ブレイヴ・フレーム

いま
生け贄になったはず
と言ったか
ワタヌキが即座に反応したが
マグマドグマの黒いマグマが
直ぐそこまで迫って来ていた
ワタヌキは手を前に突き出すと
両の手の指と指との間には
無数の糸の網が
あやとりのように
張り巡らされていた
あなたの勇気に感謝して
そして讃えて
わたしの力を与えました
もしかして
ワタヌキは何か言いかけたが
マグマドグマの
黒いマグマを防ぐのに
必死だった
この糸のようなものは
操れるのか
あやとりのように
手を動かしたり
指抜きをしたりすると
額縁のように
枠が出来た
黒いマグマは
そのなかで
美術館の絵画の一部のように
切り取られて止まった
これが魔法の力なのか
ワタヌキはこの糸を見て
あることを閃いた

◆ 戦利品 ─【黒いマグマの絵画】

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