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テレビ番組AD生活で辛かったこと



TV番組の元アシスタントディレクターです。

辛かったことを色々と振り返っていけたらと思います。
愚痴まみれです。また、自分も結構クズな人間なので悪しからず。
また、担当する番組や制作会社、上にいるDやP、テレビ局によって話は違うと思います!

①勤務時間が長く休みは少ない。

話題にもなった電通の過労死事件もあって、働き方改革が進んでいると聞いて入社しましたが、言うほどは進んでなかったです。(同業他社や他業界を見ているわけではないですが)

入社3ヶ月目で20連勤(泊りがけの深夜作業込み)はしたのが印象的です。
退職する直前は多分2ヶ月半ぐらい休みなし。

そのくせ残業代は完全固定でした。(テレビ局の正社員や大手企業はそんなことないかと思います。)何時間働いても、サボった時でも同じお給料です。

番組や個人によって差異はあるかと思いますが、一番連勤などで負担がかかるのが収録で出すVTRや最終的に放送する番組を編集所で編集するところだと思っています。深夜や土日でも平気で作業はあります。
ADの自分としては監禁にしか感じられませんでした。

番組制作の大まかな流れとしては

ネタだし→ロケ→オフライン編集(ディレクターがPCで映像を切りはりして仮のVTRを作る)→プレビュー(プロデューサーやチーフディレクター、総合演出による確認、指摘)→Dが再編集したものを編集所で編集、ナレーション収録→収録で流すVTR完成!スタジオ収録→収録を受けて担当DがVTRを直し、チーフディレクターがスタジオトークなどを入れて番組の尺・形式に合わせるオフライン一本化編集→プレビュー、プロデューサーや総合演出が
演出面での修正点などを挙げる→編集所で編集→プレビュー(主にテロップやナレーションの言い回しや値段や数値が問題ないかの確認です)
→直してナレーション収録、効果音やBGMをつけて完パケ
→最終チェックを経て納品 
となります
(詳しくは調べてくださると助かります。また、番組によって差異はあると思います)

編集所ではディレクターはテロップの入れ方やモザイクを入れる内容をエディター(オペレーターとも呼ばれる、テロップやモザイク、色の調整とかをしてくれる人)に指示する。ADはそれを誤字がないか見守ったり、情報を収集したり、VTRで使う画像を渡したり、出前を頼んだり。

担当した討論番組だとスタジオで出す約10分ぐらいのVTR3本の編集がトータルで18時間ぐらいだったと思う。そして、一本化編集が約30時間が2回、
プロデューサーからの指摘を経ての修正編集が8時間ぐらいと最終修正で
1時間ぐらいかと記憶しています。

めんどくさいのが2時間などのスペシャル番組。
特に警察24時などのようにモザイクを入れまくる場合。
一つ一つコマ送りでモザイクを入れなければならない。
犯人や車のナンバープレート、周囲の家とか。そのため、編集だけでスケジュールが約1ヶ月ぐらいの長さで組まれています。
最初で触れた20連勤は警察24時の編集アシスタントでの体験でした。

ディレクターは基本的に担当ネタが終われば帰れます。
また、編集所のテロップやモザイクを入れるエディターは大体は交代制です。(番組によっては専属の人で連勤させる場合もあります)

しかしADの替えはいません。
なので連勤・深夜作業となって身体がボロボロになっていく。
眠いけど寝たら怒られる。出前飯やコンビニ飯なので栄養も偏るのです。

もちろん、ロケなども取材内容によっては休日にロケやその準備で休みが
潰れてしまうことも多々あります。
ちなみに、自分が体調を崩して退職する直前については、
番組Aの編集・収録で2ヶ月の連勤があり、後に年末年始休みの予定だったが、番組Bのロケあるから!とロケ前日(休日となる予定だった2、3日前)に言われて休みを挟まずに密着ロケへ行かされました。この冬休みを目指して頑張っていただけに絶望感は半端なものではなかったです。
その後、コロナでのロケ中止、その後に年末年始休みを取得しましたが、
時すでに遅し。身体が限界を超えたのか、休み後にすぐ体調を崩し
長期の休養期間に入り、色々あって退職を決意しました。

②交渉ごとが苦手。

自分が人見知りということもあって、街頭インタビューとか企業や店への撮影交渉が苦手で仕方なかった。これは番組や個人差があると思います。
ただ、月曜から夜ふかし(日テレ系)ですごい変な人を見つける努力は本当に尊敬できます。深夜ロケもあるので本当にタフな人たちだと思います。

辛かったのはとある一般人に密着するVTR撮影において喫茶店を使いたいとなって、撮影させてくれる喫茶店がないか片っ端からかけていた時、「協力費は出るのか?」と聞かれて「出ません」と言ったら「こちとら商売でやってるんだ、ふざけんな!」て怒られたこと。これは他の人には報告してない。面倒だったから。
(賢いみなさんはちゃんと上に報告してください。)
ディレクターも忙しかったり、面倒な性格の持ち主だったりするのでディレクターにスケジュールや素材の確認をするのがとても苦手でした。

③周囲がクズばかり…! (自分も人のこと言えない…!)

業界人はまともな人間だと生き残れないのか、
性格に難を抱えたディレクターやプロデューサーが非常に多いです。

すぐ怒る人、陰湿な人、仕事効率が悪いために周囲に迷惑かける人、
(自分も含めて)報連相ができない人…。

すぐ怒るチーフADとエディター、効率の悪い関西弁ディレクター、メルハラ(複数のCCを入れたメールでミスを指摘すること)、モラハラするプロデューサーは本当に嫌いでした。

ちなみに、退職のトリガーとなったのはその嫌いだったプロデューサーに体調不良で休みを申し出た時、ちょっとした連絡ミスで「3年間もやってきてまだできねえのか、辞めたほうがいい」という旨のことを言われたのと別の陰湿プロデューサーに「代理はどうするつもりなの?」とか「責任感ない」とか言われたから。

自分がクズだし仕事で楽をしたいタイプの人間、無能な部分も多々あるけど、それなりには真面目にやってきたし、病人にそう言うか?と思いました。

色々な番組に関わりましたが、自分が本当に尊敬できるTVマンだと思ったのは担当したトークバラエティでチーフディレクターをやっていた人(多くの番組をやってる敏腕!)とその番組のアシスタントプロデューサーの人(中途入社。優しかった。でも頼りすぎて会社にダメ人間と密告された。)と警察24時で一緒だった優しいディレクター(他局でバラエティもやっててすごいと思った)の3人ぐらいです。退職して優しい反応をくれたのもその後者2人だけでした。

他にも番組単位では楽しいこと、辛いこと色々とあったと思うけど、それはまた別の機会に。就職した理由とかもお話しできたら幸いです。


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