巡る走馬灯【Miracle Fanta詩 Ⅱ 293】

ホッキョクの脳裏には
今までの出来事が
走馬灯のようにぐるぐると
駆け回っていた

何度もなんども
生まれてから死ぬまで
そんな映像ヴィジョン
飽きるほど繰り返されていた


「オイラの生命ももうここでお終いか。
なんだか、大したことない人生だったなぁ。
最期に、こんなたくさんの人たちに囲まれて死ねるなんて、予想外だったけどな。
あぁ、オイラの身体が見えるや。
不細工な顔して寝てらぁ。
ツナギもこんなに汚れちまって…。
一体全体なんだってこんなこと…。
こんなこと…したヤツ…。
…誰だ…?

オイラのツナギ…こんなに汚しやがって…。
誰だ…!?

オイラは誰のせいで、死ぬことになってるんだ…?!

オレが……?死ぬ……?
殺される……??

ふ ざ け ん な っ ! ! !」
── 彷徨うもの、ホッキョク


ホッキョクは途端に怒りが込み上げてきて
自分の寝顔に殴りかかった


「起きろ!おい、起きろ!!
テメェ、誰に殺されてんだよ!!
オレはそんなんじゃ死なねぇだろ!!
無敵のホッキョク様だろうが!!!
クソ〜!!死にたくねぇ〜!!!」
── ホッキョク


ホッキョクがそう叫んだ瞬間に
バチリと目が開いた



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