異界の案内
ホームラは
暫くお茶を飲んでいたが
やがて生命機能を停止した
手に持ったティーカップは
床に落ちて粉々になった
表情は笑顔を保ったままだった
それから身体もバラバラになって
鉄塊と化した
その瓦礫のなかからは
一羽のブリキ造りの鳩が
遠くの空へ飛び立って行った
リヴィングでは
ガニメデ大佐が
ミナミを人質にとっていた
それは目にも止まらぬ速さだった
まず、グライダーが
ホームラの背後に居たことに
雑草魂の魔法使いたちは
誰ひとり気づいていなかった
ライスワイフは
威力を凝縮したプラズマ弾を
指先に作り出して警戒していた
モントローザはそう言うと
ホームラの心臓を
パズルのように分解して
また組み直した
すると鍵のようなものが完成した
彼女はそれを虚空に向けて差し込むと
何もないところで
扉が開いた
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