イケフェスに行った筈なのに、警備員の動作確認ばかりしていた話
ムーミン読んだことある?
ムーミン。
アニメじゃなくて、トーベ・ヤンソンのやつ。
日本のアニメのムーミンやと、スナフキンってイケメンキャラで出てくるけど、ほんまのスナフキンて結構人としてどうなん?な部分多いんですわ。
「公園の看板が嫌いで引っこ抜いて怒る」破天荒エピソードが特に有名。
ルールや規則に縛られたり、自分の行く道を妨害されたくない人なんですね。
ムーミン谷におる数少ないヒトやのに、人としてどうか?と思う人がいる。
おとんのヨクサルもなかなかの豪胆やし、育った環境かな。
看板嫌いなんは私もよく分かる。
私は行き当たりばったりな人間なんです。
もうしっかりと終わったイケフェス2024大阪!
長年大阪に住み続けていたが、こんなニッチなイベントをやっていたのは知らず、人の筋肉ばかり見ていた。
筋肉を見る際も、ピンポイントでも楽しめますが、やはり全身のバランスが大切なんです。
それが完璧なのが私の推しのBリーガーの侑太郎さんです。
テストには出ませんが、生きていく上できっといつか役立つので、頭蓋の隅に置いておいてください。
建物というものも、見方は筋肉と同じです。
パーツパーツを見るもよし、引きで全体像を見ても良し、この地に立ち、最高のバランスと栄誉と視線を注がれた美しい肢体を存分に楽しめる。
侑太郎さんは走って逃げるけど、建物は動かない。
愛で放題。
でも、老朽化で取り壊されたり、国宝や文化財になると濫りに入ったり出来ないし、歴史あるオフィスビルは勤めるか、トムクルーズくらいの豪快さがないと中には入れない、ミッションインポッシブル。
堂々と入れるチャンスを逃してたまるか。
逃して今まで生きてたけどな!は棚にぶん投げ、推しの筋肉以外の、人の推しの建物を愛でようと私は大阪の街にでた。
まずは予定があって訪れたサロンから徒歩3分にある山本能楽堂。
地下鉄谷町線の「谷町四丁目」4号出口から近いです。
仰々しく言っておきながら、徒歩圏内で済ますこの体たらく。
こんな事がなければ通り過ぎてばかりだったこの場所に初めて立ち止まる。
もう中からズンドコピーヒャラ音がしている、よし、いくぞ!
カラカラカラ・・・
「今観劇中です。見学の人は6時以降に来てください」
「致し方ない、また来ます」
パタン。
絵に描いたような門前払いでした。
でも、これは完全に私が悪かったんです。
大きく真っ赤な看板立ててくれてたんですわ、読まないね、私!
だが祭りは始まったばかり。
他に行っている間に6時なんかあっという間。
私は地下鉄に乗り、乗車時間約15分で次の場所におりたった。
御堂筋線の「淀屋橋」1号出口から出たら、もうそこにある中之島中央図書館。
聖闘士星矢感が満載のこの建物は野口さんが・・・とかかっこよく語りたいけど、私が語るとおかっぱ頭で不穏な笑いの小学生しか浮かばないので割愛。
ディズニーの美女と野獣が好き、と言えば視聴したことがある人は全員ピンとくるこの階段。
しかもここは図書館!
あの映画の素敵なところは、お城の中にごっつい図書室があってそこをプレゼントしてくれる本好きの野望が渦巻いているところなんですね!
ほな聖闘士星矢ちゃうやん、シャイナさん。
年中レオタード。
レオタードに仮面。
レオタード仮面。
古いオイルストーブが残っていて、建物の時代背景にマッチし、螺旋階段を中心に廊下が伸びて各本のコーナーに行ける。
なんて言うんやろ、これ、網走刑務所と似た作り・・・あれは脱獄者を出さないよう、監視しやすく作られてるから、似てるわけではないか。
難しいことは専門家に任せよう。
珍しい本にはぁはぁしながら小一時間読書し、次へ
三井住友ビル大阪本店。
前々から近くを通る度に「豪奢なビルやな」と思っていたんですわ。
近くで見ると、外壁がざらざらしていて、爪で掻いたらこぼれそう。
スフィンクスもこんなんかな?
