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二人の夜間飛行『放課後のプレアデス』感想補足解説パート9(第10話)

 前回(第9話)はこちら

 これまで話数表記を第n夜としていましたが、過去の記事を含めてBlu-rayのメニューやアートワークスと同じ第n話に表記を改めました。

 今回(第10話)の記事は、未視聴の方には伏せておくべき内容を多く含むため、TVアニメ『放課後のプレアデス』を見ていない方は全話ご視聴の上でこの記事をお読みください。
 これ以前の記事でも盛大にネタバレをしているのですが、第10話のネタバレはより作品の深部に関わるためあらためて書きました。


 TVアニメ『放課後のプレアデス』は、2021年1月現在U-NEXTにて全話配信されています。2月からはdアニメストアでも配信が開始されます。


第10話 キラキラな夜

『放課後のプレアデス』10話。度肝を抜かれてわりと茫然。すばるとコスプレ部の皆、会長、みなと。各々の過去という異なる点から、現在という共通の一点に収束する9話分の積み重ねを結実させつつ次の段階へ。最初に会長は「異なる運命線」と言っていたけど、時間の進行は同一だと判明する。
つまり、異なる世界とは個々の記憶すなわち物事の捉え方の違いを指す。見ている物は同じでも捉え方は同じじゃない。それは同じ体験をした者同士にも言えることで、思い出は共有できるけど、共有元の記憶は各々で異なる。「君には僕がどんな風に見えているだい?」という問いにも繋がる。
「変わりたい」という願いといまの自分を否定するのは違うと、7話で確認しているので、すばるが漏らす「変われてない」は「成長してない」であり──みなとが最後に告げた言葉をどう受け止めたかにもよるが──アップで映るコンパスと迎える四人の姿が先を示しているように思える。
そして、〝呪い〟に飲まれるみなとの姿はハレー彗星を思わせ、すばるとドライブシャフトで光は6。1986年のハレー彗星追跡衛星は4陣営6機。と今回もネタがガチ。
いつきの「花壇の君」という語彙センス、どんどん長くなるあおいのマフラー(ダブルミーニング!)といったコミカルさも見逃せない。
   2020年7月6日6:59

 以下キーワードを抜き出しつつ補足します。なお、今回は進行順の並び替えはせず、感想ツイートに書いてある順に追っていきます。


>度肝を抜かれてわりと茫然。

 これは第10話全体に対する感想なのですが、いくつか注目点を上げますと、変身が及ぼす認識への影響範囲みなとの過去最後にみなとがすばるに掛けた言葉、があります。
 そのまま書くとこの項目が長くなってしまいますので、上記の部分をそれぞれ1項目ずつに分けて書いていきます。


変身が及ぼす認識への影響範囲

 第9話までは、すばる(達)は魔法使いにみなとは謎の少年(角マント)に変身した姿だとお互いがわからないらしい、とほのめかす程度に描かれてきました。
 このことが明確な事実として、描かれるのが第10話アバンです。

 魔法使いに変身したすばるとみなとを鉢合わせさせて、すばるに気付かないままみなとが変身するという展開は、「本当にわからない」というダメ押しが入った感じでした。

 さらに、その事をすばるがあおい達に話すことで、事実としての重みが出ていました。当時の感想ツイートにあるいつきの「花壇の君」という言葉は、このとき発せられたものです。
 すばるの話を聞いたあおいは、「すばるの純情を利用したってことか!?」と怒って合体ドライブシャフトでの追跡役を引き受けようとします。しかし、「私が行きたい」というすばるの強い決意を聞いて、それ以上は反対せずに送り出します。

 ここで、すごいなと思うのは一度は「みなとはすばるが魔法使いだと知っていて近付いた」と早合点したことへのフォローが全くないのに、すばるの話し方や態度からあおいが自ら早合点に気付いたとわかるところです。
 いつき、ひかる、ななこもすばるの意思を尊重したいという気持ちは表れていましたが、あおいはすばるとの距離が近くそれだけ大切に思っていることが伝わって来るシーンです。


