突然の地鳴り

ごごごごご
ラボに居た
雑草の髪の少年と
ザンパムは
激しい地鳴りを聞いた
急いで外へ出ると
見覚えのある構築物が
街を歩いているのが見えた
もしかして
あれは電波塔なのか
誰の魔法だ
関節の至るところで
赤いスライムのようなものが
はみ出ているのが見えた
まさか
マグマドグマの魔法か
街の人々は逃げ惑ったが
生憎このヤスメヤセンの街は
巨大な外壁に覆われているため
外への門が開かない限り
逃げ場などなかった
こんなところで暴れられたら
皆殺しだ
門の方へ逃げないと
一先ずザンパムと
外へ出るための
門へ向かったが
皆考えることは
ひとつしかなかった
門の前には
人だかりが出来ていた
どうやら
門は開いていないらしかった
それよりも
門すら見当たらなかった
少年たちが入ったときに
破壊したっきり
門はそのまま
埋められてしまったようだった
この街の人たちは
この街のなかだけの生活で
事足りていた
そのため
門が無くなったところで
不便であるとは
感じなかったのだ

◆ 戦利品 ─【既に過ぎ去っていた平穏】

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