見出し画像

【東洋医学】ヒトを構成する生理物質(気・血・津液・精)について小学生にもわかるように解説するよ!

東洋医学を習い始めたときの感想

東洋医学は日本で主流の西洋医学と比較すると、独特の表現方法が多々あります。習い始めたときは「風水でも習いに来たんだっけ」とクラスでも声が上がりました。

でも、よくよく学習していると、ボクたちの生活に馴染むことが多く、東洋医学が大好きになりました。

その中でも今回はヒトの身体を構成するうえで必要な「生理物質」について小学生にもわかるように復習する試みです。

生理物質とは

罫線のない無地のルーズリーフ好き。

生理物質とは、ヒトが生命活動を維持するために必要な物質です。意味わかんないですよね(笑)

生理物質の多くが体内を循環し生理作用を発揮、スムースに循環し続けることでヒトとしての正常な活動を維持できるのです。

生理物質は以下の4つに分類されます。

「気」「血」「津液」「精」

それぞれ詳しくみていきましょう。

- 気 -

気とは身体にとって「エネルギー」として作用します。車に例えると「ガソリン」でしょうか。

具体的には次の5つの作用があり、東洋医学を学ぶには絶対覚えないといけないやつです。

<推動作用>
生理物質の運動を推し進め、また生理機能として、人体の成長や発育にも関与します。

<温煦作用>
身体の中の器官や組織を温めます。結果、生理機能がスムースに運行されます。

<固摂作用>
生理物質や組織(臓腑等)を適切な場所に留めておきます。

<防御作用>
外邪(がいじゃ:外から身体に侵入するウイルス等)の侵入を防ぎ、また体内の邪気と戦います。

<気化作用>
変化を起こさせる作用を持ち、生理物質、分泌物、また排泄物を生成します。

- 血 -

はじめに、「ち」じゃなくて「けつ」と読みます。東洋医学は原則音読みですね。

全身を巡って身体を栄養し、また精神を安定させる役割を持っています。車に例えると「オイル」でしょうか。

血は2つの作用があります。

<滋養作用>
血は栄養を豊富に含んでいて、組織や器官に栄養を与えます。やさしく労わるいいヤツなのです。

<神の維持>
神(しん)は狭義では脳機能や思考を意味します。神を滋養するのは血の影響が大きく、精神を安定させています。

- 津液 -

津液(しんえき)とは身体を巡る水分のことです。「津」は体表を潤すサラサラさん、「液」は体内を巡るネバネバさんです。車に例えると、冷却水(クーラント)でしょうか。

津液は3つの作用があります。

<滋潤作用>
身体に散布し、皮毛や肌肉、関節、九竅(口、鼻、耳等の穴)を潤します。

<濡養作用>
臓腑や骨髄に入って滋養します。

<血脈を満たす>
営気(身体を栄養する気)とともに脈中に入り、血を構成する成分となります。

- 精 -

精(せい)は最も基本的な物質で、さまざまな作用を持つオールマイティなヤツです。気血津液は身体を巡るのに対し、精は身体が必要な分だけ取り出して使うという特徴があります。

<生殖>
発育とともに腎の機能が高まると、天癸(父母から受け継いだ先天の精が化生した物質)により身体に生殖機能が備わります。

<滋養・化生・神の維持>
気・血・津液と同じ作用を精も持っています。足りない分だけ精がカバーしていきます。


まとめ

以上、身体を構成する基本物質のご紹介でした。
「気」「血」「津液」「精」は栄養、そして代謝を行い身体を平常に維持していく作用を持っています。

身体を平常に保つ作用は、現代では「ホメオスタシス」と呼ばれています。ホメオスタシスについてはこの記事で紹介しています。


また、これから東洋医学について学んでみたい、興味があるという方は、マンガで読んでみるのがオススメです。
こちらの記事で紹介しておりますので、あわせてご覧ください。

国家試験の問題を解いてみよう!

最後に、国試の問題を解いてみましょう。

Q . 血を脈外に漏らさないようにするのはどれか。
 (はき第8回-99)[東洋医学概論]

  1. 温煦作用

  2. 固摂作用

  3. 防御作用

  4. 推動作用








<答え>

2.固摂作用

これは「気」の作用についての問題です。
固摂作用は組織や生理物質を正しい場所に留めます。つまり、血を脈中(血管内)にとどめ、漏れないようにしているのです。

じゃあ、漏れたら身体の中ではどうなるの?

解剖学でその答えを書いています。こちらもよかったらご覧ください。

最後までご覧いただきありがとうございます♫


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?