みなとの過去

 第10話での一番の驚きは、みなとの過去に関わる部分でした。

 まず、視聴当時は第9話で描かれていたすばるの思い出がそのまま過去の出来事だと思っていたため、みなとの病状についての予測が甘かったことがあります。
 思い出が誰の主観によるもので、その主観はどういう認識によって成り立っているのか、という捉え方ができていなかったことに気付かされたからでもあります。

 そのため、第10話Bパートでみなとが現実を見るシーンは、完全に不意を突かれました。

 魔法少年みなとは、夜の間に少しだけ動き回るという印象があったので、元の体に無理のない範囲があの程度なのかな、と考えていたからです。
 最初の段階でみなとが病室の窓から入ってきたエルナトを知覚できなければ、2人の出会いは成立しないだろうと無意識に思い込んでいたこともあります。

幼いみなと「それ何?」
飛行服姿の少年「!?(ぎくっと驚く)」
幼いみなと「それ、何?」
飛行服姿の少年「君……僕が見えるのかい?」
幼いみなと「うん」
飛行服姿の少年「君くらい成長した人間にしては珍しいな。君はまだ心に星を宿しているってことだね」
 
   『放課後のプレアデス』第10話 キラキラな夜

 ここでの「見える」は目で見る(知覚する)という意味ではなくて、相手の存在を認識するという意味になり、この前後で描かれる病室で過ごしている様子は言わば心象風景のようなものになるからです。
 言い換えると、みなと自身はもとより看護師や病室の様子も含めて、宇宙人(エルナト)と接するために形作られた仮初めの存在だと言うことです。
 これは、後述するみなとの魔法が解けた時点で、彼が病室で昏睡している自分の姿を見るとき、エルナトが告げた言葉から明らかになります。
 その唯一の例外がすばるです。

幼いみなと「うわあ……。あれ何?」
エルナト「あれがエンジンのカケラ」
幼いみなと「あれが!」
エルナト「あれには僕達の運命だって変えられるくらいの力があるんだ。いまの僕達じゃとても手が届かないけどね」
幼いみなと「……あれがあれば、あの子の願いも叶えてあげられるんだ」
エルナト「あの子? あ! どうする気だ!?」
幼いみなと「捕まえるんだ! いまの僕ならできる!」
エルナト「よせ! あの力を個人の願いのために使うつもりか!?」
幼いみなと「エルナトだって本当はあれが必要なんでしょ? キラキラだってこんなに集まったんだし、きっと大丈夫だよ」
エルナト「みなと!」
 
   『放課後のプレアデス』第10話 キラキラな夜

 すばるに関しては後述しますが、このシーンでエルナトが「あの子って誰?」みたいな反応をしていて、昼間にみなとが会っていたすばるのことを知らないのことがわかります。
 第9話のすばるの思い出が、形はどうあれ過去に実際あったことだと示されるのですが、エンジンのカケラを追いかけたみなとの試みは無謀で(恐らくですが)魔法の限界を超えてしまいます。

幼いみなと「これ、僕だ……」
エルナト「そうか。君は気付いていなかったのか」
幼いみなと「どういうこと……。一体いつから僕は?」
エルナト「はじめて僕らが出会ったときからずっとさ」
幼いみなと「じゃあ、看護師さんは? 家で待ってる父さんや母さんは? ……あの、女の子は?」
エルナト(黙って首を振る)
幼いみなと「でも、また君と一緒にキラキラを集めれば良いよね。そうすれば──」
エルナト「もう、ダメなんだ……。君に掛かっていた魔法は解けてしまった」
幼いみなと「そんな……」
 
   『放課後のプレアデス』第10話 キラキラな夜

 同じ魔法(変身)でも、現実のみなとは生命維持装置に繋がれて昏睡しているため、すばる達の変身とは前提から違います。

 みなとが自分が昏睡状態にあることに気付いていなかった(肉体の状態を把握していなかった)ことから、エルナトの言った魔法は意識だけ分離して動ける状態にしたと考えるのが妥当だと思います。
 特定の個人(この場合はみなと)に、「我は我である」という自我と「私と貴方」という最低限の自己と他者の境界があれば肉体の状態に関わらず存在できるとしたらの話ですが。
 いっそのこと魂と書いた方が良いのかもしれません。

