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前夜 『放課後のプレアデス』との遭遇と視聴に至るまで

 このマガジンは、『放課後のプレアデス』感想補足解説というタイトルそのままの記事を格納するために作成しました。というのも、全12話の感想ツイートだけでも結構な分量があり、これに補足と解説を加えると一つの記事が長くなってしまうので、分冊形式を取ることにしたのです。


 Twitterであたかもいま放送されているアニメの感想を書いているかのようにツイートしていたのは、リアルタイム視聴感を得るためでした。
 2015年春に放映されたアニメを2020年春~初夏に観ながら、感想ツイートをしているにも関わらず、予想外に多くの反応があって『放課後のプレアデス』という作品がどれだけ愛されているかを知る契機にもなりました。


 最初の記事は、5年前の作品を視聴するに至るまでの経緯と、『放課後のプレアデス』を知ったきっかけを書いていきます。もともとは第一話の感想ツイートの冒頭に入れようと考えていたのですが、補足と解説が思いのほか長くなったため前置きも分離しました。

 不定期更新しているマガジンで、唐突に自動車の話題を持ち出したのもこれと関係していまして、車に対する思い入れを先に書いておくことで、話の焦点を絞り込むためです。


 まず、『放課後のプレアデス』という作品の存在は、かなり前から知っていました。ですが、内容については良く知らず、ざっと調べてみてもいまいちピンとこなかったのでこの5年間、観ないまま過ごしてきました。
 同時に、ある程度親交のある相手との会話で「『放課後のプレアデス』は観ていないし、良く知らない」と言うともれなく驚かれてきました。


 なんでだろう?


 最近になってこの疑問が浮上してきたため、試しに「TLでときどき『放課後のプレアデス』を目にするのですが、私がこの作品を見てないというと驚かれるのですよね」とツイートしてみたら、日頃から色々と学ばせて頂いている有村賢紀さんから非常に強い推しが入りました。

 これはかなり珍しいことでして、記憶では『シドニアの騎士』以来で、それよりも推しが強かったため驚きました。『シドニアの騎士』についてはコミティアの打ち上げで相席した際の出来事で、ネット上では例えば『絶対防衛レヴィアタン』ならそこはなとなく薦められる程度だったためです。


 さらに当時からのファンの方から「国立天文台の監修に付いている」といった見過ごせない情報を頂き、dアニメストア(配信しているサイトでは一番安く、NTT docomoユーザー以外でもPCやスマートフォンで簡単に観られる)に登録することにしたのでした。


 これが5月末の出来事でした。


 dアニメストアは日割り計算ではなく完全な月割り計算なので、翌月1日を待って契約をするのが賢いのですが、ここまで条件が揃ってしまうと気になって仕方がありません。


 Amazonプライムビデオは第一話のみ無料だったはず……。


 そう気付いて軽い気持ちで見てみたら、想像とは全く異なりなぜ自分が「見ていない」と言うと驚かれるのかを理解しました。

 有村さんの推しポイントである「SFでかつジュブナイルという作品は非常に珍しい」にも心の底から同意したものです。というより、これほど『放課後のプレアデス』の要所を的確に示した言葉は無いと思います。


 近年のアニメでジュブナイルSFというと、『電脳コイル』くらいしか思いつきません。2000年代より前まで遡るとややこしいことになるので、そこは置いておいて、あとは『フリップフラッパーズ』がそれっぽい要素はあるものの百合作品の側面が強い気がします。

 さて、この直後に第1話の感想をツイートしたのですが、この通り勢いのまま書いています。


 なお、このスレッドはら全話分(ネタバレ有り)繋がっています。

 そして、わずか数日を我慢できず、たまたま所持していたビデオクーポンを使用して第2話を見ました。


 ここでぶっちゃけておきますが、『放課後のプレアデス』の感想ツイートは第1話と第11、12話を除いて、全話2回見て頭を整理してから感想をツイートしていました。

 初見で勢いのまま書いた感想を、2回目の視聴後に気付いた点を加えて書いた物が実際にツイートした文章です。


 この期間は放送中のアニメの休止が相次ぎ、見ていた作品がほぼ全て延期になったこともあり、普段のアニメ視聴時間を全て『放課後のプレアデス』に注ぎ込んだかたちです。
 そして、第11話にさしかかる頃にBlu-ray Box買いました。

