バスタイム・レクイエム Part①【Miracle Fanta詩 Ⅱ 275】

マダムネヴァは
パックをしながら薔薇風呂に入っていた

船内は無機質な配線模様が続くが
マダム専用の浴室だけは
目の保養にうってつけだった

湯船に浸かりながら目を静かに閉じた

湯気の向こうからは
遠い昔の記憶が蘇ってくる


「おい酔いどれ!
テメェの魔法は完成したのかよ?
明日は師匠の試験だぜ?」
── ドミニスリヤの弟子、ライスワイフ
「もちろんだとも。
ぼくを誰だと思ってるんだ?
ホークジョウだぞ。
それよりアダム、きみはどうなんだ?」
── ドミニスリヤの弟子、ホークジョウ
「え?あた…、ぼくも…まぁそれなりに…」
── ドミニスリヤの弟子、アダムネヴァ


これはまだ大魔術師ドミニスリヤのもとで
修行をしていた頃
マダムがまだ
アダムネヴァだった頃の話…


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