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モーツァルト K.563、こんないい曲持ってたの!?

ある日、突然訪れた驚き
「えっ、こんないい曲持ってたんだ!?知らなかった」から始まるエピソードをご紹介させていただきます

ある天気のよい休日の日中のこと。モーツァルトの曲で普段聴かないような曲、知らない曲がなにかあったら聴いてみたいなと思いたち、

モーツァルトのCDが置いてあるあたりの棚をごそごそと探してみる。うちには市販のCDの他に、図書館で借りるなどして私的利用のためコピーしたものもあり、そんなものの中には、長い間聴かずに存在を忘れているものもあったりします

そんな覚えのないCDを一つ、これどんな曲かな?と思いつつかけてみてびっくりした🫢

それが冒頭の「えっ、こんないい曲持ってたんだ!?」になりました

その曲は、トリオ・ツィンマーマンの演奏するモーツァルトのディヴェルティメント K.563でした

ディヴェルティメントでありながら、オーケストラではなく、ピアノ、ヴィオラ、チェロの弦楽三重奏の曲というのは意外だった

それにしてもこの演奏の素晴らしいことといったら、部屋の中が優雅な空気感に満たされて、心は軽やかな気分になってきました


フランク・ペーター・ツィンマーマン(vn)、アントワン・タメスティ(va)と、クリスチャン・ポルテラ(vc)の3人のトリオなのか。私は一人も知らないな

その日は何度かこの曲を繰り返して聴き、新発見もあって幸せな気分とともに終わり。その後、何日か続けて聴いているうちに、コピーではなく、ちゃんとしたCDを買いたいなという気持ちになりました

調べてみると、このトリオによるバリエーションに富んだ5枚組のCDが出ていて、ディヴェルティメント K.563も入っているものがありました。モーツァルト以外に、シューベルト、バッハ、ベートーヴェンの曲が入っていて、盛りだくさんの内容に思わず「これ、欲しいな」とつぶやきが出る

バッハのゴルトベルクに弦楽三重奏版なんてあったかな?  いや、ない。これはトリオ・ツィンマーマンによる編曲版だ。聴いてみると、ピアノ独奏でこれまで聴き通せたことがなかった私には、こちらの方が好きかもしれないという感触があった

他の曲はどれもまだ聴いたことのないものばかりで、嬉しい出会いになりそうな予感がします(^-^)

そして決断までしばしの日にちが過ぎたのち、無事にその5枚組ボックスを手に入れました

ベートーヴェンは初期の頃の作品が5曲(Op.3, 8, 9-1〜3)入っている。中でも作品9は独特の味わいがあってくせになりそうな曲で好きです

ヒンデミットとシェーンベルクまで入っているけれど、これは私の美的守備範囲外なので、鑑賞するのはちょっと難しい(汗)

それ以外の4枚でも充分以上に楽しめる内容で、嬉しくなりました(^-^)

このトリオ結成の経緯を読むと、ヴァイオリンのツィンマーマンが、ヴィオラのタメスティの演奏に惚れ込んで、一緒にやりたいと頼み込んだところから始まったとのことです

私が知っていたヴィオリストは、今井信子さんただ一人で、これまであえて注目したことのなかった楽器でした。そんな風にツィンマーマンが惚れ込んだのだと聞くと、どんな演奏家なのだろうと興味が湧いて、生でタメスティを聴きたくなってしまいます

するとどうでしょう、
偶然にもその翌月に、アントワン・タメスティの来日公演が紀尾井ホールであることが分かったのです!  正確にはヴィオラの祭典(ヴィオラスペース)へ出演者の一人として予定されていました

これは聴きに行かない手はないとばかり、はやる気持ちをおさえつつ、早速チケットを手に入れて、2023年6月紀尾井町へと向かいました♪

演奏会には、このイベント発足に関わったという今井信子氏も参加され、初めてその演奏に生で触れる機会になるとともに、ヴィオラを心ゆくまで満喫できるユニークなひとときとなりました

タメスティ氏は2023年までの10年間、ヴィオラスペースでプログラム決定を取り仕切っていらしたご様子です。演奏はと言いますと、タメスティの演奏機会がかなり少ないプログラムになっており、その演奏について直接知る機会とまではならなかった印象です

その点、期待通りにはならず残念ではありましたが、また次に聴くチャンスがあればよいなと思い、そのときを心待ちにします

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