手甲の一撃

どよん
と聞きなれない空洞音が
電波中継の特設舞台へと
響き渡った
次の瞬間には
黒い鎧は
左手の手甲を丸めて
マグマドグマへ
迎撃を行った
マグマドグマの反応が
ほんの少しの間
遅くなった
少年の手甲は
マグマドグマの顔こそ
避けていたが
そのまま肩を覆う板に当たり
マグマドグマの肩と
彼はまるで突風でも吹いたかのように
幾寸か吹き飛んで行った
電波中継を見ていた
全ヤスメヤセン国民は
一同笑いに包まれた
マグマドグマはがくがくと
痙攣しながら起き上がると
今ので全国民の前で
大恥をかいたぞ
許さん
その時ザンパムか目を醒ました

◆ 戦利品 ─【戦下の目醒め】

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