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国際相続の相談を受けた時に必要な情報とは?


■依頼を受けた時の流れ

通常の相続の場合、皆様以下の情報を伺うかと思います。

・被相続人のお名前/住所/本籍
・いつ/どこで亡くなったか
・家族構成(相続人が誰なのか)
・財産は何があるのか
・遺言書の有無

国際相続の場合には、少しヒアリング事項も異なってきます。
国際相続におけるヒアリング事項は以下の通りです。

《国際相続で必ず確認する事項》

・被相続人の国籍
・被相続人が主に生活をしていた場所/国
 ※『ドミサイル』と呼ばれています
⇒今では複数に居住地があることは珍しくないですが、
 ここでは「最終的に戻ってくる意思のある場所」を指します。
・いつ/どこで亡くなったか
・財産は何があるのか
・遺言の有無/形式
相続人の国籍と住所

国際相続の場合は、
上記の情報次第でどこの国の法律が適用となるのかが変わってきます。
どの法律を適用するか、相続人が誰になるか等を調査することを
【準拠法の調査】と言います。

■依頼を受けた時の流れ 例)イスラム教の国(インドネシア/トルコ等)


被相続人がイスラム教の方である場合、
相続法はイスラム教の法典『コーラン』に基づきます。

被相続人がどのような宗派を信心していたかによって、
相続の形態が異なってくるということです。

またイスラム教の法律はほとんどがアラビア語で記載されており、
文献も非常に少ないため、調査に多大な労力を要します。

イスラム教では配偶者が複数いたり、子供が多くいる可能性もあるため、
誰が相続人になるのかは現地の法律家に相談しないと正確な答えにたどり着けない可能性が高いです。

余談ですが、イスラム教では「成人の年齢」が定められていません。
日本では成人は18歳となっていますが、
イスラム教では「一族の長が認めたら成人」とされています。
日本の常識では計り知れないような規則が多く存在するのです。

■依頼を受けた時の流れ 例)韓国


韓国は日本に近い分、法律も非常に似ていますが、相続分に違いがありますのでご紹介します。

《相続分の違い》

①韓国は被相続人に配偶者がいる場合、子供がいる/いないに関わらず、被相続人の兄弟姉妹に相続権はありません。
(日本の民法では、子がいない場合は親→兄弟姉妹と相続権が移りますね。)

②親の相続を子が放棄した場合、相続権が孫に移行します。
(日本では相続放棄した場合、相続人ではなかったとみなされ、次の順位の相続人へ権利が移ります。)

似ているようで、かなり違う韓国の相続ルール。
ひとまず日本とは「違う」ということだけでも抑えておいて頂ければと思います。

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最後までお読みいただきありがとうございました!

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