効かない魔法【Miracle Fanta詩 Ⅱ 272】

石薔薇の魔女モントローザの石化魔法が
アストンに接触した

特に音もせず
石化魔法は消滅した


「……?!」
── 石薔薇の魔女、モントローザ



アストンはそのまま
モントローザをニガマトから引き剥がした

それから取っ組み合いになり
アストンはモントローザの上に馬乗りになって
両手を床に押さえつけた


「僕はあなたのことを信じていたのに…!
ミナミさんや姐さんがこのことを知ったら、ただじゃおかないぞ…!」
── ダイヤモンドの少年、アストン


「しつこい坊や…っ!」
── モントローザ


モントローザは石薔薇の荊を操り
アストンの首を締め上げた

そして自らの豊満な谷間に
アストンの顔を埋めさせた


「んむぅ…!!」
── アストン
「うるさい赤ん坊はお乳でも加えさせれば大人しくなるのかしら?」
── モントローザ


モントローザの柔肌は
アストンの首に巻きついた石薔薇の荊で
ズタズタになり出血していたが
そんなことはお構いなしに胸を手繰り寄せた


「ふざける…んむ…な…っ!人々の…んむにのちを…んむむん…なんだと…んもってるんだ!」
── アストン


アストンは鼻血こそ出ていたが
顔は至って真面目そのものだった
むしろモントローザの出血なのか
アストンの鼻血なのか
どちらか分からなかった


「おい小僧…!あまり色気づいて調子に乗るなよ!
貴様に出来ることなんざ、何ひとつだってありゃしないんだからなぁ!」
── ニガマト


ニガマトはアストンの頭を鷲掴みにし
そのまま宙に上げて
奥の壁へぶん投げた


ドゴォォン


と鈍い音がして
ライスワイフたちが反応した


◀︎ 前頁◀︎

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?