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答えは、フレンチキスを投げる事/Stone Roses/Bye Bye Badman

アートワークに出てくるレモンは、パリの5月革命(1986年)を意識したもの。大学生が、自治や自由権を求め、当時のドゴール政権と戦った。飛び交う催涙弾の煙から目を守るために使われていたのが、レモンの果汁なのだとか。

この曲の歌詞は、まさに5月革命が触媒になっています。冒頭からしてそう。

“Choke me, smoke the air  In this citrus-sucking sunshine, I don’t care.”(喉が詰まりそうだぜ。煙幕とレモン臭でにじむ空)

そして迎えるサビは、きわめて激しい内容。

“I’m throwing stones at you, man / I’m gonna make you bleed.Bye Bye Badman, Bye Bye”
(石を投げつけてやる。血を流してやる。とっとと膝から崩れ落ちな。あばよ、Badman)

さて、このBadmanとはいったい何者か。当時のパリの学生たちが倒そうとした権威(すなわち当時のロックの仮想敵か。最後の最後に、鮮やかな逆転が訪れます。

“I’ve got bad intentions, I intended to knock you down. These stones I throw, Oh these French kisses  Are the only way I’ve found…
(悪い衝動にかられちまった。あんたを打ちのめすっていう。石を投げる……うん、俺が見つけた最高のやり方は、そう、フレンチ・キスを投げるってことなんだ)

そう、Badmanとは、自分自身を含め、誰しもに巣くう、「目的のために手段を問わない」乱暴な考え方を指す、というのが、僕の個人的な解釈です。
実に時代や地域を超えたテーマであり、サウンドも含め、エバーグリーンな内容だと思います。




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