見出し画像

横浜F・マリノスが10年後にJリーグのトップクラブであるために

横浜F・マリノスの2021/2022シーズンの売上割合をデロイトの分析区分に分けてみると、
入場料収入=入場料収入
放映権収入=Jリーグ分配金
商業収入    =スポンサー収入、物販収入、その他収入(移籍金収入が主と想定)※移籍金収入はデロイトの収入に入っていない可能性あり

入場料収入=10億(16%)
放映権収入=10億(16%)
商業収入    =43億(68%)

下記は、世界売上トップ20の売上内訳平均推移(2022シーズン=2021/2022シーズン)だが、2020シーズン・2021シーズンはコロナの影響ありで、2022シーズンは詳細が見つからなかったので、2022シーズンとほぼ同じ金額の2019シーズンで中身をみてみる

Matchday=入場料収入(チケット収入、法人年間契約席を含む)
Broadcast=放映権収入(国内リーグ、各種カップ戦、欧州選手権出場からの分配金を含む)
Commercial=商業収入(スポンサー収入、グッズ販売等マーチャンダイジング収入、スタジアムツアー、その他のスポンサー業務からもたらされる収入を含む)

2018/2019シーズンの世界トップ20クラブの売上収入の割合は、
・入場料収入  16%
・放映権収入  44%
・商業収入      40%

しかし、5順位ごとに1グループとして内訳を表したのが下記

ランキングが下がるほど放映権収入の割合が増加している。これは、リーグのトップクラブがそのリーグの人気を上げ、放映権料を増加させ、下位のチームにもその恩恵がきている証明ではないか。そのため、1~5位のチームの売上割合を参考にする。

1-5位グループの割合は、
入場料収入=18%
放映権収入=33%
商業収入 =49%

Jリーグが掲げる10年後の目指すべき姿でいう売上200億円を上記の割合で計算した結果(①)、2021/2022実績(②)、不足額(③)

       ①  ②  ③
入場料収入=36億    10億    26億
放映権収入=66億    11億     55億
商業収入 =98億  43億     55億

もちろん、64億の売上から200億を目指すのだから3項目とも不足している。
 入場料収入は、単価の増加と観客の増加が必要。円安の影響もあるが、プレミアリーグのチケットをみるとざっと倍ぐらいはするので、今後チケット料金は年々増加の傾向になるかもしれない。心構えをしておいた方がいいかもしれないし、今にないようなプレミアな席が用意される可能性もある。観客数については、世界のトップは平均7-8万人、Jリーグが目標にしているベンフィカクラスのクラブは平均5万人ぐらい。横浜F・マリノスは平均2万5千人ぐらいなのでこちらも今よりも倍は必要となる。話は少しそれるがもし専用スタジアムをつくるなら5万人というのが1つの目安になる。
 放映権収入は、リーグでいうとイングランドが1番多く年間約5,000億円、5番目のフランスで約1,000億円。JリーグはDAZNと10年で約2,000億円なので、年間約200億円。5倍の年間1,000億円にはしていければ不足額にも届く計算になる。
ACLやクラブW杯での賞金も含まれるとすると、結果を残しJリーグ、カップ戦、ACL、クラブW杯で結果を残して獲得していかなければならない。ちなみに来年から始まるACLエリートの優勝賞金は1,200万ドル(150円換算で18億円)。今後のクラブW杯は出場するだけで最低でも40億円は保証されているといわれている。2024/2025のクラブW杯のアジア枠は2021年優勝のアルヒラル、2022浦和と2枠埋まっているため、今年のACLと来年のACLのどちらかで優勝することは必須条件。
 商業収入は、スポンサー、物販、移籍金収入が主になるとおもうが、スポンサー料の世界のトップは年間50~100万ドル。数が多いというよりは胸スポンサーがいくらかによる部分が大きいと思われる。そのため横浜F・マリノスにとっては日産になるわけだが、業績も回復してきた日産には是非とも今後頑張ってもらいたいし、日産の社会人野球チームの復活は、日本のスポーツ文化の発展に少しでも寄与することも目的といっているので、横浜F・マリノスにとってもいいニュース。野球とサッカーを連携させて地域貢献も進めたいと公言しているので、今年のスポンサー収入は結構期待しているし、シーズンオフの大物加入があった場合は日産マネーが動いているかもしれない。

日産の最終利益推移

日産はコロナ禍の業績悪化から復活してきてるし2023年度は2022年度をはるかに上回る利益を2Qまでにたたき出している。
 移籍金収入についてもこの年はチアゴや前田大然等の移籍金収入があったため多くみえるが、最終的にはチームの代表格の選手の移籍は2桁億円での売却が望ましい。

以上のことから10年後にJリーグのトップクラブとして世界と戦うクラブになるために、

1.胸スポンサー料のUP
 ⇒スポンサー料総額50億
2.チケット代のUP&観客数UP
 ⇒チケット代1.5~2倍&平均観客数5万人
3.賞金の獲得
 ⇒ACLエリートで4年に1度は優勝(クラブW杯の出場権獲得)
 ⇒クラブW杯でベスト8以上
4.物販収入UP
 ⇒物販収入の倍増
5.移籍金収入UP
 ⇒チームの代表格の選手の移籍は2桁億円

今のJリーグから公表される決算項目の数値でみると下記の通り。

※Jリーグの集計だとリーグ以外の賞金はその他収入になると思うが、10年後の項目ではJリーグ配分金(放映権料)に含まれると思う。

また、Jリーグから日本代表選手を8名程を目標にしているので、クラブには複数名の日本代表選手が所属していることが目標となる。
もろもろの答え合わせは10年後!
以上。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?