 ここで、エルナトが「出会ったときからずっとさ」と言ったことで、前提がひっくり返りました。

 みなとの「じゃあ、看護師さんは?(中略)あの女の子は?」という問いに対して、エルナトは「僕は知らない」という風に首を振るのですが、みなとは彼の方を見ていないので否定のニュアンスが含まれる息遣いしか聞いておらず、自分の記憶が全てなかったことなのだと受け取ってしまいます。

 2人のすれ違い(「どうせ君も幻なんだろう!」)が生じたのは、自分が初めて抱いた希望(自分の存在を認めてくれる人間)=すばるの存在さえも幻だったと思い込んでしまったからなので、みなとの孤独が深まる要因にもなっています。


最後にみなとがすばるに掛けた言葉

 第10話は、新たな要素が出て来ることもありますが、物の見方という観点から想定が覆されたことが大きいです。
 そうした意味では、みなとがすばるに掛けた言葉には驚きました。

みなと「希望が僕を苦しめるんだ。何一つ希望がなければ、こんな辛さを感じることはなかったかもしれない」
すばる「みなと君……」
みなと「君だって僕と同じ……自分を呪ってる」
すばる「え?」
みなと「心のどこかで君は、このままカケラ集めが終わらなければいい、と本当はそう願っているんじゃないのか? それが、君自身への呪いだ」
 
   『放課後のプレアデス』第10話 キラキラな夜

 あ、それを作中で言ってしまうのか、すごい! みたいな驚きです。
 すばる(達)にとっては、カケラ集めが魔法使いとして活動する動機であり、これは物語そのものの動機でもあるためです。
 同時にすばるの本心が問われるところでもあると思います。


>各々の過去という異なる点から(中略)一点に収束する

 これは流星雨(宇宙船の事故)のことです。

 幼いすばる達と同じように幼いみなとも病室の窓から流星雨を見ていて、エルナト=会長(宇宙人)の方は見られる側として、同じ過去から現在に至ります。

 6人の思い出(記憶)に共通する流星雨は、第6話で会長が話した7年前の出来事と重なっていましたが、この第10話で流星雨が宇宙船だとエルナトから語られたことで全ての過去が繋がります。
 複数の運命線が重なり合っている世界でも、宇宙人が地球に漂着するきっかけとなった過去は同じ、という意味でもあります。

 このややこしさがSFらしいところで、「では、どこからどこまでが同じ時間軸なの?」という問いに対しての明確な答えを示さず、視聴者の想像にゆだねる作りがジュブナイルらしいところだと思います。


>「君には僕がどんな風に見えているだい?」

飛行服の少年「で、君には僕がどんな風に見えているんだい?」
幼いみなと「どんなって……。僕と同じくらいの男の子?」
 
   『放課後のプレアデス』第10話 キラキラな夜

 これは第8話でのななこと会長の出会いにもある言葉ですが、裏を返せば宇宙人は「好きなように見て良い」と言っているわけですね。

 この宇宙人にとって姿形はあまり重要ではなく、地球人が存在を認識するために必要な形として「どんな風に見えているんだい?」と選択肢をゆだねているのだと思います。


>「変わりたい」という願いといまの自分を否定するのは違う

 第1話~第9話までの間にすばる達は何度か「変わりたい」と言っていましたが、過去の出来事への後悔は含んでいたりいまの自分を肯定できなかったりしても、その先にあるのは「進みたい」という前向きな気持ちでした。

 幼いみなとが病室で眠っている自分を目の当たりにして、いまの自分が見聞きしていることは全て幻であり、幼いすばると出会ったことさえも幻だと思い込んで絶望したとき、『放課後のプレアデス』において初めて「(過去を)やり直す」という言葉が出てきます。

幼いみなと「この世界に可能性がないなら、過去からもう一度可能性を選び直せばいいんだ」
エルナト「ダメだ! エンジンは未来へ向かうためのものだ。いまの自分を否定すれば魔法は呪いに変わってしまう!」
 
