バスタイム・レクイエム Part②【Miracle Fanta詩 Ⅱ 276】

「ジョウ…その…、どうなの?
ライスワイフとは
── ドミニスリヤの弟子、アダムネヴァ
「ん〜?あぁ、まぁフツーだよ。
特に可もなく不可もなくって感じかな。
いや、不可の方が多いかな。
でもそれなりにやってるよ。
アダムはどうなんだよ、
誰かいいひと、いないのかい?」
── ドミニスリヤの弟子、ホークジョウ


ふたりの若者は
夜の甲板の上で語らう


「え…いやぁ、いるけどさ…。
ぼくじゃ無理だよ…きっと」
── アダムネヴァ
「なんだぁ?やけに弱気じゃないか。
お前さ、いっつもビクビクしてるけど、根はしっかりしてんだから、もっと自信持った方が良いぜ」
── ホークジョウ
「うん…」
── アダムネヴァ
「明日はじいさんの試験だぜ。
これ突破しねぇと、この窮屈な船からは出してもらんねぇからな。
そろそろ寝ようや」
── ホークジョウ


ホークジョウは
船内の自分の部屋へ戻ろうとした


「ホークジョウ!」
── アダムネヴァ
「?!」
── ホークジョウ


アダムネヴァの聞いたことのない声量に
ホークジョウは素っ頓狂な顔を見せた


「…頑張ろうね…、明日…」
── アダムネヴァ
「お、おう…」
── ホークジョウ


船頭には
二角獣バイコーンの|《彫像》モニュメントが
夜の闇に沈んでいた



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