炎熱の盾【Miracle Fanta詩 Ⅱ 300】

「もう、誰も傷つけさせない!
どんな脅威からも、オイラが守る!」

── 紅いツナギのホッキョク


ホッキョクは高らかに宣言し
青い炎で出来た
炎熱の盾を展開した

その姿を見たホークジョウは
困ったように笑い


「"…免許皆伝だな。
もう、オレが教える必要はないだろう。
その決意があれば、きっとどんな困難だって乗り越えて行けるだろう。
オレはお前が弟子であることを誇りに思うよ"」

── 幻術使い、ホークジョウ


そう心の中でつぶやいた

宙を舞う黒い液体は
自在に形を変えながら
雑草魂の魔法使いたちウィーザーズを襲った

しかしながら
その攻撃力を上回るほど
ホッキョクの展開した炎熱の盾は
凄まじい防御力を誇った

盾に当たった黒い液体は
焦げ臭い匂いを放ちながら
虐げられて行った

そんな中でも
発明に勤しんでいたドブナガは
早速ライスワイフのアーマーを完成させ
それを彼女に渡した


「サイズはどうかい?
キツかったら言って欲しい」

── 発明家、ドブナガ

「コラ、そりゃ遠回しにアタイがおでぶちゃんだって良いたいのかい?
ちょうどいいに決まってるじゃないか、天才くん!」

── 意思号の船長、ライスワイフ


ライスワイフは皮肉混じりに
ドブナガを褒め称えた

ドブナガは少しニヤリとして
自身の武器も完成させた

それはまるで巨大なガトリング砲だ


「やい、ホッキョク。
ボクは魔法が使えないから、キミの魔法を貸してはくれんか?
なに、ちょっとでいいからさ」

── ドブナガ

「ほらよ。
貴重な一本、大事に使えよ」

── ホッキョク


ホッキョクは自身のマッチに火をつけて
それをドブナガに渡した


「ありがとう」

── ドブナガ

「あ?今何つった?
よぉく聞こえなかったから、もっかい言ってくれよ」

── ホッキョク

「ありがとうと言っている!!」

── ドブナガ

「ウルセウルセ!
耳が使いもんにならなくなんだろ!!」

── ホッキョク


そのやりとりを見ていたアストンは
何だか少し
嬉しい気持ちになった



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