禍々しい侵略者【Miracle Fanta詩 Ⅱ 299】

「なんてこった!ウタタカーッ!!」

── 幻術使い、ホークジョウ


ウタタカの翼や首はひしゃげており
彼は力なくホークジョウの肩から
床へと落っこちた


「わたしとしたことが…。
まるで…一瞬にして…空が暗黒に染まるような…感じだ…。
正体は…分からん…。
気をつけろ…ホークジョウ…。
もうすぐそこまで…」

── ホークジョウの相棒、ウタタカ


そう言い残すと
ウタタカは力尽きた


「そんな…嘘だ…、嘘だと言ってくれ〜!!」

── ホークジョウ


ホークジョウは
ウタタカの亡骸を抱えて泣き崩れた


「こんなことが…」

── ホークジョウ


そんな感傷に浸る暇もなく
通路の壁に空いた通気孔からは
黒い液体のようなものが
勢いよく流れ出て来た


その前には
紅いツナギを纏ったホッキョクが
立ち塞がっていた


マッチに着いた火は
オレンジから青に変わった

それを一振りしてみせると
たちまち青い炎は
雑草魂の魔法使いたちウィーザーズを取り巻いた


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