流れを見る
夫と息子の髪を切った。
基本的に夫と息子の髪を切るのは私で。右手にハサミ、左手に櫛。その2つを使ってジョキジョキ切っている。
結婚してから何回切ったのか。夫の髪は20回くらいは切っているのかもしれない。それだけ切ると慣れてくるもので、大胆に切れるようになった。確か初回は2時間近くかかっていたと思うのだけれど、今は30分かからないくらいで切れる。
私は美容師を目指したことは無いし、髪を切る勉強を一切してこなかった人間だ。
見る人が見れば素人が切ったのが丸わかりだろう。しかし夫本人が「これでいい」と言うのでいいのだと思う。
問題は息子の髪である。
夫の髪は大人だからか太くてしっかりしていて、何となくわかりやすい。切りやすい。ジョキジョキ切ってもそこまで変にはなりにくい。
しかし息子の髪は。細くて薄くてふわふわしていて、どことなく掴みどころがない。
成長と共に少ししっかりしてきたものの、それでもまだまだふわふわで。櫛で上手く固定できないし、ジョキッといきすぎて「明らかにここだけ切りすぎですね」という所が出てきたり、変に段差ができたりしやすいのである。
まぁ、本人が気にしていないし。子どもなので多少変でもそれも可愛さに変換される。とはいえ変じゃないに越したことはないのだが…。
そんなこんなで毎回試行錯誤の息子の散髪。しかし今回、少しだけレベルアップできた気がした。
夫もそうだけど息子も。個人的に難しくてどうしたらいいかわからないのは、上の方の髪である。下の方よりは長めがいいと思う。でも、いい感じに短くするってどうするの??
今回何故か、一部上の方の髪の流れが見えた。もちろん、「こういう方向に生えてます」というのはどの髪にもあるものの。より大きなまとまった流れとして、何故か綺麗に見える時があった。
流れに沿って、こんな感じで、このくらいで。ひらめきと言うと大げさだけど、その流れを見ていると何となく「こうしたらいいんじゃ?」というのが浮かんでくるのである。
なのでその通りに切ってみた。結果、今までとは違う、少しだけいい感じに仕上がった気がする。……まぁ、明らかに切りすぎている所もあるけれど。
あんなに綺麗に髪の流れ(?)が見えたことは今まで無く。たまたまなのか、これからも見られるのか、それはわからない。
ただ、切り続けることで見えてくるものもあるのかなぁと思う。
息子も成長するにつれ、専門の人に切ってもらうことになるだろうし。いつまで私が切るかわからないけれども。
私は私なりに毎回観察して、経験して、成長していけたらいいなぁと思ったのだった。
あの流れが見えた瞬間は、「おぉぉ!」と感動するものがあり。できればもう一度見たいなぁと思う。
ではまた明日。