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【アート旅】神奈川県立近代美術館 香月泰男展

11/3(祝)快晴!
天気の良い日は、綺麗な景色を見たくなります。

ラヴィット!リアタイ後からの逗子・葉山へのサクッと日帰り旅。初めての逗子、葉山旅。

観光スポットの1つとして訪れた神奈川県立近代美術館で「生誕110年 香月泰男」が開催されていました。

私は芸術感性が皆無でございます。

アートにお詳しい方は、以降を読まれて、何言うとんねん!となるかもしれません。その点、何卒ご容赦頂きたい。

そんな私ですが、この企画展は素晴らしかった!ので感想を徒然と。

■画家 香月泰男

山口県生まれの昭和を代表する洋画家。
太平洋戦争で中国で従軍した後、シベリアに抑留。
復員後は、戦争や抑留の体験を主題にした作品を多く発表。中でも「シベリアシリーズ」が有名。
基本的に油絵が多いみたい。

私はほんとに疎いので、全く存じ上げませんでしたが、知らなくても入ってみるようにしてます。

国やら都やら県やらの美術館なんて絶対有名な芸術家なんで。

見たとて、結局ようわからん。
ってなるときもあれば、素晴らしかった!!!って発見することもあって、面白い出会いがありますね。

■入場料はJAFで100円引き
 企画展は1,000円。JAF会員証で100円引になりました。JAF以外にも、京急の葉山きっぷやえらべる倶楽部など、何種類かで同じ割引が受けられます。受付に明示してあるので、お持ちの方はお忘れなく!

■気になった作品
 生誕110年との企画展名のとおり、10代の山口に住んでいた頃の作品から始まります。ざっくり前半が戦前、後半が戦後という構成で分かりやすかったですね。
 
気になった作品はこんな感じでした!
↓↓↓↓

①後ろ向きの少年
 前半ブースでは、心の内面を表現したような「後ろ向きの少年」の絵に惹き込まれました。
 色合いは基本的にかなり暗く、見ていると心をグーッと上から押さえられているような感覚になる作品が並びます。
 少年の顔は描かれておらず、後ろ姿だけ。不安感を感じるテイストです。
 でも、どの絵にも奥行きを感じる。少年が見ている向こうの景色が見える。
 感覚的にだけ感じる空間の広がりが、押さえつけられただけではない心の吹き抜けを感じて不思議な気持ちになりました。

 少年を描いた作品の中で特に印象的だったのは、水槽を覗きこむ「水鏡」という作品。
子供の頃に感じる「死の誘惑」を描いているのではないか、と紹介されていて、なるほどなと。あの感情が差し込んでくるような気がしましたね。

②シベリアシリーズ
やはりなんと言っても代表作の「シベリアシリーズ」。

絵を見て泣きそうになったのは初めてです。

決して写実的ではないのに、心には写実的に刺さってくる。作品によっては幾何学的に描いているのに、です。

色はさらに暗く、ほぼほぼ黒一色レベル。
濃淡の使い方の凄まじさが際立ちます。

前半でも感じた絵の奥行きや広がりは、さらに深まり、夢の中のシーンに放り込まれたような感覚になりました。

記憶の追体験、まさにそのとおり。

また、俯瞰しないと何が描いてあるか分からない作品も多いのですが、引いてみて理解したときの背筋のゾワッたるや。

なんでこんな構造を考え出して描き出せるのか。
頭の中どうなってるのか。。。
芸術家まじで凄すぎる。

グッときた作品の中でも印象的だったのは
「星〈有刺鉄線〉夏」

収容所の中から見上げた夏の星空と有刺鉄線が描かれている作品です。

ネットで画像で見てもよくわからないですけど、本物のすごさ半端ないです。

悲惨な戦争が主題な中にあって、香月泰男作品は言いすぎていない、訴えすぎていないような気がしました。伝わるものは言葉以上に伝わる。そんな感じ。

何ていうのかなぁ、見ていると映像が頭と心の中で流れるというか。
見ているものは静止画ではなかったです。

③作品名は忘れた シベリアから出る際の列車から見た風景の絵
香月泰男の言葉が書いてあったと思います。
シベリアに行くときは、いよいよシベリアに行くのかと思ってみた景色であり、出るときにはいよいよおさらばだと思った景色。

どちらに自分を置いて見てみるかで、見え方が全然違うことに驚きました。
見た目が変わってるわけでもないし、トリック的なことでは一切ない。気持ちが全然違って見えてくる。
空間の広がりや奥行きをも、もはや超越した1枚。


と言うことで、とにかく凄かった。

ちゃんと1枚1枚、説明文も読みながら周ったので
予定時間を大幅に超過するほど、本当に作品に惹き込まれました。

各地の近代美術館を巡回しているようです。お近くに展示が来たら足を運んでみては。

いや〜すごかったな〜!

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