式になっているんだよ」と思いますね。
そもそも特許文献には特許を取得できる最低限の事しか書きません。
理由は、全て書いたら公開特許は全く同じ物が作れてしまうから。これはトヨタの除電の特許文献も同じ、特許を取る人は公開されるのが分かっているのに、完全コピー出来るようにすると思いますか?
マジ軽ナットも同様で、肝の部分は書かれていませんし、そこは企業秘密です。
放電させる為に理論・形状・材質に加え、難しいバランスが必要不可欠なのです。犯罪を犯す者はそんな事は関係ありません。ちょっと興味を持ったお金を出したくない層を引っ掛けるのです。フィッシング詐欺みたいなものですね。
もっと放電量を増やす方法もありますが、価格が10倍以上になってしまう、そうなると費用対効果が悪くなるので作っていないだけ。
特許権・意匠権・実用新案権を平気で犯している人が、「除電で~」と効果のない物を売っているのです。完全に詐欺です。
ちなみに、例え効果がなくても買った方も犯罪となります。今、某通販サイトにそれを指摘しています。
効果はありませんし、犯罪ですのでお止めください。
今までになかった除電チューニングは面白い。後に公開特許を調べると、私達が除電していた箇所とほとんど同じで驚きました。
除電箇所の基本はタイヤです。4輪でも工具不要で3分もあれば取り付けられます。


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