いつかの記憶 Ⅱ
岩肌の少年の目の前には
透き通っているが確かに質量を持つ
氷の壁のようなものが聳え立っていた
たちまちそれは
四足歩行の怪物へと姿を変え
岩肌の少年を捕縛して
空中へ飛び去った
砂漠地帯の街は
何事もなかったかのように静まり返っていた
岩肌の少年は
上空へ飛ぶこの氷造りの怪物の勢いが
物凄かったため
途中で気絶してしまった
次に目を覚ました時には
見知らぬ部屋の中に居た
動こうとしても身動きは取れず
首を動かせるだけ動かしてみると
四肢は拘束されているらしかった
そして部屋には
見知らぬ人々が入って来て
岩肌の少年は注射液のようなものを投与され
再び気絶した
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