などロマンを巡らせていたが、黄竜山石と大理石を混ぜて外壁にしているそうだ。
そっか。
たまに土産でもらうごカスタードが入った当地お菓子のケーキもこんなんや、美味しそう。
ロマンを捨てて侵入。
中は豪華な大理石で、わお、とカメラを構えた瞬間に警備員が走ってきた。
「写真撮影はステンドグラスのみです」
「あまりに素敵だったので衝動を抑えきれませんでした、申し訳ない」
「お気持ちはわかります、でもご案内読んでくださいね。あちらの奥に・・・」
びっくりしておじさん警備員をフランス映画の口説き文句で微笑ませてしまった、恥ずかしい。
通された部屋は天井一面のステンドグラス。
中には両端に2対の革張りのソファがあり、そこに座って背もたれに体を預けると目の前全てがステンドグラスになる。
贅沢やなぁ、とぼんやり見上げる。
ZZZ・・・
「すみません、他にも内覧の方がおられるので・・・」
「・・・ぁ、あい、すみません。相性が良いのかリラックスしすぎました」
「色々回ってお疲れですよね」
ごめん、まだ3件(うち一件門前払い)や。
昼寝で英気を養い、次は住友ビルディング。
ここは大阪のローカルテレビでお馴染みなくらい中が紹介されているので大体知っているが潜入とそれはまた別物。
「事前予約が必要です」
「大人気ですよね、もしかして定員割れとかしてませんか?」
「ありがたい事に定員オーバーなんですよ、申し訳ありません」
「こちらこそ無理を言ってすいません、では!」
よし、次。
大阪倶楽部。
「受付なしでは・・・」
ダイビル本館
「整理券の・・・」
🦭
そのうち、周辺を歩いているだけで警備員さんが話しかけてくれるようになった。
「どう?どっか入れた?」
「それがなかなか!飲食店はいけんやけどなぁ!」
「看板にちゃんと書いてるやろ!まぁ気張りや!」
「あ!お姉ちゃん!どないやった?」
「また門前払い!」
「ほんま!あんた、ご利用は計画的にやで!」
「それなー!」
建物には入れなかったが、友達が増えました。
事前予約を怠ったのは完全に私の落ち度で相手側は何も悪くはないんですが、こちらとしては予定の時間が曖昧で予約しても行けるかが怪しかったんですよね。
定員もあるので、予約してドタキャンになると本当に行きたい人がいけなくなる。
あとは、内覧のツアーに参加しなくても入れると勘違いしてたんですわ!
場所によるみたいで、あわよくば!を狙ってみたけど結果、日本の警備は優秀で万全!
そして迷子に手厚い事が知れた良い1日でタイムアップ!
中には入れなくとも、外観を眺めるだけでも歴史のある建物は圧巻やし、建築を意識していないと立ち止まる事もなかった。
私はこの中之島界隈はよく訪れるんですが、目的地に真っ直ぐ行って帰っていたので、いつもと違う出口から出ただけで、もうワクワクが止まらなかったです。
最後にもう一度山本能楽堂に戻りがてらふと見ると可愛いカヌレ屋さんを発見。
いつも歩いてたのに全く気が付いていなかった!
これに気がつけたのも、普段と違う建物目線で歩いていたから。
しめしめ、とカヌレを購入して暗くなった谷町を歩く。
なんやすんごい行列やな。
ミッキーのグリーティングやってんかな。
と、思ったら山本能楽堂の入場待ちの大行列やった。
嘘だろ、まだ6時5分なんだぜ・・・?
その間も列は増え続け、もう、唖然、いや、ポカン。
そこに通りかかったインバウンドのお兄さんが「12月も見れるらしいよ、看板に書いてる。僕はその頃日本にいないけどね!」と教えてくれ、それなら!と私も帰った。
お気づきになっただろうか。
実は私もスナフキンに負けず劣らず、看板や約束事が苦手なのだ。
建物について読みたかったのにただのお前の散歩記録かよ!
ぬぁあにぃ〜?やっちまったなぁ!
詳しく知りたいならヒトミさんのnote!
面白おかしく詳しく書いてくれてるよ!
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