   『放課後のプレアデス』第10話 キラキラな夜

 エルナトが「自分を否定するな」と制止したのは、過去を変えてしまうと現在に至るまでの過程も変わってしまうので、いまのみなとが存在しないことになってしまうからです。

 また、エンジンの力を正しく使う(正常に作動させる)条件として、出発点を定めることがあるのかもしれません。魔法が呪いに変わるという歪んだ力の表れ方は、本来前へ働く力を強引に後ろへ振り向けようとした結果とも見ることができると思います。


>すばるが漏らす「変われてない」は「成長してない」

 これは当時の自分の決めつけだと思います。

 第10話のラストは、みなとに「このままカケラ集めが終わらなければいい、と本当はそう願っているんじゃないのか?」と言われたこともありますが、なによりそのみなとが消えてしまうことがすばるにとってはショックなはずだからです。

すばる「みなと君はいつも私を助けてくれたよ。一緒に星を見るって約束もしてくれた」
みなと「何をしている?」
すばる「私を見て。私、すばるだよ」
みなと「やめろ! こんなところで変身を解くなんて、死にたいのか!?」
すばる「みんな覚えてる。忘れてなんかいない。私も魔法使いだから!」
みなと「やめろ」
すばる「二人で遠くの宇宙に行って、綺麗な星空を一緒に見て、たくさん話をしたことだって! それに……」
みなと「やめてくれ!」
  
   『放課後のプレアデス』第10話 キラキラな夜

 宇宙空間で変身を解くことで自分がすばるだとわかってもらえた(認めさせた)のに、みなとは活性化したエンジンのカケラに貫かれて消えてしまったからです。

 消える間際にみなとが残した言葉は「君だって僕と同じ……自分を呪ってる(カケラ集めが終わらなければ良いと思っている)」という頑なな自己否定の意思で、結局その呪縛からは解放することができなかったからです。

すばる「ダメだ。私……なにも変われてない」
 
   『放課後のプレアデス』第10話 キラキラな夜

 すばるの見方(気持ちあるいは思い)を想像するなら、かつてのあおいと同じようにみなとと一緒に進む道を歩くことができなくなった、という感じだと思います。


>ハレー彗星

 病室で昏睡する自分を見て絶望したみなとが、「自分を呪うな」と止めるエルナトを振り払って、エンジンのカケラを追いかけるシーンです。

 黒いもやもやに包まれるみなとの姿からハレー彗星を連想したのですが、ハレー彗星追跡衛星(探査機)と合体ドライブシャフトで追いかけるすばるとのこじつけは無理があると思います。数も間違っていますし。

 ともあれ、この記述について簡単に補足します。

 ハレー彗星は76年周期で地球に接近する巨大なほうき星で、人類の歴史において29回の観測記録が残されています。
 1986年はそのハレー彗星が地球に接近した年です。
 この4年前の1981年、当時の世界は冷戦まっただ中でしたが、そうした対立を越えて世界各国の科学者がイタリアのハドヴァ大学に集まり、ハレー彗星探査のための科学会議が開かれました。
 これによってハレー彗星の共同探査計画が立案され、アメリカ、ソ連、ヨーロッパ、日本の各国が探査を分担すりことになります。 
 4陣営6機の内訳は、アメリカ(NASA)のICE、ソ連のベガ1号、2号、欧州宇宙機関(ESA)のジオット、そして日本(NASDA)のすいせいとさきがけです。


二人のみなと

 これは『放課後のプレアデス』における言わばパンドラの箱だと思うのですが、ここまであれこれ書いた上で触れないのは中途半端かと思いましたので、当時考えていたことを補強する形で書きます。
 ちなみに、『みなとの星宙』はまだ読んでいないので、アニメ本編から私が想像した考えです。

 まず、第1話~第6話までは、すばるが学校の中で迷い込む温室にいるみなとと、魔法使いに変身してカケラ集めをしていると表れる謎の少年が別個の存在として描かれています。
 第10話で昏睡状態の自分を見た幼いみなとがその現実を受け容れられず(否定して)エンジンのカケラを追いかける際、見ている方からすると唐突にもう1人のみなとが表れます。

