『2分間の距離』(後編)
会社で2年目になったある日、上司から僕の仕事を新人にさせて、僕は9時からの通常出社になるという達示があった。
勿論、嬉しい。しかし、おそらく騙されてこのクソ業務をさせられる新人に対して後ろめたさがないわけではない。とは言え、これも世の常と、有難く達示を受け入れることにした。
そして、最後の6時出社の日の朝、僕は最後の2分間に臨んだ。
いつも通り、スタートは僕が一番早い。
階段を上がるのも、渡り廊下を走り切るのも、きっと後ろにはギバさんが追いかけてきているはず、そして、その後ろ