見出し画像

学校では教えてくれないお金と法律のこと

こんにちは。

 『学校では教えてくれない大切なこと』シリーズの「お金のこと」を読んで、感じたことを書きたいと思います。

1 お札に関する罪

 当たり前のことですが、偽札を造ると犯罪になります。

【刑法148条】
① 行使の目的で、通用する貨幣、紙幣又は銀行券を偽造し、又は変造した者は、無期又は3年以上の懲役に処する。
② 偽造又は変造の貨幣、紙幣又は銀行券を行使し、又は行使の目的で人に交付し、若しくは輸入した者も、前項と同様とする。

 カラープリンターを使って偽札を造ったり、おもちゃのお札をお店で出してみるなど、その場のノリでやってしまうと大変なことになるので、十分に注意しましょう(かなり罪が重いです。ちなみに放火罪も、行為の容易さの比にならないほど罪が重いです)。

2 硬貨を傷つけること

 10円玉や500円玉に穴をあけたり、薄く削ったりすると、罪になるので注意しましょう(ときどきマジシャンが逮捕されたというニュースを見ます)。1年以下の懲役または20万円以下の罰金となります。

【貨幣損傷等取締法】
① 貨幣は、これを損傷し又は鋳つぶしてはならない。
② 貨幣は、これを損傷し又は鋳つぶす目的で集めてはならない。
③ 第1項又は前項の規定に違反した者は、これを1年以下の懲役又は20万円以下の罰金に処する。
【刑法152条】
貨幣、紙幣又は銀行券を収得した後に、それが偽造又は変造のものであることを知って、これを行使し、又は行使の目的で人に交付した者は、その額面価格の3倍以下の罰金又は科料に処する。ただし、2000円以下にすることはできない。

 自由研究で10円玉を磨いたくらいじゃ犯罪になりませんが、磨き続けて刻印が消えたり、穴が開いたりすると、犯罪になりそうです。

3 お金ちょうだいは罪?

 香川県で、23歳の男性が「お年玉をこのカップに入れてください」と訴え、その様子をパソコンからインターネットの動画サイトでライブ配信していたところ、通報を受けた警察官によって逮捕されたというニュースがありました。

【軽犯罪法1条22号】
こじきをし、又はこじきをさせた者

 物乞いは軽犯罪になるみたいですが、大道芸や托鉢、募金活動は罪にならないとされています。動画のライブ配信での投げ銭やPaypal meなど、細かいところを見ていくと話が長くなりそうなので、別の機会に説明したいと思います。

 また、子どもをつかって物乞いをしても、3年以下の懲役刑になる可能性があります。

【児童福祉法34条】
何人も、次に掲げる行為をしてはならない。
一 身体に障害又は形態上の異常がある児童を公衆の観覧に供する行為
二 児童にこじきをさせ、又は児童を利用してこじきをする行為
【児童福祉法60条】
② 第34条第1項第1号から第5号まで又は第7号から第8号までの規定に違反した者は、3年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

4 貨幣での支払いの上限

 スーパーのレジで、お客さんが袋から硬貨をザバーンと広げて、「いち、にい、さん・・・・」と数えて支払うという場合に、レジの店員はどこまでこれに付き合わなければならないのでしょうか。

【通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律7条】
貨幣は、額面価格の20倍までを限り、法貨として通用する。

 500円玉、100円玉など、それぞれについて20枚までであれば、小銭での支払いが認められるとされています。すると、500円玉×20枚+100円玉×20枚+50円玉×20枚+10円玉×20枚+5円玉×20枚+1円玉×20=12,820円については法律で認められた範囲内ということになります(ただし、他のお客さんの迷惑になりますが)。

5 税金の話

 子どもにも知っておいてほしいのは、やはり税金ですよね。

【憲法30条】
国民は、法律の定めるところにより、納税の義務を負ふ。

 給料を得たら【所得税】、物を買ったら【消費税】、とくに酒を買うと【酒税】、タバコを買うと【たばこ税】、温泉に入ると【入湯税】、車を買うと【自動車税】と【ガソリン税】、住所があるだけで【住民税】、マイホームを持っていると【固定資産税】、会社を作ると【法人税】、親の財産を引き継ぐと【相続税】、他人から財産をもらうと【贈与税】、20歳になると【国民年金保険料】、40歳になると【介護保険料】です。

 稼ぐ金額によっては、給料から最大55%が税金として引かれる場合もあります。これだけ取られても、日本はまだまだ借金大国です。江戸時代でも、農民からかなり年貢を徴収していたにもかかわらず、幕府と藩が財政難に陥っていたことを見ると、逆に財政に余裕がある時代の方が珍しいのかもしれませんね。

 税金を納めることは国民の義務ですから、今後もいろいろな場面で税金を徴収される場面が増えそうです。知識をもって、しっかり備えておくことが必要でしょうね。

 では、今日はこの辺で、また。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?