みなと(OFF)「自分自身を呪った僕の強い感情は暗い星となって、意識は次第にぼやけ、闇に飲まれるように途絶えた」
みなと(OFF)「そしてもう一方の僕は、病室にいくつか残された可能性の結晶とともに眠りについた」
  
   『放課後のプレアデス』第10話 キラキラな夜

 本編からわかるのは「自分自身を呪った僕」が現在の謎の少年で、「もう一方の僕」が温室にいるみなと(温室のみなと)になったということです。

 ここで時間を過去に限定して見てみます。

 すると、「自分自身を呪った僕」は魔法少年みなとで、「もう一方の僕」は入院している幼いみなと、という対の構造が浮かび上がってきます。

 魔法少年みなとは、エルナトと一緒に行動する上で(宇宙人にとって)都合がいい姿とも見ることができます。言い換えれば、エルナト側の認識によって生み出された存在が魔法少年みなとであり、その延長線上にあるのが「自分自身を呪った僕」です。

 同じように、入院している幼いみなとは、入院患者として認識されていたみなとと見ることができ、そのみなとと会っていたのは幼いすばるです。

 第10話のみなと主観の思い出では、幼いみなとが病室のベッドの上でキラキラを見ているところに幼いすばるが迷い込んできます(扉を開ける)。
 一方、第9話のすばるの思い出では、みなとはホームプラネタリウムの機械で星を見ていました。その見え方が幼いすばるにとって自然だったからでしょう。
 この主観の交差によって生み出されたのが、入院している幼いみなとです。

エルナト「どうした?」
幼いみなと「誰か見てる」
エルナト「まさか。僕達のことは誰にも見えないよ」
 
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みなと(OFF)「そんなある日のこと。僕の小さな宇宙に、君が現れたんだ」
 
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みなと(OFF)「その子は母親のお見舞いに病院に来て、迷ってしまったらしい」
 
幼いすばる「昨夜流れ星にお願いしたの。『お母さんが早く良くなりますように』って」
幼いみなと「!?(驚く)」
幼いすばる「綺麗な流れ星だったのに……お父さんは『そんなのなかった』って言うんだよ」
幼いみなと「あれ君だったんだ」
幼いすばる「え?」
幼いみなと「その流れ星って僕のことだよ」
 
   『放課後のプレアデス』第10話 キラキラな夜

 幼いすばるの認識によって生み出された存在が、入院している幼いみなとであるとも言えます。

 この入院している幼いみなとは、エルナト=宇宙人の認識の外側にいる存在ですので、みなとが病室で昏睡している現在の自分を否定して再び変身した際に切り離され残ってしまったのだと思います。
 入院しているみなとは、病室にいることが前提ですから。
 これは、温室のみなとが「僕はここから出られない」と言っていたこととも繋がります。病室という場所と関連付けて存在しているからです。

 こうしてみなとは、宇宙人の認識によって存在する謎の少年と、すばるの認識によって存在する温室のみなとになったのだと思います。

 また、誰かの認識によって存在が確定するあり方は、エルナト=会長達宇宙人のあり方のようです。
 実際、エルナトはみなとに存在を否定された(「どうせ君だって幻なんだろう!」)ことによりその姿を失ってしまいました。
 その後、ななこと出会うまで医師に封じ込められた(眠りについていた?)状態だったのは、みなとの存在否定が宇宙人のあり方に干渉するほど強かったのだと思います。


 第10話は新しい要素が多く、構造が複雑なので本編からの引用が多めになりました。
 実際に書いてみますと、当時の自分があえて明確な言葉にしなかったことを思い出してきて、Blu-rayを見ながらリアルタイムで見たときの感覚を辿る形でまとめました。

 次回は第11話、霜月祭です。


 つづく。


参考文献
『放課後のプレアデス アートワークス』一迅社
しきしまふげん『現代萌衛星図鑑2』三才ブックス


※今回のヘッダー画像は、Mitaka(Ver.1.6.0b)で描画した2015年10月27日の東の空に登るおうし座です。
 中央の赤い星がアルデバラン、その左にある明るい星がエルナト、上にある星の集まりがプレアデス星団(すばる)です。


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