人は如何にしてBotterとなるのか

Botter、それは家に籠もりながら打ち出の小槌を手にした人間の称号。勤め人の夢にして、現実の力量を見せつけられる闘技場。
いかにして人はBotterとなるのか。いかなる山も、登り始めは大変なだらかで、ハイキングが続く。

投資家の種別について

Botter(というか金融取引を実施したい人間)必読と思われる日本語論文が存在する:https://www.imes.boj.or.jp/research/papers/japanese/kk31-1-8.pdf

投資家の種別ごとに、参考にしている情報と、その重みがまとめられている。簡単に説明すると、

長期間(数か月単位):マーケットの情報をもとにトレード/投資を実行。必要なのは各投資先の特徴の把握、市況の認識。取りに行くのは経済学的な収益(ファンダメンタルに基づく投資判断)

中期間(数週間単位):長期間投資の状況は参考にしつつ、特定の条件を考え、値動きによる利益を勘案して売買を実行する。この辺りまでは必ずしもシステム化する必要もないので、人力でも実行できる。

短期(日時):特定の条件を定め、その条件を満たした場合に取引する。たぶんこの辺りからBotの価値が発生する。期間が短いため、もっぱら値動きを追い、経済学的指標の効力が小さくなる。

おそらくこの辺りまでが、通常考えられる投資、この先がトレーディングのためにチャートに張り付く、いわゆる「デイトレ」の世界が始まる。

アノマリーについて

マーケットには、金融のセオリー的には説明しがたい挙動が長期間継続することがある。(そもそも仮想通貨(暗号通貨)に価値があるかすら、懐疑的な面々も数知れない)

Noteを検索するだけでも、すでに効果が消えたが、アノマリーの中で面白いものとして、1時間のうちに、なぜかBTCを1時間の前半30分のどこかで買い、後半30分で売るだけで利益を上げることができたらしい(過去形)←大原則として、この手のものは見つけると、使えなくなるまで人には言わない。見つけた人が当然ながら利益を上げるか、あるいは別の要因で利益が上げられない理由がある。

モデルの戦いと、速度の戦い

優れたアノマリーを見つけたら、それを実装したBotは金を生む打出の小槌に等しい。あとはそれをロスがないように自動で執行できるようにプログラムを書けばよい。(コードを書く時間が足りない?ChatGPT様に拝もう)

また、アノマリーが極めて短期間だけ持続するようなものである場合、執行へ至るスピードの戦いが始まる。これがテクニカルに最も難易度が高いと考えられる、高頻度Botterの世界となる。究極的なアノマリーは、市場間の価格差異を取りに行く(アービトラージ)を実行するBotとなるだろう。

アノマリーを探す旅の始まり

データを取ろう

板情報、他の経済指標、US、ヨーロッパ諸国などの外国休日等、アノマリーを発生しうる要素を探る。ひょっとするとカリフォルニアが雨の日は手動デイトレが激しくなるかもしれない。

データを探ろう

その情報を元に、バックテストを実施する。過去数ヶ月勝てたモノが、明日勝てるとは限らないが、市況を元に持続性を判断する

数理的知識を活用しよう

金融工学マンがこの世界に移る上で重要なのがこちら。金融工学モデルは原則として値動きを正規分布で近似しているが、非仮想通貨であっても実際には近似できない期間(特に暴落時)が発生するように、テール部分が大きく、それが仮想通貨の場合は高頻度で観測できるため、ファットテールの勘案が必要になる。

マイナー通貨の分速時価変動:実測:べき乗分布近似:正規分布近似
金融市場ではまれにしか見られないファットテールが、仮想通貨界隈では日常的に発生する

DEXを探す?アービトラージ?

この層の情報に、私はまだ到達していない。が、どうやらここが最も大きな金脈。

最後に

登っている山は、ひょっとすると穴なのかもしれない。穴を深く潜れば潜るほど、元には戻れない魅力が奥に見つかる。残高とChatGPTを手に、穴の底を目指そう。

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