月に帰るもの

テレビの「おはなしのくに」で「かぐやひめ」をやっていた。

私はちょうど夕食調理中で全く見ていなかったのだが、息子は真剣に見ていたようだ。しばらくして息子は、

「おかあさん。つきにかえっちゃった」

と言った。

「そうだね。最後にはかぐやひめ、月に帰っちゃうよね」

ちゃんと話の内容がわかったんだなーと感心していたらば。

「つきにかえっちゃった。ゆうこさんとおんなじだね!」

と続けて言った。

「あー、うん。そうだよね。いっしょだねー」

相づちを打ちつつ、ちらっと頭をかすめた自分の予想が当たったことを内心褒めた。息子の中で「月に帰る人」として一番最初に出てくるのは、「かぐや姫」じゃなくて「ゆうこさん」なんだな。

おそらく全然わからない人の方が多いので説明すると、「ゆうこさん」というのは、ウルトラマンA(エース)に出てくる南夕子という人だ。北斗星司と南夕子、2人でウルトラマンAに合体変身することができる。ウルトラマンAの主人公的ポジションの人だ。

実は彼女は月星人で、月を滅ぼしたルナチクスという怪獣を倒した後、月星人の仲間の元へ帰ってしまう。厳密に言うと仲間がいるのは月ではなく冥王星らしい?ので「月に帰った」わけではないようなのだが、我が家ではルナチクス回の後、夕子さんは「月に帰った」と言っている。

おそらく一般的な順番では、「かぐや姫」を知ってから「ウルトラマンA」を知るので、月に帰ると言えばまずは「かぐや姫」が出てくるのだが。息子は完全に逆になってしまった。それがいいとか悪いとかではなく、触れるものによってこういう順番が変わることって、実は結構あるんだろうなぁ。

息子は特にウルトラマン知識がすごすぎるので(もう全然ついていけない)、ウルトラマンが先、ということが多いのかもしれない。まぁ、それはそれで息子らしくて面白い人生だと私は思うけれど、この先どこかで問題が出てくることがあるのかなぁ。

余談だが、息子のウルトラマン知識はもうわけがわからない。今テレビでやっている「ウルトラマントリガー」は、割と前に出てきた怪獣が出てくるらしいのだが、テレビで見た瞬間に怪獣本3冊の中からサッと1冊を取り出し、「おかあさん、この怪獣だよ」と教えてくれる。おそらくその回見たことないのでは?という全然名前を聞いたことのない怪獣でも、サッと出してくる。君の頭の中は一体どうなっているのだね。もう平成ウルトラマンに関しては、夫も全く敵わないらしい。ウルトラマン熱はいつまで続くのか。どこまで知識を吸収し続けるのか。ただ見守り、驚くことしかできない今日このごろである。


ではまた明日。