Home Grown／Sound Terrorist

前回紹介したStone Rosesの曲で、彼らが対峙したBadman(クソ野郎)とは、「目的のために手段をえらばない」精神そのものでした。今回の曲は、一切のオブラートにくるまず、はっきりとBadmanを名足しちゃった、気骨ある曲です。

"貿易センタービルに突っ込んだアルカイダはテロリスト    イラクにトマホーク・ミサイル落としたアメリカもテロリスト    邪魔な奴はどんな手を使っても消すのが奴らの方法
関係ない人が犠牲になっても通す自分の欲望“

“そういう世の中変えたいと思ってる俺らもテロリスト　俺らのテロは血を流さない　ただミュージックを流すだけ”

ところで、“Home Grown”という単語は、まさにテロリストの文脈で、後年、世界に広く知られるところとなりました。

例えば2013年のボストンマラソン爆破事件の主犯は、米国で生まれ育ったにも関わらず、外国のテロリズムの思想に感化され犯行に至ったのですが、こういった「テロ思想発祥国」ではなく「テロが起こった国」の中で育ったテロリストのことを“Home Grown Terrorist”と呼称するとのこと。なんという皮肉でしょうか・・・！

こうしたテロリストの多くは、単独で行動するローンウルフ。この曲のリリースの数年後、少なからず顕在化した社会の断絶等を背景に、目立つようになりました。

“後からきた人は　がんばっても　むくえないゲームの進行”

“そういう世の中変えたいと思ってる俺らもテロリスト　俺らのテロは銃放たない　ただ心を放つだけ”

この曲の歌詞は、そんな世相を予見していたようにも見えます。

https://www.amazon.co.jp/Grown-Up-Home/dp/B00009SES1