ニラ玉

「おかあさん、ぼくね。『たまごわるだけ』とか『まぜるだけ』とかいやなんだよ。もっとほかのことぜんぶやりたいんです!おねがいします!」

息子にそんなことを言われた。「やりたいんです!お願いします!」と言いながら頭を下げる4歳児。君は何故そんなに丁寧なんだい。どこで覚えてきているんだい。

息子は小さな頃から料理が好きなのである。興味があるのは感じていたので、玉ねぎの皮をむくとか、カニカマを割くとか、こんにゃくを丸めるとか、ウインナーを切るとか、じゃがいもを潰すとか、細々としたことは日々やってもらっている。しかし最初から最後まで作ると言えば、「ホットケーキ」くらいなのが現状だった。どうやらそれが不満らしい。

「じゃあ、ニラ玉でも作る?」

ちょうどニラと卵があるのだ。そんなに工程の多いものではないし、一緒にやれば息子もできると思う。

ニラを洗ってもらって、一緒に切る。ギザギザのついた切れない包丁を卒業し、普通に切れる子ども用の包丁を購入した我が家なのである。さすがにこの包丁は一緒に切らないと危ないので、私も手を添えてニラを切る。

その後、卵を割って器に入れてもらった。混ぜるのも息子にしてもらう。卵を割るの、上手くなってきたけれど。まだグシャっとなることがたまにある。殻が入ることはよくある。これも修行だよ、と心の中で応援する。

フライパンにニラを入れてもらって、息子の手を持って一緒に炒める。炒めるのを1人はまだ危ない気がするな。椅子に乗っているものの身長(腕の長さ?)が足りていないというか、フライパンの縁で火傷しそうで怖い。

卵も入れてもらって一緒に混ぜて完成。味付けだけは私がした。塩をパラパラ入れるとかくらいならできると思うけど、液体系の調味料は今の息子には早い気がする。醤油差しくらいの大きさのものに入れておいて計量スプーンを使うなら、いけるかなぁ。我が家には醤油差しが存在しないので、買わないといけないのだが。そしてちゃんと料理本を見て調べないといけないのだが。私が超適当で、いつも「このくらいだろう」ってドバーッと入れるので、具体的に大さじいくらとかがちょっとわからない。

本日のニラ玉も美味しくできまして、息子はパクパク食べていた。

子どもと料理するのって時間がないとできないし、正直親としては面倒な部分もあるのだけれど。やらなきゃできるようにならないし、「自分で料理をする」って「自立」の大きな一歩だよなぁと思う。

何より息子は料理が好きなのである。興味のあるうちはこれからもなるべくやろうと思ったのだった。


ではまた明日。