発明七つ道具

ライスワイフたちは
スノーマンズ歩兵たちから
逃げ回っていた

逃げ回ると言っても
部屋の至る所から出てくるから
戦況は申し分なく劣勢だった


「おい、ライスワイフ!
このままじゃ捕まって終わりだぞ!」
── 整備士、ホッキョク
「そんなの見りゃアタイだって分かるさ!
今ない頭捻り出して考えてんの!」
── 意思号の船長、ライスワイフ


そう言いながらライスワイフは
どこから手に入れたのか分からない
パンを頬張っていた


「ど〜考えても、マジメに考えてるようには見えないんだが!」
── ホッキョク
「……!!
……ライスワイフさん、それ貸してください。
……いや、ください!」
── 発明家、ドブナガ
「あ?
アンタ、アタイのファンかなんかかい?
別にそんなに腹減ってないか、あげるけど」
─── ライスワイフ



するとドブナガは
何やら奇妙な道具を取り出して
パンを改造し始めた


「アンタ、何してんだい?
食べもので遊んだらバチが当たるよ?」
──  ライスワイフ
「……ええ、父さんにはこっ酷く言われて育ちましたが、今はこのパンが戦況を覆す鍵になります」
── ドブナガ


ドブナガはパンの加工を終えると
ふたりに魔法を発動させるよう言った


「……ホッキョクくん、キミは熱の温度変化をしてくれないか?」
── ドブナガ
「オイラに指図すんな!ムカつくぜ」
── ホッキョク
「……今はそんなこと言ってる場合じゃないんだよ!……頼む、力を貸してくれ!」
── ドブナガ


ホッキョクは
ものすごく嫌そうな顔をして
加工したパンに魔法を入れた


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