本。老いの教科書

今日は本の話。『Newton2021年4月号、老いの教科書』のメイン特集部分を読んだのでその話を書く。

人は誰でも老いていく。今回の特集では、「老いのしくみ」、「老化を防ぐ生活習慣」、「老いと向き合う心」、「未来の老いはどうなっていくのか」という4章に分けて「老い」について書いている。

個人的に期待していたのは前2章なのだが、期待が大きすぎたのか正直そこまで真新しい情報は無かった。むしろ面白かったのは後ろ2章の方だった。

3章の「老いと向き合う心」。加齢の影響は、肉体だけでなく精神も受ける。心の面でどういう変化があるのか、それとうまく付き合っていくためにはどうすればいいのかを書いている。

まず、歳をとると前向きなことを記憶しやすくなるらしい。若い頃は、ネガティブなこともポジティブなことも、両方ともよく覚えている。しかし歳をとると、ポジティブなことをより覚えるようになるそうだ。

これは「自分に都合の良いことばかり覚えている」と言われることに繋がるのだが、意識してそうしているわけではなく、ポジティブなことを記憶しやすい(ネガティブなことを記憶しにくい)という特性が関係してくるのかもしれない。

ネガティブな情報に注意して将来の危険を回避する動機が小さいため、感情的な充足を優先する心理が働くのではないかと書いている。

また、「いつまでも若いつもりでいる」というのもちゃんと根拠がある話らしい。実際の年齢と主観年齢(自分のことを何歳くらいに感じるかという感覚)は、20代前半頃を境に関係が逆転し、どんどん差が開いていく(40代で4〜5歳、60〜70代で6〜7歳ほどの開きがあるそうだ)。

若々しいふるまいが心身の健康にプラスとなることも少なくないらしく、主観年齢が低い人の方が死亡リスクが小さい、記憶力が優れているという研究結果もあるらしい。「いつまでも自分を若いと思っている」のは必ずしも悪いことばかりでは無いのである。

お年寄りは「楽観的だ」「危機意識が低い」等と言われることがあるが、実際、歳をとるとそうなっていってしまうもののようだ。ただそれは、ネガティブな側面だけではなく、残りの人生と向き合う上で必要な変化でもある。それを理解した上でお年寄りと接して行けたら、自分の「老い」と向き合っていけたら良いなと思った。

他にもいろいろと面白いところはあったのだが、長くなってしまうのでこの辺で。

一応、推定値としては、これからも平均寿命は伸びていくと考えられているようだ。できるだけ健康な状態で長く生きられるように、情報を集めて実行していきたい。


ではまた明日。