船体に直撃したもの

ライスワイフは
左目をしかめながら
下っ端の船員に
状況を確認させた
何やら物凄い物量のものが
船体を直撃したらしかった
飛空船には
正面を確認出来るような
窓などは付いていないから
憶測でしかものが言えなかった
側面部分には
外を確認出来るほどの
僅かなまあるい小窓が
何ヵ所かについていたが
それでも正面だけは
確認出来なかった
唯一見えるのは
薄黒くて分厚い雲と
船体に取りついた
無数のコイルだけだった
では何で確認するかというと
やはりここでも活躍するのが
思念波というものだ
これは便利で
イルカの群れがそうするように
彼女たちもひとりひとりが
思念波で船体の位置を
把握していた
しかしなかなか船が進まない
沸を切らしたライスワイフは
ムチをぴしゃりと
床へ叩きつけると
強烈な思念波で
船員を頭痛持ちにさせてしまった
その瞬間
船体の外壁から
水が勢い良く流れ込んできた

◆ 戦利品 ─【大量の水】

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