不完全体

少年の身体が
マグマドグマに
取り込まれると
マグマドグマは
遂に行動を開始した
しかしながら
やはり不完全な姿で
以前のような
筋骨隆々とはいかない
身体も取り込んだ
少年の姿が
薄ら見えており
肉体もスライムのようである
歩いた跡は
粘液のようなものが
滴っており
足取りもわかってしまうほどだ
なぜこれほどまでに
彼が消耗しているのか
少年には考える余地も
制御出来る精神力もなかったが
博士のラボに
戻っていることは明白だった
マグマドグマは
きっと憎悪や嫌悪感の
精神的なものを
原動力として動いている
ということは
直感で理解できた
あれよあれよといううちに
博士のラボの
扉の前まで来ていた

◆ 戦利品 ─【不完全な肉体】

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?