チェルノブイリ日記 36 ~ チェルノブイリでクレーンを
チェルノブイリまで来てクレーンを見る
前回のあらすじ。
川沿いを散策しています。
川沿いには足場や柵が設けられているのですが、四半世紀以上の時が流れ木製の足場は崩壊が進んでいます。
そんな川沿いに4本足のクレーンが立っているのですが……
足元よ!
立ち位置がちょっとギリギリ過ぎません? いつの日か雨が降り続いて地面が緩くなって川へ向かって倒れてしまうように思います。しかし四半世紀以上倒れていないのですから案外倒れないものなのかしら?
日本であれば「危険! 近付くな!」となるのでしょうけど、ここはチェルノブイリですからね。クレーンをじっくり見てみましょう。
チェルノブイリまで来てクレーン? ん、私は何をしにチェルノブイリへ来たんだっけ……。
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クレーンは足元から
人数を集めて押せば倒れそうな場所に立っている4本足クレーンの足元。水車のような円形の何かが見えますが、水車ではありませんよね。
このクレーンは恐らく移動することが可能なのだと思うのですが、こんな足元で動くもんなの? いやまぁ動いたとて街を走っている自動車みたいな速度ではなく、時速1メートルみたいなもんなのでしょうけど。
こえぇー……。元からこのようなギリギリの場所に立っていたのか、四半世紀の年月をかけてここまで移動して来たのか、でもまぁ後者なのでしょうね。それはそれで怖いものがありますけど。空のゴミバケツじゃあるまいし、こんな重そうなクレーンが自然に動くもんなの?
……もしかしてこの足場は人がのんびりするためのものではなくて、クレーンを動かす線路みたいなものだったりするのでしょうか。
そうしますとこの謎の何かも操作パネル的なものだったのかなと思えなくもないですが……思えます?
いやしかしそれなら川と反対側の足はどうなるんと思いますし、線路にしたってちょっと頼りなさそうですよね。クレーンを動かしたら崩壊しそう。
……崩壊しそうですよね。1回動かせれば良い使い捨ての線路……なわけないと思いますが、いやいやもしかしてそんな大胆な発想がまかり通っていたのかも。思考は柔軟性が大事なのですよね。でもなぁ……。
まぁそもそも原発事故が起こったときこの場所が完成形だったのかどうかも分かりませんしね。もっと頑丈な足場になる予定だったのかも知れません。
線路と考えれば、この謎の出島も川側から動きを見るための足場なのかなぁと思えなくもないですね。クレーンが倒れて来たときは足元の空間に逃げ込めば助かるかも知れないという。安全とは何なのか考えさせられてしまいます。
安全とは何なのか
運転席へ向かう階段が設けられていました。チェルノブイリに着いてから階段やハシゴを何度も見て来ましたけど、何故に頼りない足場、頼りない手すりなのでしょう。
でも慣れた作業員は駆け足で上り下りしてらしたのかなぁ。
手すりとは言うものの、低過ぎて手が届かないように思います。バランスを崩したら余裕で手すりを乗り越えて落ちてしまいそうですしね。
当時の人々の平均身長がどのくらいだったのか分かりませんが、160cm台としてもこの手すりは低そうに見えますよね。
そして灯りも設けられていますけど、意味あったんかと疑問を抱かずにはいられない大きさ……というか灯りが必要ということは夜間の工事も行われていたのかな? それでこの灯り? なんというか、夜間にこの階段を上り下りしろと言われたら怖くて泣いてしまいそうですよね。
あれ、よく見たら2本あるぞ……。行き先が違うのかな。渋滞を防ぐためかな?
分かりませんが、怖さに打ち勝って上ったとしても下りるのがまた怖そうですよね。「行きはよいよい 帰りはこわい」を体現しています。
間違い探し
しかし……。
本当に大きいなぁ。どうやって撮れば良いのか……。
運転席の内部はどんな雰囲気なのでしょうね。さすがに上って確かめようとは思えませんが……。
日本の建設会社のサイトによりますと、何度も上り下りしなくて良いように運転席には冷蔵庫やトイレ、エアコンなどが設けられていて快適な空間となっているようです。
しかしここはチェルノブイリ、しかも1980年代かそれ以前のクレーン。快適な空間より過酷な空間と考えてしまいます。
そもそもクレーンが何基も立っているということはここに何かを建設しようとしていたということですよね。何だったのでしょう?
ガイドの説明は……自分の趣味の撮影に励んでらっしゃいますから期待出来ませんし、説明されても英語がよく分かりませんし。
シューティングゲームの自機はこんな気持ちなんやろなぁ……。「パロディウス」の「ちちびんたリカ」をイメージしているんですけど、いやまぁこれは4本足のクレーンなんですが、でも分かって貰えますよね?
ちょっとずつ角度を変えながら何枚も撮ってみたり。
せっかく撮ったから載せるという相変わらずの貧乏性です。
同じ写真を誤って2回載せていても気が付かなさそう……。
川と反対側の足元です。いやいや川沿いギリギリより絶対にこっちの方が正解ですよね。
日本の工事現場で見掛けるクレーンはその場で組み立てたり解体したりするそうですけど、チェルノブイリのこのクレーンは明らかにこの形のまま移動するものですよね。
そもそもこのクレーンをどこで作ったのという話ですし、ここの工事が終わったら次はどこへ移動させるの、それって大変過ぎない……と思ってしまいます。効率が悪いような。
工事が終わったらここで解体しておしまいなのかなぁ? え、それはもったいなさ過ぎないと思いますがそういう感覚ではなかったのかも知れません。
次回予告
もう少しクレーンを。
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