 自分が心底好きな反応を示していると感じたため思い切りました。

 この〝好き〟にも色々あって。観ているときはとても昂奮していてもその先に行くかとなると別問題なのですよね。
 つまり、BDやDVDといったメディアを買わないのです。
 これはお金云々や置き場所が云々の問題ではなくて、観ているときの熱の源が自分の根幹に繋がっているかが関わってくると思います。

 加えて、その〝好き〟が本物でも行動できるのは勢いがある内だと経験と物証(思い切ってDVD BOXを買った『青の6号』と、当時思い切って限定版を買っておけばと後悔した『戦闘妖精雪風』のBD-BOX)があったので、今回は思い切ったわけです。


 今回の記事はアーカイブとして、上記のツイートを各話ごとに載せて補足と解説を書く形を取りました。こういう記録を残しておくと自分自身が振り返るのが楽だから、というのもあります。


 さて、私が『放課後のプレアデス』という作品を知ったのは、大学の同期ハルサメ氏とのやり取りからでした。


「富士重工(現在のSUBARUのこと)が新型安全装置の広報の一環で制作に関わったSFアニメがあるんだよ」
「アイサイトのアニメ?」
「いや、正確にはガイナックスが作ったSFアニメなんだけど……、あれ? えっと題名はなんだったっけな。えっと、放課後の……」
「アルシオーネ?」
「うーん、違う」
「じゃあ……レオーネはさすがにないだろうから、レガシィ? インプレッサ? それともフォレスター?」
「車の名前ではなかったと思う。富士重工……元中島飛行機が結構がっつり関わっているんだけど、なんだっけなぁ?」
「ガイナックスでSF? メカ物は大抵見ているけど、思い当たらないなぁ。ロボットは出てくる?」
「いや、出てこない。放課後の……までは思い出せるのだけど」
「富士重工というかスバルで、アルシオーネじゃないとすると……(検索照合中)。もしかして、プレアデス?」
「それだ! 『放課後のプレアデス』。やっぱり知ってたかー」
「いや初耳。見たことないしどんな作品なのかもわからない」
「ええ! マジで?」


 ハルサメ氏とは大学一年からの付き合いなのですが、驚愕の後に絶句という出会ってからこれまで見たこともない驚き方をされました。
 ときどき誘い合って2人旅に出かかるのですが、彼は旅行好きなので希望を伝えればプラン丸投げできるので楽です(ひでぇ)。


 思えばこれが全ての始まりでした。
 このやり取りをしたのは、2015年より前だったと記憶しているので彼はYouTube版を知っていたわけですね。
 ちなみに、TV放映後も「見た?」「見てない」「ええ、絶対観ていると思ったのに」というやり取りを交わしています。


 これが冒頭に、つまり現在に繋がるわけです。


 ハルサメ氏は私が航空宇宙技術に強い興味を持っており、旅先で星空を見ると星座を繋げることも知っていて、好きなジャンルはSFで、図書館員時代は仕事を通じて知った児童文学を読み、なおかつそこそこの車好きだということも知っているので、まさしく「どうして?」という心境だったことでしょう。

 こうした興味関心については、普段から全く隠そうとしない──むしろ積極的に主張していく──人間なので、「『放課後のプレアデス』を見ていない」と言ったとき驚く方は、私の本質を正確に捉えています。

 なぜなら、『放課後のプレアデス』は表面的な興味のより深いところにある〝好き〟と直結している作品の一つだからです。
 じゃなきゃ、BD-BOXを買うに至りません。
 サントラもアートワークも揃えましたが、菅浩江さんのノベライズ版『みなとの星宙』が古書価格が高騰してしまって手が出せません。


 次回からは感想ツイートの内容補足と解説を付け足した記事を2~4話くらいずつに分けて投稿していく予定です。
 『放課後のプレアデス』ファンの皆さま、興味を持たれた皆さまにおかれましてはご笑覧頂ければ幸いです。


※アルシオーネは、プレアデス星団で最も明るい一等星。和名はすばる。スバル・アルシオーネは富士自動車時代のフラッグシップ車で、アルシオーネSVXを経て、レガシィ(二代目以降)とインプレッサに受け継がれ、さらにレヴォーグへ繋がります。


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