火山頭のマグマドグマ

暗号付きの扉を
難なく突破して
少年は石切場のアジトのなかへ
ずんずん歩を進めた
果たしてこんな場所に
居るんだろうか
居るとしたなら
誰かと一緒に違いない
少年はなおさら用心深く
奥へ奥へと進んでいった
暫くなかへ入って行くと
マグマの飛沫が
どこからともなく
ダンスを始めた
何処か古典的で
民族的な雰囲気を纏った踊りだ
釣られて踊りながら
進んで行くと
火山頭と小太り悪魔
それから骨皮纏いの少女の一派が
苛立ちながら
立ち尽くしていた
おまけに奥の方の
石造りの檻のなかに
アイウェオがちょこんと
鎮座していた
少年は火山頭と目が合って
踊ったままの姿勢で硬直したが
気を取り直して
戦闘態勢をとった
思念波を読み取ると
どうやらこいつは
マグマドグマという名前らしい
とっても妙チキリンな名前だ
ぼくの相棒を返してもらおうか
そいつがいないと
どうも色々困ってしまうものでね
少年は格好良く
決め台詞を放った

◆ 戦利品 ─【理想の登場シーン】

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