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貧乳にコンプレックスがないのはおかしいのか?

女性の皆さん自分のお胸に満足していますか?
サイズ関係なく不満な人が多いそうですが、特に慎ましやかな方は不満が多いそうですね。
私はまごうことなき貧乳なのですが不満に思ったことはありません。
男性的もしくは中性的なファッションが好みなわけではなく、むしろ服はフェミニンなデザインが好きです。

10代のときに感じた違和感

二次性徴を迎えると「格差」が出てきますよね。
特に胸は目立ち方が顕著なので各々悩みます。
そんな中で「胸を大きくしたい」という女子は多く、それ自体は自由意志なので「そうなんだ」で終わるのですが、何も言っていないのに勝手に「あなたもそうでしょ?」という態度を取られた時は戸惑いました。
だって貧乳であることにコンプレックスがないから。
でも自分以外の胸が小さい子は皆、口を揃えて自分の胸に不満があると言うので空気を読んで「そうだね」と言っていました。
もしかしたら私と同じく話を合わせていただけの子もいたかもしれませんが、今となっては真相はわかりません。
「貧乳=コンプレックスでなければならない」ことに強烈な違和感がありました。

下着に持つ不満が周囲と違う

胸に限った話ではありませんが、極端に大きいor小さいと既製品にサイズ展開がなかったり、あったとしても種類や取り扱い店が少ないなどの問題が出てきます。
胸の小さい女性には常識だと思いますが、小さいサイズのブラって基本的にパッドがデフォルトで入っていたり、生地に厚みを持たせてあったりします。パッドの用途はボリュームアップだけと思われがちですが、左右差がある場合やパカパカしてしまうのを防ぐなどの補正用途もあるのです。
とはいえ小さいサイズはとにかく「盛れる」「谷間が作れる」などそういった機能を売りにした商品ばかりで「小さいけど盛りたくない」という考えは少数派なんでしょう。
私はこの「盛る機能」が余計なお世話すぎて、三角ビキニの上をブラの代用品として使用していたくらいです。
ブラをしているだけで本来の状態より自動的にボリュームアップしてしまうのが嫌で仕方なかったのです。

シンデレラバストで話題になったfeastの登場

2014年、当時大学生だったハヤカワ五味氏の提唱した「シンデレラバスト」「品乳」というワードとともに氏の立ち上げたブランド「feast」が話題になりました。

「小さいサイズの盛らないブラ」が登場したことそのものは大歓迎ですし、feastの登場によって救われた女性も多いのではないでしょうか。
しかし当時「こんなにも世の中の女性は貧乳をコンプレックスに感じていたのか」というカルチャーショックのような感情も湧きました。
誤解してほしくないのは、筆者は「巨乳がもてはやされる風潮」を否定してはいません。これは人が惹かれる要素を否定することは、その特徴を持つ人への否定に繋がりかねないという考えを持っているからです。

胸が小さいことを「誇る」まではいかなくとも「気にしていない」人がほぼいないことが浮き彫りになったのがなんだか悲しかったのです。

現状のボディポジティブは多様性を担えていない

同様にそれまでコンプレックスとされてきた身体的特徴を持つ人々が「ありのままの自分を誇ろう」という潮流として「ボディポジティブ」という物があります。
これは主にプラスサイズモデルをはじめとした、太った方がムーブメントの担い手となっています。
しかし「肥満体型を卑下しない・自分を好きでいられる」で済めばよかったはずが、対極に位置する痩せ体型への行き過ぎたヘイトを撒き散らしている人々が散見されるなどの問題点があります。
自分を認められることは大切、だけど「無理に誇ろうとしなくていい」
そして胸を大きくしたい・スリムになりたいという明確な理想を掲げている人へ反対することもまた違うと思うのです。
(ヴィクシーのショーへのヘイトとか本当に余計なお世話です)

LGBTQ・人種差別問題などもそうですが、これまで抑圧あるいは卑下されてきた属性の人々の解放と呼ばれる流れは、対極の属性を持つ人々への仕返しそれを理想とする人々への抑圧になっては意味がありません。
他者の容姿や属性へのヘイトを見過ごすことはよくないですが「他所は他所、うちはうち」といい意味で関心が薄いくらいが丁度良く、余計な反発や軋轢を生まないと思いませんか?
残念ながら今現在のボディポジティブは真の多様性を担えてはいないでしょう。

皆良くも悪くも他人に関心を持ちすぎている

筆者の場合は他人に関心がなさすぎるのでしょうが、SOSサインを出している人を見過ごさない・取り残さないことさえ出来ていれば、他人の評価を過度に気にする必要はないのではと思うのです。
それが簡単に出来ないから多くの人が思い悩むんですけどね。
筆者の「小さいサイズのブラは盛る機能ばかりでうんざりする」という気持ちと同じく、ボディポジティブを宣言する人も「プラスサイズの服は着痩せ効果ばかりでうんざりする」と考えているのかもしれません。
セミオーダー形式や小ロットになってしまう分多少割高になってもいいので、もう少し選択肢が増えないかなと思っています。

実体験残念エピソード

筆者は学生時代、ある病気の手術をした影響でしばらくバンドの付いているブラの使用が難しい時期がありました。まだ夏だったのでキャミソールでは暑く、かと言ってノーブラというわけにもいかないのでヌーブラを購入しました。当時はまだバリエーションが少なく、フルシリコンモデルを購入したのですが、これがかなり厚みがあって着用していると2カップくらい増量してしまうのです。ヌーブラ自体は締め付け感から解放されてとても楽なので使用感はいいのですが、どうしてもボリュームアップしてしまうことが難点でした。それから10年近く経過した20代後半の頃、ボリュームアップしない厚みを抑えたモデルが発売されていることを知り、正規店でそのモデルのフィッティングをしてみたいと申し出たのですが、バストの大きい方向けなので…とやんわりとお断りされてしまいました。
補足すると、筆者はバストの嵩はないのですが、バージスラインという胸の輪郭が広めで、胸の範囲自体はそこそこ広いのでせめてフィッティングくらいはしたかったのですがダメでした。今も変わらずダメなのかな…。

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