碧い鱗の龍
ドロドロの液体から
徐々に天に伸びていくと
そのなにかは
うずくまったような
姿勢をとってから
一気に翼を広げた
ばしゃあと
液体が吹き飛び
なかから碧い鱗の龍が
姿を現した
まさかこれがアイウェオ
目はぎょろりとしているが
あの腑抜けたような
顔はもう何処にもなかった
凛と背筋を伸ばし
大きな口を開いて
辺り一面に咆哮した
衝撃波でガラス造りのものは
軒並み破壊された
照明の類は
すべてその機能を停止した
電波中継の視聴者は
一体何が起こったのか
理解できずにいた
◆ 戦利品 ─【強力な戦力】