若手生産者と新たなチャレンジを開始したトライアルファーム、高品質なスイカ栽培に取り組む
トライアルファームの農作物は育成から店頭に並ぶまでのすべての工程をトライアルと専門の契約農家で手掛けている。現在は4~5種類の作物を実際に店舗で取り扱っているが、今回紹介するのは夏にぴったりのスイカだ。熊本の若手生産者・城野(ひの)さんと、まだ世の中的には流通量が少ない「黄色いスイカ」の栽培に挑戦した。
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難易度が高い品種栽培へのチャレンジ
城野さんとは2022年8月からトライアルファームのプロジェクトを開始させている。お店で扱うための作物をただ育てるのではなく、品質や価格へのこだわりなど様々な面でチャレンジをするトライアルのカルチャーに共感してくれた。
今回栽培を行ったのは「羅王ザ・スイート」「金色羅皇」の2種だ。一般的なスイカよりも糖度が高く栽培も難しいとされる羅王ザ・スイートに加え、黄色品種のスイカの価値を高めたいという思いからこの2種に決定した。育成の難易度が高いため、トライアルも城野さんもより一層引き締まる思いで取り組んだ。
丸山
「赤いスイカと黄色いスイカは、見た目以外の大きな違いはさほどありません。黄色い品種の方が糖度が乗りやすいですがが、暑さに弱く、限られた期間での栽培となります。シャキシャキとした食感と甘さのバランスを見て収穫時期を決めており、5月末から8月中旬までの期間を目安にトライアル店頭に並んでいます。
城野
「スイカの栽培はとてもデリケートです。20度以下になると皮が割れたり生育が遅れたりします。また黄色品種と赤品種それぞれ適した環境は異なるため、時期を分けて生産しています。天候も大きな問題の一つで、雨や寒さなどによって生育状況は大きく左右されるため日々柔軟に対応しなければなりません。特に雨は大敵で、雨が降るだけで糖度が2度くらい下がってしまうこともあります。」
スイカを食べるときに塩をかけるのは甘さを引き立てるためと言われるが、トライアルファームではスイカそのものがしっかりと甘味を保つためにいくつかの工夫をしている。雌花をつけるタイミングを変え糖度をコントロールしたり、時には栽培の過程で上白糖を土壌に加えることもある。そうすることで実際にスイカを口にするときの一口目の印象が明らかに違うのだ。
戦略的なファームづくり
丸山
「トライアルファームの取り組みは全てが上手くいっているわけではなく、むしろ失敗と日々向き合っています。その上で作りたいものへのチャレンジには引き続きこだわっていきたいと考えています。何より作り手の顔が見えるというのは非常に価値あるものと捉えており、トライアルファームの大きな特長です。パートナーとなってくれる農家の個性を活かすことが魅力的な商品づくりに繋がっていきます。
トライアルファームには昨年からマーチャンダイザーやディストリビューターの担当者も計画段階から一緒に入るようになってきており、販売までの工程をより戦略的に組み立てられるようになってきました。引き続き商品数を拡大していけるように取り組んでいきます。」