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【救急疾患を知ろう】 尿路結石

いつも見に来てくれてありがとうございます!
初めての人は、はじめまして!救急医のかたかたです🚑
日々活用できる、知ってて自慢できる救急の知識を提供しています👊🏻

今回は尿路結石🪨
「なんじゃそれ」という人もいれば、「名前も聞きたくない!」という人もいるのではないでしょうか?
私はなったことはないですが、救急車で運ばれた方を診たり、なった人の話を聞いたりしていると恐ろしいものであることは安易に想像がつきます。
尿路結石を知らない人には予防知識として、知っている方には知識+救急対応について説明していきます!
それではいきましょう!

要約

尿路結石はさまざまな生活習慣や遺伝的要素により生じやすい。
痛みが出ている時は痛み止めと飲水(+薬)で対応!
痛すぎて何度も救急車を呼びたくなるが、診断がついているなら自宅安静を勧める。
熱発は例外!


尿路結石とは

尿路結石とは腎臓や尿管(腎臓と膀胱を結ぶ管)に石ができることです🪨
それぞれ腎結石、尿管結石といい、総じて尿路結石と言います。
70歳までに男性の19%、女性の9%が診断されると言われています。
通常、結石はそのまま有痛・無痛で尿と共に膀胱へ排出されます。
え、石はなんでできるん?と思いますよね😂
原因はさまざまですが、大きくまとめて2つあります。以下をご覧ください。

  • 対応可能な原因
    食生活(糖入りの飲み物、多量のほうれん草、動物性タンパク質など)
    肥満
    薬剤やサプリメント(ビタミンCやD・カルシウムの過剰摂取※)
     ※カルシウムの摂取自体は問題なく、ビタミンDとの組み合わせによる

  • 対応不可能な原因
    家族歴、遺伝(完全な証明はされていませんが、リスクが増加)
    病気により引き起こされるもの(痛風、高血圧、糖尿病など)
    労働、生活環境(温暖な気候、忙しくて水分がとれない)

石の成分であるカルシウムや尿酸、シュウ酸が蓄積されると起こりやすいです。
尿路結石を知っていた方は意外に思われるかもしれませんが、コーヒーはリスクにはなりません。むしろリスクを減らすといわれています。
また、リスクになりそうなビールもリスクを多少減らすと言われています。しかし、痛風は結石のリスクのため、飲み過ぎには注意です⚠️


症状

腎結石だけで痛みがある人は見たことありません、痛みを感じないと言ってもかもしれません。
問題は尿管結石です…。

主な症状は痛みです。
腎臓は両側にありますが、尿管結石が同時に両側に出ることは非常に稀なので、左右の片側に症状が出ます
痛みの部位はさまざまですが、多いのは腰痛や横っ腹の痛みで陰部に痛みが波及することもあります。
痛みは10〜30分で波がある間欠的なものが特徴です。
また、血尿や吐き気・嘔吐も頻度が多いです。
ただ文章で痛みが出るとしか書いていませんが、悶絶するほどの痛みです。
前に外国人が運ばれた時、オーマイg…って感じで声も出せないほどの痛みを表していました。


治療、対応

おそらく動けないので、みなさんまずは救急車をよばれるでしょう。
ただ、残念なことに急性期(痛みが出てすぐ〜数日の痛みがある時)は痛みのコントロールと水分摂取以外にできることはありません。
サイズが大きすぎると、泌尿器科の対応が必要なケースもあります。
搬送や受診をされても上記や例外を除いて入院することはほとんどありません。
保険適用外使用として他の薬剤もありますが割愛します。また、安定期に石を破砕することもできますが、こちらも割愛します。

ここでお伝えしたいことは、一度尿管結石と診断されて帰宅しても、石が出るまでは痛みはまた必ずきます
これに耐えきれず救急車を何度も呼ぶ人がいますが、例外を除いて対応は変わりません。病院によったら受け入れを断られるケースもあるでしょう。
自宅での安静を支持します
さっきから例外ってなんやねん、そうですよね。例外とは熱発した時です。
尿管結石により尿の排泄が滞り、そこで感染することもあります。その時は泌尿器科による対応をしないと感染症により死の危険もでてきます。
熱発した場合は再受診・搬送をお願いします。


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おかげでもっと良い記事を書けるかもしれません🧐
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